一時的な共同生活
自己紹介も終わり、室内でまったりタイムに戻る。
今日ミネは午後、決めていた通り何もする気はない。
珍しくのんびりと過ごす日となっていた。
まあ、これもルアンの身体を心配してなのだ。
そして、そのルアンはと言うとソファーに身体を投げ出して軽く目を閉じている。
やはり衰弱しきっていた身体ではお風呂に入ってくるだけでかなり体力を消耗してしまったらしい。
思うように動かぬ身体を今全力で休息させていた。
今動かせるのは口くらいだろう……。
「はは。参ったー。こうも動けんとは……。」
「当たり前だ。一週間以上は彷徨っていたんだろう?」
ミネは頭からソファーへと沈み込んでいるルアンに呆れた声で言う。
「あぁ、起きてから数えてみたが、……10日も経っていたようだ。」
10日間もか……。
ミネは想像する。
見知らぬ土地で、しかも他人すら居ないこの森の中での10日間とはどんなものだろうと……。
不安、空腹、飢餓感、恐怖、衰弱、死……。
いろんな思いがあっただろう……。
それから、ミネは近くの村を出てからの話をルアンから聞いた。
やはりこの森で迷子にならぬように進むのはなかなか難しいようだ。
「タムさんって凄いな……。」
ボソボソ……。
「ん?なんか言ったか?」
「いや、何でもない。」
そんな事よりも今は、今後の事だ。
どうやらそれはルアンも考えていたようで、ミネが口を開くよりも先に話を持ち掛けられた。
「ミネ……身体が回復するまでしばらくここに置いてくれないか?……もちろん今は無理だが、お礼は必ずする。」
身体が美味く動かぬだろうに、ルアンは精一杯頭を下げている。
「ルアン、身体が辛いだろ?無理をするな。」
ひとまずミネは身体を起こさせ、ソファーへと戻るように言う。
「お礼なんて良い。身体が治るまでここに居ればいい。」
ぶっきらぼうにしか言えなかったミネであったが、こんな状態の人間を追い出すような鬼畜ではない。
言われるまでもなく、ルアンの身体が治るまで世話しようと思っていた。
「ありがとう、しばらく世話になる。」
ミネの家に居候?が増えたのだった。




