34話。狩りと失敗
誠は目を覚ます。
3時間ほど誠は寝ていた。
今の誠は、睡眠も食事も必要としない化け物なのだ。
しかも1時間寝れば、一生寝なくて良いむしろ、寝過ぎなぐらいである。
「あー寝た寝た。新しい技でも創るか」
誠の創った次元では、誠が起こさない限りはどんなものでも起きない。
誠は、胡座で座り技を考案し始める・・・・・・。
「何か相手に干渉出来る技が良いな」
誠は相変わらず独り言を言いながら考える・・・。
「まずは眼をより強化するか」
誠の眼は、電波までもが視覚できるのだがこれ以上強化するとなると世界の創りが見えるようになる。
「良いね。人が数字に見えるよ」
誠の眼には、人が小さな小さな数字の配列に見えている。
これは誠に分かりやすいよう数字なだけで、他者が同じ能力を得れば見え方は変わる。
そして誠は思いつく。
「干渉、数字、改ざん・・・」
導き出されたのは、クラッカー。
悪意の有るハッカーの事で有る。
「名ずけてグルクラッカー」
誠が呟くと誠眼には、空中に目の前の少女2人分の数字の数列と次元の数列。
3つが映し出される。
「これはしんどいなー。これを改ざんするのに“何秒”かかると思ってんだよ」
「まぁ私なら出来なく無いですが・・・」
誠は手始めに、次元のスクリーンを目の前に配置し、数列を改ざんし始める。
改ざんにかかった秒数12秒。
次元改ざんにより、次元に家具一式が召喚される。
「成る程ね」
誠は試しに記憶の中の家具を思い浮かべると数列に変換される事が分かった。
それを次元の数列に組み込む事で召喚が可能となるらしい。
だが、戦闘で相手の肉体に干渉するとなるとこの条件では難しい。
今ので12秒。
(12秒もあれば切り刻まれてしまう・・・)
そんなことを考えながら、誠は他次元で実験を開始し、6時間ほど経って戻ってくる。
「疲れたー。さてと、2人を起こすか・・・」
誠は、巫女装束を着たガリガリの少女を抱き抱えて、次元を裂いて元の世界に戻る。
場所はスラムではなく、荒野である。
「今日もモンスターは活発に動いてるね」
誠の腕の中で、“びくっ!”と動く少女2人。
神霊治療で肉体を強化したため、脳が驚いたのだろう。
誠は2人を立てて、挨拶をする。
仮面を外して。
「おはよう。私が誰だか分かるかな?」
桃色の髪の少女は、眼を擦りながら頷く。
まだ眠いのだろう。
白狐の少女は、起きるなり立っている事に驚いている。
「おーい。お嬢さん?」
白狐の少女は、やっと気づいて此方を見て、お辞儀をする。
お礼のつもりなのだろう。
「もう喉も治ってるから、喋れるよ」
「・・・・」
白狐の少女は、長く喉を壊されていためか、口をぱくぱくさせていて喋れて居ない。
「ダメか?無理しないでゆっくりと話せるようになれば良いよ」
コクンと頷く白狐の少女。
「あっ!おはようございます。ご主人様!」
やっと目を覚ましたのか、挨拶をしてくる。
「まずは、名前を教えてくれ。」
白狐は首を振る。
桃色の髪の少女は、「ありません」と言う。
「親は?」
「多分この子も捨て子だと思います。あそこに集まる子どもは、5割が捨て子で5割が生まれつき奴隷です」
「悪い事を聞いたな。名前はもう決めてある」
「お前がモカ、お前がモコ」
白狐がモコ
桃色の髪がモカ
となずけられた・・・。
「何故でしょうか?」
「由来か?何と無くだ。俺なんて名無しなんだからマシだろ?」
「名ずけて下さりありがとうございます」
2人は同時にお辞儀を深々とする。
「それと肩を見てくれ。俺も手の甲に押してある。奴隷の刻印だ」
「「⁉︎」」
少女達は自分の奴隷刻印をみて驚いたわけではなく、主が奴隷刻印を入れている事に驚く。
「驚く事か?俺はお前らに奴隷刻印なんてつけているんだ。主の俺がつけないと格差が生まれるだろ?」
「格差は当たり前ですが・・・?」
モコも、うんうんと頷く。
「そうだな、だが俺はそれを“仲間”にはあまりして欲しく無い。格差が生まれる時は自分から志願して、弟子とか部下とか民になった時だけだ。それと仲間を殺した者は、私の手で、地獄へ葬りますのでご了承ください」
何故か誠が急に別人になったかのように最後だけ豹変した・・・。
「わかりました」
モコも、頷く。
「そしたら、以降命令はしない。全て俺の頼み事になる。受けるも受けないもお前ら次第だ。それと敬語は要らない柔らかく行こう」
「「はい」」
モコの声が自然と出ていた。
誠は、やっとモコの喉が体に馴染んだのだなと思う。
「では最初のお願いだ。ここの狩場で朝ご飯を調達する。俺が敵を止めるそれを2人でこのナイフで殺してくれ」
誠は、ナイフをモカとモコの目の前に差し出す。
受け取れば了承。
受け取らなければ拒否となる。
2人同時に受け取った。
だがまた、モコの声はでなくなってしまっていた。
何かを言いたげだったが聞けなくて残念だ。
モカは「主人からの初プレゼント大切にします♪」と笑顔で言う。
そして「モコもそう言いたいんだと思います」と続ける。
モコも頷く。
「そうか、初プレゼントがナイフですまないな。では行こうか?」
誠はそう言って、仮面を付けて歩き始める。
(後で何か付与付きのアクセサリーをプレゼントだなこれは・・・)
と内心思いつつ、荒地をあるく。
しばらく歩いてもモンスターが居ないと思っていたら、結構な数の冒険者がモンスターと戦っていた。
誠は、その中を歩いてより奥へと進む。
そこで1人の見知った女性が居た。
ミーシャだ。
「あっ!名無しさんではないか?」
「朝早くからミーシャさん狩ですか?」
「ランク上げの狩だよ、それより後ろの2人は?」
「紹介遅れました。こちらの白狐がモコ。こちらの桃色髪がモカです」
「よろしくお願い申し上げます。」
2人は深々とお辞儀をする。
「えっとどこで知り合ったんだ?それとも妹かなにかか?」
「奴隷がモコ。スラムでモカですよ。ほら?」
誠は自分の手の甲を見せる。
「何故君の手に?それより奴隷を買ったのか!」
「そうですよ?」
「心底失望したよ、それにこんなに痩せ細っているのに仕事をさせる気か!」
その言葉に反論する2人の少女が居る。
「お言葉ですがミーシャ様奴隷を買って失望とはどう言う意味ですか⁉︎」
「モカ、モコやめなさい。お願いだ。」
「ですが・・・」
「良いんだ。それでは私達はこれから狩りですので失礼致します。また何処かで」
モカとモコは、後ろを向いてベーっと舌を出して、振り向き直る。
誠は、やっと針鼠を見つける。
そのヘッジホッグは、丸々と太り大きく育ったモンスターだった。
誠は、遠くから魔法を発動する。
「判断」
天秤が現れ、有罪を示す。
「じゃあ試しにそのナイフで殺して見てごらん?襲いかかっては来ないから大丈夫」
モカとモコは、走り出してナイフを強く握りしめて斬る。
斬れ味は抜群であり、ヘッジホッグの針でさえスパスパと斬ってしまう。
そして針が無くなった所で、やっと肉体に刃を突き立てて、斬り始める。
モカは手際が良い。
さすがスラムで生きていただけはある。
モコは、人並みにこなしている。
返り血で白い毛が赤くなって白狐ではなく、赤狐に代わって行く。
誠は、ヘッジホッグが死んだ事を確認すると終了させる。
「2人とも、完璧だ。そしたらそこに立って居てくれ」
誠は、モカとモコを立たせると上から浄化魔法をぶちまける。
「「ひゃっ⁉︎」」
モコは、驚いたりすると声が出るようだ。
綺麗に体と服が洗えたので後は放置。
浄化魔法は水よりも蒸発しやすいのですぐに乾くのだ。
「びちょびちょです・・・」「うんうん」
モコも頷いている。
誠は、失敗したと濡らして気づく。
何もしたに着せて居ない事と、靴を履かせる事を忘れてた。
ちょと目のやり場に困る。
着エロに誠は弱いのだ。
「ちょっと待ってくれ・・・」
誠は指を鳴らして、服を乾かす。
「「わっ!」」
モコの毛がモコモコになっていた。
「うん。癒しだ」
「それとこれを履いてくれ。」
誠は足袋と草履を出すが、足袋は要らないかと思い草履だけ渡す。
「裸足の巫女は斬新で良いかもな」
(面倒だから良いだろ・・・)
誠は内心そう思っていた。
「これが第二のプレゼントになってしまうがすまないな」
「いいえ、第一のプレゼントはこの服でした♪」
モカとモコは嬉しそうに草履を履く。
「履いたら、椅子に座っていてくれ。料理開始だ」
モカとモコは何か意思疎通して話しかけてくる。
「それはお願いでしょうか?」
「そうだ」
「なら・・・」
「構わないよ、手伝うなら教えるよ」
そう誠が言うといつの間にか用意した椅子に座らずに誠の左右にモカとモコが来る。
3人でヘッジホッグの肉を捌き、料理を開始する。
まずは誠が味見をする、中々の霜降り肉だったので期待したのだが筋ばかりで食えた物ではなかったので誠が細工をして美味しくする。
誠が鉄板など用意し、焼き始める。
ただのステーキだが誠が細工すると極上のステーキに変わる。
誠が肉を焼いているとモカとモコが鼻をぴくぴくさせて嗅いでいる
「2人とも肉は食べられるか?」
どちらも頷くので大丈夫なのだろう。
また意思疎通をして話しかけてくる。
良く短時間でそんな高等スキルを身につけられるものであると誠は感心する。
「モカもモコもお肉は始めてー」
誠は、芸人のように転けそうになった。
「食べたこと無いのに頷いたのか?」
「「うん」」
「・・・」
「味見するか?」
モコとモカは、口を開けて待っているので、ナイフで小さく切って口に入れてあげると、眼を輝かせて顔で美味しいと表現してくれていた。
モコは尻尾をふりふり、耳をぴくぴく動かしていて、可愛いのなん(ry
モカは、金色の瞳がその美しさを増し誠を惑わせるほど(ry
誠は、肉を皿に乗せてテーブルを出現させて一緒に食事をとろうとしたら、モカとモコが?を浮かべる。
「なぜ座らない?」
「ご主人様がお先に食べるのがルールです」
「今から、お願いをする。拒否しても構わない。いいか?」
2人は頷く。
「俺が主人と成ったからには、これから奴隷のルールは無視して良いことにする。誰に何を言われても従うな。これはお願いだ。そして今を持って奴隷の契約を破棄する」
誠はそう言うと手をモカとモコにかさして振り払う。
「肩の奴隷刻印はもう消えて、命令違反をしても、罰は下らない。ここで決めて欲しい。答えは食事の後に聞く」
そう言うと誠は、コートと仮面を外して、モカとモコをおいでと誘う。
食事に仮面は必要ない。
食事は、おかわりの連続で針鼠の巨大な一匹を2人で平らげてしまった。
大きさで言うとや大体一軒家ぐらいの大きさだ。
誠は、食器やテーブルを片付けると2人の少女に問う。
「答えは出たか?」
2人は意思疎通を今まで以上に長くする。
そして出した結論は・・・。
「奴隷刻印をもう一度肩に刻んで下さい」
誠は、普通について来るか何処かに行くかの2択だと思っていたのだがまだまだ誠は未熟なようだ。
「理由を聞いてもいいかい?」
「私達は相談して、今までで1番ご主人様として良かったと言うことや、ルールに縛られないご主人様に・・・」
何故かモカは顔を赤くして、俯く。
モコが顔を覗き込み(GO‼︎)と言っているような気がしてならない。
「私達はご主人様の・・・」
「それ以上は言わなくて良い。その先の答えは今出すことじゃない。ゆっくり考えなさい。そして奴隷刻印は今をもって廃止する、これからは俺らの印とする」
誠は自分の手の甲の奴隷刻印をなぞると肉を焼いて付けた印が、青い刺青のようになり光り輝き始める。
「これで良いかい?」
2人とも右肩を出してくる。
これには、一つだけ盟約が刻まれている。
仲間の印と言う意味の盟約が・・・。
誠が印を刻み終わると巫女服がゆっくりと脱げて行き肩を露出する形に変わって止まる。
誠は何もして居ない。
丁度肩の青蝶の印が見えるように脱げている。
(巫女服ぐっちょ(ry)
「何かした?」
「急に服がずれて小さくなって・・・」
2人とも顔を赤くしている。
だがまだ、体は骨と皮の人間だ。
誠は、体力がもう十分に回復したと思い提案する。
「秘薬、エリクサーを飲まないか?」
読んでいただきありがとうございます
執筆順調です〜♪
今回も健全ですよ!笑




