大人の恋心 27
27.
" The Supreme Brunch Time 最高のブランチTime "
俺たちは魚が釣れるのを待ちながら、学生時代の話や仕事の話をした。
俺の釣り歴が昔学生時代にかじった程度だとバレてしまったのは
少々痛かった。
職場に釣り好きな人間がいれば続いていたのかもしれないが。
学生時代に何度か経験し、就職してからは慰安旅行などの旅先で
二度ほどお遊びで楽しんだ程度だった。
だけど今回のことで全く経験がないというのではなくてよかった
と思った。
人間何事も経験っていうけど、身をもってしみじみそう感じた。
桂子さんが何やら釣ったスズキに片栗粉をまぶし油で揚げ
魚の天ぷらを・・そしてみそ汁の素を使いこれまた魚の切り身を
入れみそ汁を作ってくれた。
ごはんも口当たりよく炊き、揚げた魚に天つゆをぶっかけて
魚の天丼の出来上がり。
熱々なのでふたり、フーフーしながら口に入れた。
「うまいっ、ひょぉ~味が染みてる」
「スズキがふわふわしてて、おいしいですね」
「飯の炊け具合もGoodですね」
「はい、柔らかくておいしいです。
スズキも久しぶりでう~んっ、おいしいっ」
桂子さんは謙遜もすることなく、正直な感想を言いながら
美味しそうに食べた。
みそ汁もインスタントとはいえ、魚の切り身がいい味を
醸し出していて、旨かった。
俺と桂子さん、ふたりの静かな川べりでのブランチTime。
最高ぅ~。