第45話。決別
1年以上お休みを勝手ながら頂いておりました。
活動報告の方で、再会の方を勝手ながらお知らせをさせて頂きました。
もしお待ち頂いていた読者様もしくは、読み始めてくださっている読者様
誠に申し訳ございませんでした。
本日長い沈黙を破り再開をさせて頂きます。
誠に長い間筆を置いてしまい誠に申し訳ございませんでした。
その夜は静かであった。
何時もなら賑やかな場所が静かになった。
誠は夜ひっそりと1人だけ遥か遠くの山奥で月を眺めていた。
背後に誰かが近づいて来たと思うと、昼間に失望したと声をかけた彼女であった。
「誠様?風邪を引いてしまいます」
「そうだな・・・。今日は月が綺麗だな」
「そうでございますね誠様。いつまでもお慕い申し上げています・・・」
彼女は何処と無く悲しそうにだが嬉しそうに吐き出す言葉は重みを感じた。
月がゆっくりとその姿を薄めていく事には、彼女の姿は背後から消えていた。
村に戻ると爺さんが何時もよりも焦りを見せながら、ゆっくりと此方へ近づいて来る手に持つモノは手紙であった。
ピンク色の可愛らしい便箋に、ももらしい匂いが包まれた手紙には一言「お慕い申し上げております」とーーーーー。
「あやつ気配を消してこの世界から消えおった。探し出すのはお主でも骨が折れるぞ?」
「探しはしない。皆を此処に集めろ。キュピなども含めて全員だ」
「ほぉほぉ」
爺さんは深く頷くと配下を全員集合する為に移動を開始した。
配下全員を集めるにはそう時間は掛からなかった。
「全員揃いましたぞ?」
「ではこれから言う事をよく聴け。お前らを俺は一旦捨てる。思っていたよりも時期が早いが仕方がない。
貴様らは用済みだ。何処へと消え去れ。目障りだ」
「ほぉほぉ。ではこれで私は失礼致します」
爺さんが真っ先に誠の目の前から去った。
キュピなどは誠に抱きつき、離れようとしなかったが暴行を加える事で離す事ができた。
饕餮は1人最後まで残るとわざと獣のまま口を開いた。
「1番誠様が辛いお役目を何故担うのですか!」
「お前は随分賢くなったなぁ。だがまだ足りないこれから先俺でも勝てぬ敵や魔法が開発される。
それに備えお前らは俺の元から離れ鍛える事にした。
これは博打だ。
皆を集めに行く時はいつになるかもしかしたら、迎えにも行けないかもしれない。
お前らがまた俺の元に集ってくれる事を期待す・・・いやお願いしたい。
饕餮強くなれ・・・今の俺以上に」
「誠様!もしやご自身を封印される気では!」
「せめて!せめて弟子をお取り下さい!もも様以外の弟子を!」
「馬鹿言うな。彼奴は俺の伴侶となり得る器であり、師匠であり、唯一の弟子なのだ。・・・仮弟子なら考えるがな・・・ふっふふふーーーーー」
「もも様の苦労を知っているのですか!誠様!」
誠はそう言い残すと、村で死んだ者達を全て生き返らせ、記憶や時間を全て巻き戻した。
後ろ姿のまま手を振る誠に涙を流した饕餮であった
誠は1人だけ村を開発する中で、先読みの眼を開眼していた。
この先村を開発しようともすぐに他者によって破壊され仲間は全員死亡する。
そうならない為には己を悪とし、皆をバラけさせる事他に無かった。
特にももには感謝をしていた。
先読みの眼を開眼してから知った事であったが、今までスムーズに事が進んだ事も全て誠が気づかない中でももが行っていたのだ。
それも淡々に・・・。
爺さんにも気づかれずそれを誰に言う事もなく・・・
あくまでも偶然なのかももが取らせたスキルなのかはわからないが、それを知った時俺は俺を殺した。
「お慕い申し上げていますか・・・。馬鹿言うなよこんなニートに何ができるって言うんだよ!」
無力すぎた誠は1人人知れぬ無人島の森の中で、泣きわめいた。
全てはももによる手引きによって成功していただけ・・・。
罪悪感に押しつぶされそうになった誠は、数百年の眠りについた後、1人の仮弟子を作ったーーーーー。
それはそれは優秀で、誠の教える事を覚えて使いこなすほど優秀でそしていて忠実な人間であった。
その人間は誠に会うまでは生意気で暴力的で、嫉妬深くて、甘えん坊なのに突っ撥ねる面倒な子どものような奴だった。
誠が仮弟子に最後の免許皆伝に選んだ事は自分を殺す事だった。
誠は己の今作れる最大限の魔法で己を封印する矢を作り出し、仮弟子に手渡した。
誠が丹精込めて魔力をつぎ込んで作り上げた聖樹に打ち付けるように促した。
無論仮弟子は泣きわめいた。
ーーーーーももや仲間を失った時の誠の様に。
「また会える。良く聞きなさい。俺はこれから数億年か数千年の眠りにつくいつ目覚めるかは分からない。もしかしたら目覚めないかもしれない。
だがいつか俺の匂いを醸し出す女が、俺の墓の前に現れたらこの場所に案内して欲しい。
そう泣くな、また会おう優秀な弟子スノー」
弟子のスノーは思い切り矢をぶん投げた。
それと同時にスノーの体に誠が魔法を施した。
不死者の魔法。
それにより弟子のスノーは不死者の仲間入りをした。
唯一誠が頑なに教えなかった魔法が不死者の魔法だった。
誠が口癖の様に不死者の仲間入りは後悔すると言って教えなかったのだ・・・。
誠が聖樹に打ち付けられたのと同時に、打たれた槍を中心に反時計回りに巨大な聖樹は、捻れ誠の体は一瞬にして干からびた。
真っ黒な皮膚にテカリが加わり、目玉は乾燥しなくなってまるでミイラであった。
スノーが泣きながら近づこうとしたが、何千にも及ぶ高等な結界が張られ、今のスノーでは近づく事すら・・・触れる事すら許されなかった。
それからいくばくもしないうちに、結界の中に霧が出現し見る事すら叶わなくなり、スノーは誠の偽の墓を見守る番人となった。
それから歴史と言う言葉が馬鹿馬鹿しくなるほど、長い年月が流れた。
「やっと見つけました・・・誠様・・・。お慕い申し上げておりました。」
「誰だ!誠様の匂いを汚すものは⁉︎」
「お前か?師匠がお待ちだ。」
「なんだ?誠様がお待ち?・・・生きてはいない封印?」
「ついて来い」
誠の弟子のスノーは以前は小柄で可愛らしい女の子の様な男の子だったが、長い年月が流れすぎ女の子になっていた。
長い髪は大和撫子のようになり、森の番人エルフに勝る美貌を持っていた。
ただ一つお淑やかさが欠けていたが・・・。
そして墓に現れた人物は、黒く汚れた狐のお面を顔につけて、黒いローブを被っていた。
恐らく女のような人物であった。
「ーーーーーここだ」
霧が濃い一寸先も見えぬ森の中に明らかに神聖な場所があった。
あまりにも神聖すぎて、生物は近寄らず草木は枯れはて霧だけが立ち込めていた。
「やっと霧の先にいる師匠が見えるようになった。お前に見えるか?師匠が」
「はい、お慕い申し上げております。我が主誠様でございます。」
「そろそろ誠様を起こしましょうか・・・」
謎の女はズカズカと霧の中を進んでいき、スノーが結界があると言おうとした瞬間、全ての結界が窓ガラスが割れるように粉々に砕けた。
「嘘だろおい・・・」
ゆっくりと誠の前にまで歩いて行き、そっと槍に手をかけると誠の負の感情が謎の女性へと流れ込んできた。
そこには仲間一人一人にこの長い年月の間謝り通した負の感情がずっとずっと渦巻いていた・・・。
「もう大丈夫です。ももがやって来ましたよ」
ももが力を込めて槍を引き抜くと、聖樹は縮み苗へと戻り、誠はももの大きな胸へと倒れた。
だがーーーーーその姿は戻りはしなかった。
本作品を読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいていることに感謝申し上げます。




