ぼっちは今度こそ話を聞いて、また見る
ミネは今日の午後は特に何もしないことにした。
と言うのも、昨夜の訪問者の方がかなり衰弱していてあまりにもまだフラフラな状態であることが理由である。
彼は今お風呂である。
お昼ご飯には、ミネが今朝丁寧に丁寧に成形してまん丸に仕上げて焼いた綺麗な綺麗な丸パンと、サラダとフルーツを出した。
一晩ゆっくりと寝て、どうやら熱っぽさはなくなったようだ。
ミネ作物たっぷりのサラダを不思議そうな顔で食べていた気がするが、自力で食べれる様になっていたのでミネは少し安心した。
ミネはお風呂上がり用に飲み物を作った。
ミネは目の前にレモンを置くと、手首の紋様に触れると唱える。
「レシピ。」
すると、目の前にいつも通りの半透明のプレーとが現れた。
ミネの意識と連動しているので今は飲み物の情報が出ている。
その中のひとつをミネは選択する。
◆
“レモネード”
2個のレモンの皮を剥く。果肉は輪切り。
レモンと同量程の砂糖とスプーン2杯くらいの蜂蜜を加えて混ぜる。そして加熱する。
砂糖が溶けたら出来上がり。
好みの量を氷とともにグラスへ入れて水で割って飲む。
◆
「そうだったね。」
忘れていた作り方もミネの力を使えばすぐに解る。
たまにざっくりとし過ぎじゃないかと思う説明なのだが、その辺は本人の性格が反映されているのかも知れない……。
しかし、ミネは気にしない。
ちゃちゃっとレモネードを作り終えた。
氷は無いが、この家で使用している飲み水はとても冷たい湧き水。
なのでキーンと冷えたレモネードを作ることが出来た。
レモネードが入ったグラスを2つテーブルへと置く。
すると、ちょうどお風呂からあがってきたらしい彼がリビングへと入って来た。
今彼は、申し訳ないがミネの持っている中で一番ゆったりとしたシャツとズボンを着ている。
体格の違いで袖の長さが手も足も七分くらいになってしまっているが許してもらいたい。
顔色を見ると疲れてはいるが、スッキリとした顔をしていた。まだまだふらついてはいるが元気を取り戻してきているようだ。
「温かいお風呂をありがとう。--それは?」
どうやらテーブルの上のグラスが目に付いたらしい。
「レモネード。」
短く答えてグラスを渡す。
疲れた身体には程良い酸味と甘味だとミネ思う。
しかし、レモンは普通あまり飲まれもしないのだ。
なのでとても様子が気になる。
ジィ~~~~~~~~~~……。
一方、手渡されたグラスを不思議そうに見ていた彼は、「レモネード?」と小さく疑問を呟くと喉へと流し入れた。
「……。」
ミネは無言で感想を待った。
「…………美味いな。」
彼は目を見開いて驚きを顕わにしながらそう言った。
ミネは嬉しかった。
自分の好物レモンを使った飲み物を美味しいと言われた事が。
----イイ奴かもしれない。
ミネこそ簡単な奴だった。
とりあえず話を聞いてみようと思う。




