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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
一章 平和の国カストリア編
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16.記憶のこと②

 カルマはその頃、森の奥地にて剣を握り魔獣の屍の山の上に立っていた。


「もう少しなんだ……」


 カルマはフィルスの元を離れてから魔獣を倒し続けていた、フィルスに言われた剣の重さを得るために。


 カルマは少し眩暈がし魔獣の上で足を滑らす。


「うわっ」

 疲れ切ったカルマは地面に落ちていく。


 目を開けるとそこは以前にも来た白い世界で倒れ込んでいた。


「よう」

 声の先にはカルマと同じ顔の青年の姿が


「思い出したか?」

「いやわからないんだ。」


「そうか。」


「君の名前は?」

「俺?……」


 青年はそういうと口籠る。

「……?」


「俺はリョウタだ」

「リョウタ……?」


 カルマは目を覚ました。魔獣の上から足を滑らしたカルマは地面に膝をついていた。


「涼…太?」

 カルマは目を見開き、地面を見る。カルマはぼんやりと思い出した。

 彼はきっと僕だ。いや、僕になる前の…前世の記憶。

「僕は生まれる前、違う世界に住んでいた…」


 カルマは頭の中にある、自分ではない自分の記憶に驚いた。だが、同時になぜか冷静だった。


 生まれる前の記憶を思い出した話など聞いたことがない。そもそも生まれ変わりや前世などが他の人にも存在するのか、自分だけのことなのか。

だが、どんなに前世の記憶を思い返しても、カルマはカルマだった。まさにその記憶は自分のものではない他人の記憶でしかなかった。


 だがしかし、何だろうこの記憶は、強い後悔を感じる。

あの夢に出てきた女の人は、多分母親だ。

この気持ちはきっと母親に対する強い謝意と後悔だった。

カルマの頭にバトロフとティリエの顔が思い浮かぶ。

「ちゃんと親孝行しないとな…」

 そんなことを呟きながら疲れ切った体を休めるため、

 カルマはそのままその場で目を閉じた。

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