25話。饕餮と誠
誠は、拷問部屋が生ぬるい気がしたがそれだけ拷問などに耐えられる精神を手に入れたのだろうと思い誠は部屋を出る。
そうすると既に、じいさんやもも、饕餮ドレイクは起きていた。
だがヨリはまだ寝ているよだった。
やっぱりまだ子どもなのだなと、誠は思う。
キュピも気持ち良さそうに寝ていた。
「誠様。おはようございます」
「主。おはようございます」
「ほっほっほ。おはようございます」
「おはようございます」
「みんな、おはよう」
じいさんは、もう大丈夫のようだ。
別に何を偽ってるわけでは無い。
誠が全神経でじいさんを見て、何か偽っていないか確認したのだ。
間違いは無いだろう
今日は何をするかとても悩む。
昨日沈没船に行ったことは内緒だ、水の精霊は確保したから、もう行く必要も無いだろう。
確か谷と塔には竜が住んでいると聞く。
会いに行くのも面白いかもしれない、第3の街の範囲内の神殿に行く前に寄ることにしよう。
「ドレイク、谷と塔には何の竜が住んでいる?」
「そうですね・・・。谷は樹竜。塔は黒竜が住んでいたと聞きます」
「黒竜は今は居ないのか?」
「黒竜に関しては私よりも今は強くなっていると思われます。」
「過去に封印され、夢の世界に飛ばされたと聞き及んでいます」
「誠様、それなら私が知ってます」
「もも、情報が早いな」
「黒竜は今、夢の次のエリア地下神殿の第一層のBOSSだそうです。」
「地下神殿?」
「夢の世界の魔物よりも強く、一体が竜に匹敵すると聞き、調査しましたが、弱いです。最下層50階には虹色の魔物が住む、火、水、樹、土を操るそうです」
「そうか、つまらないな」
「主、では私と一戦交えてはもらえませんか?」
「牛!誠様にわがままを言いやがって!」
「もも構わない。お前らは誠様とか言うことも無いんだ、それになわがままを言ってくれ、そうでなくては俺がつけあがる。」
「ですが・・・」
「もも?俺の為にそうしてはくれないか?饕餮あった頃とは違う強さを手に入れたのだろう。ならば戦おうでは無いか‼︎特別にステージを設けよう!」
誠はももの答えを聞かず、全員を転送する。
そこは草原。何もない草原。草の匂いが鼻をくすぐり、空気が澄んで居る。
もも達は誠が氣によって、囲う。
邪魔が入ると困るからだ、そんな野暮なことをするやつは居ないが・・・。
「饕餮暴れろ。そして見せてみろ?この俺にお前の力を!」
「御意。我が命、力に変えて誠に攻撃させて頂きます!」
誠はすこしにやける。
それは饕餮が育ったからなのか、呼び捨てにされたのが嬉しかったのかは定かではない。
だが誠の目の前にいる獣は、伝説の麒麟を彷彿させる神々しさを持ち合わせ、他の魔物を寄せ付けない力を表す。
「饕餮。強くなったな・・・」
「全ては主の為。麒麟をも超えました」
「面白い。かかってこい!」
その合図と共に饕餮は襲いかかってくる。
走る速度はまだ到底誠には及ばないが誠は10%まで力を解放。
殺気は放たずに戦う。
饕餮はまず、相変わらずの牙での攻撃かと誠は思いバックステップ。
そしたら胸を剣で斬られる。
何かと思い饕餮を見ると、擬人化していた。
その手には剣が握られ、特殊魔法か何かかかっているようだった。
「油断しましたね?」
「饕餮・・・嬉しい。嬉しいよ饕餮。そうだそれで良い。俺を殺せ、殺す勢いで来い。そして俺の胸に刃を尽きたて刺せ‼︎」
「御意」
饕餮は獣の姿に戻り、また攻撃をしてくる。
今度は誠も警戒を怠らない。
足元に魔法陣が現れる、誠は神速ステップにより回避、だがそれを予測する饕餮は誠を神速ステップによって移動した場所に、予め罠をしかけていた。
誠が神速ステップで回避し、地面に足を付くと身体を疲労感が襲う。
異常付与魔法をかけられた。
誠はそれを魔法により打ち消すこともせずに戦いを続行する。
饕餮は誠の一瞬の怯みを見逃さずに、走ってくる。
その獣の毛は炎と雷を纏い突進してくる
その牙は紅く染まり上がり、我が肉体を引きちぎる。
「痛いなぁ・・・」
誠は腹をごっそり喰われたのにもかかわらず、痛いただそれだけだ。
誠のフードコートの防御をすでに饕餮は超えていた。
「誠様!」
「大丈夫だもも。心配するな」
その目は既に光を失っている。
いや・・・光を吸収してしまっているといったほうが正しいか・・・。
「饕餮10%では防ぎきれないようだ。だから20%まで解放するよ。大丈夫この創り出した世界で死ぬことはない。」
その瞬間誠の全身が白く染まる。髪も、仮面も眼も・・・全てだ。
仮面を誠は久しぶりに外し、ボロボロのフードコートを脱ぐ。
誠の顔は、優しいのだが何処か恐れを感じる。
饕餮が喰べた場所は既に復元されており、龍の顔が生えていた。
既に人外。いや生物の枠を超え過ぎていた。
饕餮は懐かしい恐れを感じる。
誠が覚醒したあの日の恐怖。
饕餮からは死臭がし始める、既に細胞が死を認め始めた・・・。
「饕餮‼︎まだ終わっていない。刀は使わない。我は拳で戦おう!」
饕餮は自暴自棄になり、剣を擬人化し、振り下ろす。
その瞬間、誠の拳が剣に触れた瞬間・・・。
剣は消える。
「⁉︎」
「次行くよ」
誠の次の攻撃に饕餮は対応出来ない。
だから命を削り、力を得る。
その瞬間饕餮はももと同じ土俵に立つ。
これは不死の命を捧げる禁断の誓い。
誠が創る世界では、世界が崩壊するろ誓いも全て白紙に戻るという特性があるのを饕餮は見抜き使う。
「饕餮‼︎その誓い良いぞ!ももと同じ土俵か!面白いかかってこい!」
饕餮は獣のまま、誠に襲いかかる。
誠の繰り出してきた右手の拳を噛みちぎる。
そしてたべる。
そして強くなる。
だが誠は、右手を犠牲にし、左手で饕餮の腹部に手を刺し、臓器を全て引きずりだし、引きちぎる
そして誠が心臓を捻り潰そうとすると饕餮は左手腕を喰いに来る。
そして千切れ、誠は手を失う。
「饕餮!強いぞ!」
一度距離を取り、誠は意識を集中し、歯を、日緋色金と同じにし、鋭くより鋭くする。
そして饕餮に噛み付く。
誠は神速で走り、饕餮を喰う。
その肉は、大トロなど比べ物にならず、食べれば食べるほどに食欲が湧き、溢れんばかりの肉汁が溢れ出す。
そして獣と人外は、お互いに喰う。
そして・・・。
誠が饕餮を残さず喰べて、合掌し、決闘終了。
誠は20%と言っていたが、氣も使わずノーマルの状態で6%を解放。
20%など嘘なのだ。
その5%をももが氣の囲いを壊そうと暴れるので、消費し、実際戦闘に使ったのは1%だけ。
もし誠が20%まで解放すれば、その瞬間全神が誠の前に降臨するだろう。
誠は世界を崩壊させ饕餮を蘇らせる。
「誠様・・・。美味しかったです」
「おいおい、饕餮いつからそんなに美味しくなった!」
「誠様!ふざけないでください!」
「そう怒るなもも。本当に美味かったんだ」
「ほっほっほ。心配致しましたぞ?」
「こちらの命が縮まりました」
「じいさんにドレイクすまんな」
「お兄ちゃん?何かしてたの?」
「キュピー?」
決闘が終わると心配もせずに寝ていたヨリとキュピが起きてくる。
2人は、誠が手加減していることを察して寝ていたのだ。
キュピはそれ程に急成長していた・・・。
「なんでもないよ」
「じゃあ昨日捕まえてきた、ブラックフィッシュで、朝飯の用意でもするかな?」
「わーい♪」
「どこでそんなものを?(怒」
「ほっほっほ。楽しみです」
「期待して待ちましょう」
「キュピー♪♪」
「怒るなもも。息抜きにぶらぶらしていたんだ」
「そうですかーへーそうなんですかーふーん‼︎」
そのあとももの機嫌を直す事に丸一日かかったことは、誠も予想出来なかったことである。
読んで頂きありがとうございます。
忙しいので投稿が1話だけという日があります、すいません。




