16話目。休暇
饕餮は1人になる。
だが、1人ではない。今の饕餮は以前の饕餮とは比べてはいけない程に強くなっている。
そして饕餮は蘇生する。
「なんじゃい?なんじゃい?饕餮が蘇生したのう・・・?」
誠は蘇生し始めた饕餮を見て、感じる。饕餮の思いや感情を・・・。
「誠様?どうかさなれました?」
「俺は、いつの間にか期待されていたんだな?」
「フフフ。今更ですか?」
そうももは言って、笑う。
「そんなに前からか・・・」
そう話をしていると饕餮が起き上がる。
毛の色が先端から根元まで、吸い込まれるような白に変わっている。
「我が主。今度こそ願いを叶えます」
「饕餮?頑張り過ぎるなよ、張り詰めた弦は、いずれ切れる。」
「肝に命じておきます・・・。」
「だが、頑張って願いを叶えてくれよ?」
「御意‼︎‼︎」
「ふぉふぉふぉ。いつの間にかにわしを超えよったな?もう勝てんわい。降参じゃ」
「何をほざいているじいさん?お前は、饕餮を殺すまでは、勝ちにはならん」
「厳しいのぉ・・・」
「では参ります‼︎」
そう言うと饕餮は、突進をかける。
じいさんは、杖を盾にする
だが折れる、そしてじいさんを噛みちぎる。
「申し訳ありません。力加減を間違えました」
誠は饕餮に近づき頭を撫でてやる。
「構わない。構わない。強くなったな。お前の意に応えられるよう。全力を付くそう」
そう誠が言うと、ももが走って来て、白い饕餮を蹴り上げて、湖に蹴り飛ばす。
「殺してどうすんだよ‼︎牛‼︎」
「優しくしなさい、もも・・・」
そう誠は言いつつ、じいさんに近づくと頭を掴み洗脳を開始。
そしてエリクサーをかけるとじいさんの擬人化が解ける。
そこに現れたのは、レヴィアタンであった。
「レヴィアタンでこの程度とは・・・」
「誠様。このレヴィアタンは、かなり衰弱しているようです。弱いのはそのためかと?」
「衰弱?」
「この世界には、一応魔物にも寿命があるようです」
「なるほどな。ならばこうしよう」
「我は神に命ずる‼︎我が仲間。饕餮を不老とせよ‼︎」
「誠様‼︎何をなさったかわかっているのですか⁉︎」
「牛ごときを不老などになさって‼︎」
「いい加減にしろ。もも?牛だのなんだの関係ない。俺に忠誠を近い。命を削り力を得た饕餮への褒美だ。何人たりとも、罵倒はさせない。それがお前だとしてもな」
そう誠はももに言うと、誠は、手の中に言霊スキルによって仮面とフードを作り出す。
フードは白を基調とし、赤い線が頭から足まで書いてあり、仮面は狐の仮面である。
今までの初心者装備を全て捨てそれを二つとも付ける。
「誠様?」
「ここからは、初心者装備で行くわけにはいかないだろ?」
「誠様。中々かっこいいです‼︎」
「あ、ありがとうな」
「饕餮‼︎そこのレヴィアタンを次元に入れておけ‼︎」
誠が命じると、饕餮が湖から出て来て、次元に入れていく。
レヴィアタンは巨大なため、次元に入れるのに時間がかかる。
見かねたももが、レヴィアタンを蹴り飛ばす。
そうするとレヴィアタンの全身が空中を舞い、次元に入っていく。
「とろとろしやがって、素早く仕事はこなせ‼︎」
そう饕餮に罵倒を浴びせると饕餮は倒れる。
「過労だろうな・・・」
「少しゆっくりやすんでいろ」
「誠様。そんなわけには・・・」
「命令だ。言うことを聞け」
「御意・・・」
そう言うと、開いている次元を閉じ、新しい次元を開き入って行く。
「まずは移動しようか」
次元を開き・・・
人間の街
街に戻ると、皆が店を閉めたり、大荷物を抱え何処かに逃げてゆく光景が目に入る。
「もうすぐ時か」
「後2日で時になります。戦うなら、この街にいるとよろしいかと。もし戦わないのであれば他の街に行くのをおすすすめします。」
誠は思い出す。
異世界に来た時の不条理を・・・
だが誠は時に関わるほどお人好しではない。
冒険者も何人参加するのやら?だから皆が店を閉め、荷物を抱え逃げるのだ
「もも、飛行魔法使えるか?」
「この世界自体に飛行魔法は存在しません」
なんか、他人行儀なももな気がするが、久しぶりの2人きりで緊張でもしているのだろう。
「ならば、飛行魔法を編み出そう」
「我は神に命ずる。我とももに飛行魔法を与えよ」
そう言った後、心の中で飛行魔法発動と念じると体がふわりと浮く。
「成功だ。俺ら2人なら空中にいつまでも居続けられるだろう。まずは、なれる事が先決だ。他の街に行こう。行き先は適当だ」
「はい。誠様♪」
そう言ってもも、も飛行魔法を発動し急上昇する。
これが天性の才能なのだろうと誠は思いつつ、今いる人間の街(北)から西に向かう。
誠とももは空中を地面と水平に飛んでいた。慣れると速さは光速まで高まる。その性で、街をすぐ通り越してしまうが、飛行に慣れるために色々遊ぶ。
「高度上限が知りたいな。もも俺と対決だ」
「はい。誠様♪」
そう言って、マッハで上昇する。異世界には、地球と違い、直ぐに宇宙に出るということはない。光速で飛ぶのもありなのだがどうも、光速になると扱いが難しく、止まるのに3秒かかる。
この3秒を光速。マッハで行うととてつもない距離を進むので誠は大雑把に移動する時以外は使わないことにしている。
誠は一度止まりももに、体調の変化がないか聞く。
「やはり上空は、寒そうだし空気も薄そうだ。もも大丈夫か?」
誠は氣を使う事により空気を集めることが出来るため、苦しくもないし何より体温低下を氣によって防げる。なんとも便利なもので有る。
「大丈夫ですよ?誠様?」
ももを見ると、問題無しと言った感じで有る。今の高度を地球で言えば、宇宙まで2秒かからない。それを約1時間飛んだわけで有る。未だに宇宙は見えない。
「もも、いい加減地上に戻るか。限界高度は俺たちにはまず無いと考えるべきだ西側にあった街へ光速で競争しよう」
「はい。誠様♪」
息抜きとはいつでも大事である。誠はそれを知っている。危ない時こそ息抜きは大事なのだ。張り詰めた弦が切れるのが何よりも怖い事なのだ
光速で10分もたたなく、西の街と地上に戻る。
「楽しかったな、今度は景色をゆっくり眺めながら、息抜きも悪く無いな?」
「はい。誠様♪」
さりげなく小さい声で「2人っきりが良いです」とももは付け加える。
無論、俺に聞こえない程度なのだが、誠には聞こえる。
「ここは4つ目の街、亜種族の街だな?」
「そうですね。亜種族とは、見てもらうとわかる通り、龍、獣、人、変異体、それらはぐれものが集まる街でございます」
「奇妙な街だな、だが俺ははぐれものが大好きだ」
「変わってますね?」
「普通の奴には理解出来ないだけだよ?」
「ふふふ、そうですね」
まずは誠は、この街の情報を集める。ギルドや、道具屋、防具屋、魔法屋、薬屋、露天。どこを見ても人間の街よりも値段は遥かに安く、駆け出し冒険者でも買える値段である。
「愚王がここは立っているんじゃなかったのか?」
「つい最近、革命が起きたようで愚王は死刑。他の街とは交流停止、冒険者の育成に力を入れて、今では他の街が手を出さないほどに戦力は大きいようです」
「なるほど、今は盛んなのか。どっちみち愚王の即位か、変わらんな」
他の街と連携を取らなければ、食料などの枯渇は免れない。最悪魔物の肉でも食べれば良いが、どんな問題が出るかわからない。既に誠は生で食べているが、美味な魔物もいれば、腐敗味がする魔物と様々であった。
「当分はここは大丈夫か。やはり食材の値段が阿呆みたいに高いな」
その値段差は、人間の街の20倍と言ったところである。
「美味な魔物を狩って今日はそいつを夕飯とするか?」
「久しぶりに誠様の手料理ですね?嬉しいです♪」
「早く狩に行きましょう‼︎」
そう言って、俺の手を引くももである。
食欲旺盛。美人。知的。戦力にも申し分ない。ここまで揃えば文句をつける方がおかしい。
唯一あたりが強い。鬼畜なとこを除けば完璧だ
「まずは適当に魔物を狩って来てくれ、飛んでる最中に見たが、どいつも美味な魔物ばかりだ、ももが狩ってるさいちゅうに用意はしとく」
ももは、光速で消える。
「飛行魔法の応用か・・・才能は恐ろしいな」
そうつぶやき、食事の用意をするために、言霊で鍋やフライパン菜箸や、油などを作り出す。
用意の最中魔物に襲われてもつまらないので誠の氣を使い、擬人化している魔物も弾くバリア空間を広く作る。
調理器具や調味料の用意は出来た。後は食材を待つだけだ。直ぐにももは帰ってくるだろうと思いつつ、椅子を作りだし座る。
「こっちに来て色々あったな、ももと出会い、饕餮と出会い。来て正解だったな。と思いつつ空を見上げると、黒い塊が落ちてくる。
正体はももだった。
「誠様?氣を解除してください。魔物が入れられません」
軽く50を超える魔物を数分で狩ってきた。これを全部食べるのか?もも、恐ろしい子‼︎
言われるがまま、氣を解き、魔物を入れてまた気を張り直し調理開始。
「魔物を肉と骨と臓器の三種類に大まかに分けたい。スキルが欲しいな」
50体以上さばくには、手作業ではだるすぎる。
久しぶりの電子音
バコーン
ユニークスキル<解剖者>を入手いたしました。
響きが怖い・・・
早速使って見る。
「スキル<解剖者>発動‼︎」
一瞬で魔物は、肉になる。
「料理開始だ‼︎」
ここからは、早かった。直ぐに肉が多い料理が完成し、次元からテーブルと椅子を引っ張り出す。
「もも、料理をテーブルにおいて行ってくれ」
「はい。誠様♥︎」
誠は思う、気のせいかハートがついていた気がしたが気のせいだろう・・・
料理も置き終わり、食事にする。
「「いただきます」」
フォークやナイフは、準備済み
「誠様‼︎美味しすぎます‼︎」
そう言った後ももはずっと食べ続けた・・・。
「皿とかは置いておいてくれ後で片付ける。ももは先に寝なさい?」
「私もっ・・・」
「命令だ先に寝なさい」
「はい・・・。」
ももは次元に入って行く。驚くがいい。ベットを用意しといた最高級の。ふかふかだからなとニヤニヤしつつ、皿などを魔法で浄化の水を出現させ、洗う。
そのあと、亜種族の街を思い返す
「亜種族は意外にLvが高い。平均30だったな。冒険者は平均40強い奴は7、80だなこの街にはAクラスを超える奴がいるかもしれないな、一度て合わせ願いたいものだ」
そんなことを独り言でいっていると、後ろに人の気配を感じふりかえる。
獣の耳を持ち、尻尾を萎れさせ、防具が全て血まみれになっている。防具は既に防具の原型を無くし、魔物の血では無く目の前の少女の血で、真っ赤に染まっている。ようであった
そして誠の目の前で倒れる。
「意外に可愛いな、獣人族。亜種族の街には獣人族もいたはずだから、おおよそ、魔物に殺されかけてたまたま俺のところに来たのだろう。運がいい。助けてやろう?」
何故助けたのかは誠にも分からない、可愛かったから?耳をさわるとピクピクして面白かったから?尻尾があまりにも気持ちよかったから?分からない・・・。ただの気まぐれだったのかもしれない。
読んで頂きありがとうございます。
休暇編です。笑




