不利
カグヤが鋭く刀を振るえば、斬撃が飛んでくる。速度は速い方だけど、ショウの矢系の魔法に比べれば見切れる方だ。左腕に闘気を集めて、体を隠せるほどのラウンドシールドを作って斬撃を防ぐ。
なんて重たい斬撃だ……体が吹き飛ばされるかと思った。飛ばした斬撃でこれなら……直接斬られたりしたら……盾ごと……!
「甘いね……」
カグヤは消え、また後ろから声がする。前方に宙返りし、頭が下になった時、右手を銃の形にしてカグヤの方に向ける。刀は既に振り抜かれており、少し遅れれば俺の頭は、胴体から飛んでいた。
クソ……やっぱ怖い……でも、夢の世界の中では頭と首が離れるなんていくらでも体験したんだ。痛みは無かったけど、そんな攻撃なんて当たれば痛みとか関係なく死ぬに決まってる。
「太陽光弾!」
詠唱はイメージを強化してくれる。それは正規の魔法でなくともだ。
ハンドガンを連射した反動をイメージして手首を上に振る。放たれた闘気の弾丸を、カグヤは刀に一瞬で闘気を纏わせて斬り落とした。
「弱い魔法だね……?」
やっぱり闘気を斬りやがった。これじゃあラウンドシールドが無駄だ。盾ごと体が切り裂かれちまう。手刀から闘気の剣を作っても、肩とか狙われたら危険だし……割と詰んでるような気がする。
ラウンドシールドは一旦消し、カグヤから目を離さないように半回転させて着地。直ぐに構え直す。
「クソッ……! 太陽烈弾!」
銃の形から手を開き、右手を突き出して先ほどより大きな魔力の弾丸を撃ち出す。撃った反動を受けて、カグヤの方へと駆け出す。やはり魔力の弾丸は斬り落とされるが、こちらへの対応は間に合っていない筈。右足で踏み込み、跳び上がる。
右腕に闘気集中、太陽の腕、闘気具現化、爆発性の闘気を拳型に固定、これでぶん殴る!
「全てを焼き尽くす太陽の炎! 燃え尽きろ! 太陽爆発!」
「大技……待ってた」
カグヤの姿がブレ、俺の目の前に現れる。拳の内側に入られた!? このまま右手を突き出せば斬られる。
本能が斬られる予感を告げてる。こうなったら……っ!
「切断!」
「っ! ……ああああああああああ!!」
体を捩じり、左腕でカグヤを突き飛ばそうとした。しかし、カグヤはその腕に反応し俺の左腕を根元から斬り落とした。
斬るのが速すぎて、左腕が飛んだのを認識してるのにまだ、痛くない。じんわりと熱くなっていく程度。左腕が生んでくれた一瞬でカグヤを蹴り飛ばす。
やっちまった……けれど、天照に言われたことは守った。太陽の腕は纏った。
「素晴らしい判断……まだまだ甘いけど、鍛えてあげたい。そう思える真っ直ぐな思いを感じる」
吹き飛ばされたカグヤはクルリと回って、華麗に着地する。大したダメージも無いようで、、蹴られた部分を払っている。
クソ……このままじゃフェルの所へ辿り着く以前の問題だ。コイツ…強すぎる!
次の更新は火曜日午前6時です!
レイジは切り抜けられるのか!?




