28話。世界樹とプレゼント
誠は、人外になり時間の流れが変わった事に塔に戻ると気づく。
上手く言えないが、人間の時は60秒で1分という感覚だったが、人外になったことにより、1時間が一秒のような感覚に苛まれる・・・。
「これも人外となった影響か」
誠は1人最上階で呟く。
ふと、ももたちの進行状況が気のなり見る。
これも昔は、感じ取ろうとして感じ取らなければ、感じ取れなかったのだが、今は誰がどこに、どのように、何をしてと詳しく、肌で感じられる程に分かる。
だが、基本は興味無いので思考の外に追いやってる。
「ももがやっと50階到達か・・・。思ったり遅いな、ドレイクは21階で苦戦・・・。カイム達は2階まぁ良いだろう。饕餮は47階か良い感じだが皆弱すぎだ」
誠は街を作る上で、上に立つものはぶれない力が必要だとこの世界に来て感じた。
それは意思の力や物理の力、精神の力全部ひっくるめて“力”が必要と・・・。
だからそこまずは簡単な物理の力を・・・・。
民を虐げる訳ではなく、まず侵略されない力が無くては街の規模でさえ押しつぶされる。
「仕方ない、塔の難易度を500倍に引き上げだ。これでも弱いぐらいだがな。そして100階にはプレゼントを配置。99階が最終層とし、難易度は5万倍とする‼︎」
そう誠が声を張ると、塔からは謎の殺気が溢れ出し周囲に濃い霧が・・・。
晴れていた空は黒くなり、雷鳴が轟き始める。
木々は朽ち果て、紫色に変色する。
周囲の魔物は、全て凶暴化、超肉食化し、雑魚冒険者ではBOSSと戦ってるに等しい程強くなってしまう。
「環境に悪影響が出始めたか・・・後、よりも居るから全階層に食べ物の用意!」
誠は最終層にしかない窓から飛び出て空を浮遊し、塔の上の翔ぶ。
「我は命ずる。この塔がもたらした悪影響を浴びた場所全体を次元に隔離せよ!」
その瞬間、ごっそり別の次元へと運ばれる。
周囲は闇の世界であり、塔と周辺の森以外は闇。
元の世界は、“異物”が消えたので、修正が直ぐにかかり、ごっそり消えた地区は元に戻る。
ただ違うのは塔がないだけ・・・。
「さてと、プレゼントはもう決まっている」
よりには、ピアス
じいさんには、世界樹の木の杖
饕餮には、言霊
ドレイクには、炎
ももには・・・***を
誠はリストを頭の中で作り上げ、空間を裂くなり何処かへ行く。
世界樹。
「今日もニーズヘッグは齧ってんなー?」
「破壊の象徴ニーズヘッグ。神に反逆しなければ世界樹の“根”を齧っても再生するので良いですよ」
「まぁ反逆なんてしに来たら俺ら2人が出動だから辞めてほしいがな」
「ハハッそうですね。ん?またシドレイブがニーズにリベンジで来ましたね?」
「そうだな、あいつも懲りんな?今回も強くなってるが勝てないな・・・」
門番の2人はニーズヘッグを見下ろす形で話している。
ニーズヘッグとは?
破壊の象徴
世界樹を齧る龍。
ドレイブとは?(創作)
吸収と蘇生の象徴
ニーズヘッグへリベンジする獣
容姿は、白いライオン。
「ニーズヘッグ!今日こそお前を殺してやる!」
「今回は、伝説の竜を6匹吸収してきて前の俺よりも格段と強くなった!死ねぇ!」
「うるさいですよ、バリバリ食事の邪魔ですバリバリ」
ドレイブは、炎を吐き散らす。
世界樹と言えど、燃えるのだ・・・。
ニーズヘッグも流石にこれをされると黙ってはいない。
「やれやれ」
そうニーズヘッグは、一言言うと尾でホワイトタイガーを一撃で屠る。
「あーやっぱりやられた」
「ですが、ドレイブは吸収と蘇生の象徴また何処かであのまま蘇生されるんでしょうね」
「宿命が酷だよな・・・死ねないとは」
「そう・・・!?空間が避けている⁉︎」
「なにっ⁉︎世界樹の世界に侵入者⁉︎何故だ!神以外はここには干渉出来ないはず」
「神と同格かそれ以上ということですかね?」
「まずは報告を!何をする!」
「まだ神に危害を加える訳ではありません」
「そんな悠長な!」
「静かに・・・。裂け目が大きく、もう出てきます。」
「くそッ!」
「相変わらずこのワープも長いよな(道が)」
「不便だなー。流石に世界樹までとなると長いのは仕方ないか・・・」
そう言うと誠は、跳躍し、黒いコウモリのような翼を背中から生やすと光速以上で飛んで行く。
当然、一瞬で出口につく。
「あー早いなーやっぱり。」
(だけど疲れるんだよね・・・)
誠は翼を体内に仕舞うと、裂け目に指をかけて裂き始める。
バリッバリバリ・・・。
(うーん?少し硬いな。しかも今回は手動というのも気になる)
誠は疑問符を頭に浮かべながら、裂け目を開く。
「⁉︎」
「誰だ!そこのお前は!」
誠は、世界樹の空間に出るなり殺気を飛ばされる。
そうニーズヘッグに・・・。
「おいおい、観賞にも浸れないのか?全く・・・」
(大きな木だな。一本全体をへし折るか?)
そんな大それた事を考えながらニーズヘッグに向き直る。
「お前は誰だ!」
「俺は・・・うーん?なんだろうね?名無しで良いよ」
「ふざけるな!」
「困ったな、本当に名無しなんだ?それ以前に君は?」
「我はニーズヘッグだ、覚えておけ」
「やっぱりねー?その世界樹枝一本分けてよ?」
「ふざけたことを抜かすな!小僧!」
「ですよねー」
誠は、他の視線をこの世界樹に来た時から感じ取っていたが、何もなさそうなので保留とする。
誠は、ニーズの顔の目の前まで浮遊する。
「じゃあさ、死ね」
誠が命令すると意図も容易く、ニーズヘッグはその命の終焉を迎え、倒れこむ。
「貰いますね?おふたがた?」
誠は上をみやげて、いつの間にかむしり取った世界樹の生えて間も無い木掲げて、言う。
「ニーズヘッグ・・・かわいそうに。今回だけは許してやる。これは慈悲では無い命令だ」
そう言うとニーズヘッグの額に人差し指で触れるのかと思ったら、そのまま刺す。
スプッと言う音と共に青い血が誠の手を汚す・・・。
それを世界樹の木に塗りたくり、誠は裂け目へと帰っていく。
そして裂け目が無くなるとニーズヘッグはその巨体を再び起こし蘇りこう言う。
「申し訳ございません・・・。我が無礼をお許し下さい。ニーズヘッグこの命にかけて誓います、これから先も後も我が主は誠様のみでございます」
そう言うと世界樹をまた齧り始め、それ以降、他者の勧誘には、「我が主は誠様のみだ!」と言って門前払いしたそうだ。
誠が指を刺した場所は今も再生してないそうだ。
誠は次元の中で世界樹の枝を見て、不思議がっていた。
「ニーズヘッグの血は蛍光塗料みたいに光るんだな?不思議だ・・・。」
ニーズヘッグの血は青く光り、周囲を照らす。
まるでエリクサーの青版のように。
誠は、枝を歩きながら手で削り徐々に杖に近づけて行く。
誠の身長の50倍はあるだろう木を片手で持ちつつ、削る。
荒削りが終わると、“収縮”する。
「このぐらいかな?」
誠は、世界樹を収縮させると、長さを調節する。
不思議な事に、ニーズヘッグの血は世界樹の芯まで染み渡り、いくら削っても青い木のままだった。
誠は、最終工程を終えそうになると塔への出口につく。
「恐ろしい奴が来たな・・・」
「神に危害を加えなさそうなので大丈夫ですよ?」
「まぁそれなら良いんだがな・・・」
「ですが、恐ろしく強い化け物でしたね」
「あの体と言い、顔や髪も・・・まるで魔王だな」
「魔神の方が合ってますよ」
「冗談にならんからやめろ・・・」
「まぁ冗談で済めば良いんですけどねー」
「俺らはここで、守る事しか・・・」
「もう来ないで欲しいですねー」
2人は今日も、ドレイブとニーズヘッグの戦いを見て暇つぶししているそうだ。
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