36話。ルークと名刀
誠は、露店にルークと一緒に来ていた。
なんでも、販売場所はどこでも良いらしい。
だが指定している人もいるのでそれ以外と言うのがルールらしい。
売るのはモンスターでも、武器でも、アクセでもなんでもいいらしい。
「お前は何を売るんだ?」
「まずは武器か、特殊アイテムだな」
「特殊アイテム?」
「この世界には、マジックバックが無いのがまず不便だ」
「まじっくばっく???」
「後で創ってやる。ルーク?砂熊を狩りに行くか」
「あぁそうだ言い忘れていた。弓使いは何かと金がかかるから、露店じゃ基本は売れないからな?」
(これは想定外だ・・・)
誠はそう思いながら、中心的には特殊アイテムで稼ぐか?と方針を決めかねていた・・・。
誠は転送装置の前まで来ると中心街にあった転送装置よりボロボロの転送装置をみて、不安になる。
「大丈夫かこれ?」
「今ん所は壊れてない」
誠は、グルクラッカーを片目だけ起動する。
これにより、バリアを張ることが出来ることが遊んでいたら分かった。
グルクラッカーで見ると少々、転送装置が行き先とは違う場所に連れて行ってしまう致命的なエラーを抱えていることが分かった為、プログラムし直して、転送装置に入る。
「もう砂塵前か」
「どうかしたか?」
「なんでも無い」
この砂塵の中には、モグモグの強化版
【グルグル】
が存在する。
グルグルは、地上で生活するのだが眼が退化する代わりに、聴覚と力が発達した二足歩行モグラだ。
前回は会わなかったが本来はそいつが強すぎて近づけないのが現状であり、砂熊と遭遇を食らえば、生きて帰れないそうだ
そんな心配を他所に、グルグルが目の前に現れる。
「グルグルだ、ルークグルグルを狩る契約じゃダメか?」
「バカ言うな、グルグルはランクC級のバケモンだ!」
2人はヒソヒソ話しつつ、抑揚を付けながら話す。
「俺はが後方支援、ルークは接近戦で行ってくれ」
「待て!なんで砂熊じゃいけな(ry」
「7:3」
「わぁったよ!」
砂熊はランクDのモンスター
グルグルはランクCのモンスター
なのだが、一個しか桁変わんないじゃんと思いたいが、そこには越えられない壁が存在するのが現状だ。
誠は、グルグルというモンスターを図鑑で見た時に、二足歩行と言う事は脳が発達しているということだ。
だから興味が湧いたらしい。
ルークが先攻し、一撃をお見舞いしようとした所、グルグルは素早く避ける。
グルグルは、モグラをトラックぐらい大きくした容姿なのにも関わらず、素早かった。
「冗談だろ⁉︎」
一撃目を避けられるのは致命的なのだ。
普通は2撃目を用意しているものなのだがルークにはそれが無いらしい。
グルグルが爪でルークに襲いかかり、ルークはそれを辛うじて、大剣で防ぐが怪力な為ルークは押される。
「早く援護!援護!援護下さい⁉︎」
「はいはい」
誠は冷静に、砂塵の中でグルクラッカーを使いつつ、片目で狙いを定める。
グルクラッカー発動により、グルグルまでの放物線を設定。
次に風速を変更し、矢の速度を変える。
そして発射。
一筋の鉄の矢が、グルグルの体に刺さる。
「でゅるりぃぃぃぃぃ!」
「OK!」
ルークは怯んだ、グルグルを大剣で一撃、2撃、3撃と切り刻むのだが、分厚いその皮には大剣でも浅い傷しか付けられない。
「冗談キツイぜ馬鹿やろう!」
「どうかしたのか⁉︎ルーク?」
誠が後ろからグルクラッカーで見ていたが、攻撃が浅い事に気づく。
ルークは1度バックステップで後ろに退避し、誠に状況を伝える。
「すまない、攻撃が通らない!」
「剣を見せてみろ」
ルークの剣は、全く研いでいなく鈍となっていた。
「手入れを怠ったな?ルーク」
「高いんだよ!削るぐらいで‼︎」
「ちょっとかしてみろ」
「マズイ‼︎早く‼︎グルグルがこっちに気づきやがった!」
誠はゆっくりと剣を斜めにして見る。
剣には無数の傷が付きボロボロになっていた。
誠が、糸紡ぎを使い剣とリンクする。
「疲れたか?大丈夫だ今からお前を治療してやる」
「何剣に話しかけてんだ!早く!早く!早くして下さいおねげえします!」
「ルーク、言葉がおかしいぞ?」
誠はルークの剣とのリンクしたまま研ぎ始める。
ただ研ぐのではなく誠は修理をする。
深い傷は同じ性質の鉱石を使い、傷を埋めて剣との鉱石と一体化させる。
文字通り一体化させるのだ。
上塗りではなく・・・。
誠は修理を終えるとリンクを外して一言言う。
「もうひと頑張りしてこい、硬剣:負‼︎」
そう言って、誠はルークに剣を手渡す。
誠が手入れした、硬剣:負
は、新品の剣のように光を放ち力が充ち満ちていた・・・。
「いくぜせぇぇぇぇ!」
ルークは走ってくるグルグルに向かって剣を構えて走り出す。
誠はグルクラッカーを発動し、グルグルの足を止めるべく、罠を設置する。
「残り5秒、4、3、2、1、system all green」
その声とともにグルグルの足元に罠が現れる
【発動:レッグホールドトラップ】
通称トラバサミ。
「でぎぃるびぃぃぃい!」
「ナイス!」
ルークは剣でもう一度グルグルに斬り込む。
今度は豆腐でも斬っているのか⁉︎
と思う程に簡単に肉を斬る事が可能となった。
刺して、斬ってを繰り返しながら、グルグルの腕の攻撃を剣で受けつつ、反撃をする。
そして弱った所でルークは跳躍し技名を言い〆る。
【剣技:大詰‼︎】
頭から、大剣を斬り込む技であった。
グルグルの頭から血が吹き出し剣が血で汚れ、ルークも返り血で汚れる。
そしてグルグルは、後ろ向きに倒れ込む。
「しゃっぁぁぁああああ!」
ルークが雄叫びをあげている所に誠がやって来て剣の感想を聞く。
「どうだった?」
「この剣別物みたいだ」
「その剣の本来の力を引き出したんだ」
「本来の力?」
「本来の力をはな・・・」
誠曰く、糸紡ぎを使い剣の言葉を聞くことによって可能となるらしい。
剣と対話することによりどんな力を秘めているのか聞き、どういう手入れをして欲しいのか聞く。
そして名前を呼んでやる。
これが出来ない者が剣を研ぐと剣は本来の力を引き出せないらしい
「お前凄いんだな・・・」
「今更か」
「それとその剣の名前は硬剣:負だ
ふは負けると書いて“ふ”と読む」
「負ける⁉︎」
「相手が負けると言う意味で呼んで欲しいらしい。そして“ふ”の力は相手に負けないことだそうだ。」
「この剣は安物だぞ?」
「剣は打つ奴が凄いと名刀とかわけの分からん事を言われるが、本来は剣の“力”を引き出した時に“名刀”となるんだ」
誠は思いつきで糸紡ぎをしたら、全てを理解できたのだ。
便利な技を編み出したと誠は思う。
「そうなのか・・・」
「それと大剣をなるべく盾にするな」
「なんでだ?」
「剣が傷つき、肉を斬りにくくなるし手入れが生半可な鍛冶屋や研ぎ師じゃ修繕不可能となるからだ」
「がははははっ。お前にしか剣は託さねぇから問題無い‼︎」
「大切にしてやれよ?その剣は、今を持って【名刀、硬剣:負】だ!」
誠がそう指名するとルークの剣に青く光印が浮かび上がる。
それは誠の手の甲についてある蝶の印と瓜二つだった。
「ん?え?おいおい!名無し!見てみろ印が浮き出たぞ⁉︎」
「なに?」
誠は糸紡ぎを使ってリンクをすると
「誠さん名刀にして下さり、ありがとうございます。
感謝の気持ちとして、印を私の体に刻みます」
そう言われ、誠は驚く。
リンクとは、心の全てをリンクすると言うことだったようだ。
名前がばれていた・・・。
「どうかしたのか?名無し?」
「いや、なんでも無い。感謝の意味で印を刻んでくれたそうだ」
「がははははっ。お前はすげぇやつだぜ!」
それから、砂熊や、グルグルを狩り夕方になった所で狩を辞める。
「いっぱい狩れたな!」
「最後に剣を見せてくれ」
「おう!」
誠はルークの剣を見ると傷が一つもついていなかった。
この事を負に聞くと、誠のおかげらしい、だが永遠には続かないのでいずれ傷が付くとのことだった。
「ルーク、傷が付いたら俺の所に持って来てくれ。その方が負も喜ぶ」
「分かった。安くしてくれよ?」
「なるべく安くやってやるよ」
誠は今回ルークと狩をしたことで得る物が大きかった為、値引きしてあげることにした。
それから、収縮剤の効力が切れる前に大急ぎでギルドに行き換金するとルークが昇格する。
「ランク昇格おめでとうございます。
【Rank C】です」
ルークは喜びながらギルドカードを受け取り、今回の報酬である7:3をルークが悪いからと、8:2にして、渡してくる。
誠はお金を受け取り、ルークと共に宿に戻るのであった。
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