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謎の女

 ここが天の岩戸……普通の洞窟の筈なんだけど、何かこう……神聖さを感じる気がする。近くの背の高い岩に誰かが座っているように見えるけど、俺には関係ない。

 フェルの義手が誰かに引かれる感覚が止まった。ここに……フェルが居るんだな?


「ねえ、止まって」


 天の岩戸へ入ろうとすると、岩に座っていた少女が声をかけてくる。逆光で顔は見えないけど、緋色の中華服……ってもしかして?


「私はカグヤ。そこは誰も入れるなと言われている。だから駄目」


 彼女は重力を感じさせない軽やかな飛び上がりから、少女……カグヤは俺に刀を突き付けている。

 14歳くらいの見た目に短い緋色の髪の毛。フェルよりも機械的な無表情な女の子……何なんだ、コイツ?



「やべ……」


(どうかしたか?)


「カグヤにレイジの事伝えるの忘れてた」


(何か問題があるのか?)


「融通が利かないんだよ……こりゃ、マズいな。カグヤは魔改造した奥さんだからな……良くない未来も見える」


(魔改造……人体の改造か!?)


「違う。地球(いせかい)の知識を使って、シェーンには無い発想や技術を与えただけだ……アイツ大丈夫かな」


(念話は出来ぬのか?)


「…………千里眼で見る限り、状況は最悪だ……まず俺が念話できないし、アイツは念話を聞かない」



 目の前のカグヤの腕がブレる。咄嗟に顔を腕で守ると、金属音が鳴り響き、腕に衝撃が走った。

 義手じゃなきゃ、何か刺さってたか!? というか、何を投げられた?


「この一撃は弾かれる……中々やる。」


 カグヤの姿が消え、耳元で囁かれる。首に刃が食い込む。

 コイツ……速い! なら、こっちだって! ショウは言っていた。魔法はイメージが大事。普通なら撃てないけど、こんなイメージできる余裕があるなら……!


「炎よ! 鎧となれ!」


「なっ!?」


 闘気を炎に変換し、体に纏わせる。流石に熱いのか……カグヤは体から離れ、目の前で構えた。炎を消し、背中の刀を2本抜く。この剣で、カグヤの剣を防ぐことは出来るだろうか? そもそも、彼女の動きを捉える事は出来るだろうか……?


「貴方も闘気使うんだ……私も!」


 カグヤの目に闘気が集まり、緋色の目が金色に煌めく。彼女も神核持ちか? しかも目に関する魔法を使った?


「その右手の義手、厄介……使わないの?」


「っ!?」


 透視の魔法! 俺の体が視られた? 太陽の腕がバレるなんて……使うべきか? いや、これはフェルへの前哨戦。ショウと天照に鍛えられた実力を本番(フェルとのたたかい)で発揮できるか……カグヤとの戦いは予行演習(リハーサル)だ。

 刀を鞘に納め、拳を半身で構える。体に纏う闘気を弱体耐性に追加して、身体強化をかける。


「後悔させてやる……!」


「後悔するのは貴方……」

謎の女(即バレ)


これからは予約投稿で、毎回6:00に更新していきます

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