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ダグラス:進化とは

■Side-ダグラス


 再び、冒険者の酒場。

 新人募集は概ね成功して、パーティが一つ増えた。

 ひとまず、人手不足は解決したと思って良い。

 

「それで、夏休みはどうする?」


 だが、元々の話題だった長期休みをどうするかと言う問題が解決していない。


「僕は、君が行きたい所へ付いていくよ?」


 そう答えたのは、サム。

 せっかくの長期休みだ。

 少し遠出の冒険がしたいが……目ぼしい候補は無い。


「いった事が無い所が良い」


 観光にでも行くみたいなノリで答えるペンギー。

 実際、今はお金には困ってないし観光でも良いといえば良いんだが。

 ちょっと物足りない感じはする。


「それなら、ちょうど良いのがあるよなのだ」


 ふと、ノダの声が聞こえる。

 何て言うか、もう突然現れても驚かなくなってきたな。


「よう、ノダ。ちょうど良いって言うのは何のことだ?」


「レジーナお姉ちゃん以外は、進化の条件満たしてるよね?」


「進化?」


 何だったけか。

 転生する時にブラック企業の女神から話を聞いた気がする。


「パーソナルを使った時に、クラスの横に数字があるでしょ? あれがⅩⅤに達するとより上位の種族になれるんだよ」


 レジーナが補足してくれる。

 もしダーウィンがいたら助走を付けて殴られそうだな。


「……条件は分かったが、具体的にはどうすれば良いんだ?」


 俺の質問に、ノダが答える。


「種族の限界を超えるためには、自分より上位の種族を倒して、その素材を使って儀式をする必要があるのだ」


「上位の種族……か」


 ハーフドワーフとハーフエルフ、それに猫獣人のよりも上位の種族とは何なんだろう。

 と言うか、その種族の優劣はどうやって決めているんだ?


「そこで、賞金が付いてるおすすめの竜種が三匹いるのだ」


 そう言って、ノダがテーブルに羊皮紙を広げる。

 それぞれに目を通す。


「進化のリスクや、デメリットは無いのか?」


「寿命が伸びるのが善し悪しあるかなって感じなのだ」


 ノダの答えに、サムが口を開いた。


「……進化後の姿は、使った素材とその人のそれまでの人生が反映されるから。最悪、人としては生きられないかもしれないよ」


 彼女の言葉を聞いて、ノダの方に視線を向ける。


「人として生きていれば、余程の事が無い限り……人の形はしてると思うよなのだ」


「進化は、冒険者が人生をかけて目指す目標の一つだよ」


 ノダの言葉を、今度はペンギーが補足する。

 個人的には、進化してみるのも良いと思う。


「俺は、挑戦してみても良いと思う」


「賛成」


「私も異論は無いよ」


 俺の言葉に、ペンギーとレジーナが頷く。


「……」


 サムが、無言で三つの羊皮紙を眺めている。


「サム?」


「ああ、君が望むなら、僕は煉獄にだって付いて行くよ」


 やがて、ニコリと優しく笑って答えた。


「でもこれ……結構場所が離れているね。二週間じゃ帰ってこれないよ」


 レジーナの質問に、ノダが答える。


「そこは、ノダが足を確保しておくのだ。順番に巡れば……一二日ぐらいで帰ってこれるよなのだ」


「……何で、そこまでしてくれるんだ?」


「ダグラスお兄ちゃん、忘れているのかもしれないけど……冒険者の酒場は冒険者の活動をサポートするのもお仕事なんだよのだ」


「そういえば……そうだったな」


 この町で生活を始めてから何度か依頼を受けたが、この酒場が依頼に干渉してきた事は一度もない。

 あまりの不干渉に失念していたが、そういえばここ……冒険者の酒場だったな。


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