ぼっちの家は空き部屋豊富
「じゃ、お休みなさい。この部屋好きに使ってくれていいので。」
ミネは物凄い棒読みで部屋へと案内するとすぐに扉を閉めて、綺麗な男の人を空き部屋へと封印した。
ミネが一生懸命作ったパンを小馬鹿にされた。……気がしたのだ。
しかも、人付き合いに慣れないミネが一生懸命食事を食べさせた、第一声がアレである。
『……何か……ヘビみたいな怪しい変な形のパンだったけど、美味しかった。』
「……。」
人付き合いというものから長らく遠ざかっていたミネは心に引っかかる沸点がかなり低かったらしい……何だかちょっとだけ?3年ぶりくらいにイラッとしてしまったので、彼には衰弱しきった身体をゆっくりと休めていただこうと思い付き、先程の行動に出たのだ。
扉を閉めた時に何かが聞こえたような気がしたが、気にしない。
もはやミネは今一時的に彼の事を忘却の彼方に追いやる事に成功する。
「さぁ、やっと山菜三昧だ!!!」
ミネはゆっくりと夕食を食べ始めた。
まあきっと、あの衰弱具合で食事をとればすぐにでも深く眠る事だろう……。その時に知らない奴が居るよりひとりの方がゆっくりと眠れるはずだ。
ミネはそう信じた。
案の定彼は次の日の昼過ぎまで起きてこなかった。
求めるものは出会える?
いやいや、決して求めた覚えは無いが……。
この出会いはミネの生活を大いに変えていく……かもしれない事をミネは欠片も気付いちゃいない。
彼が必死に辿り着いたミネの家。
彼が扉をノックしたその音はミネにとって変化の始まる音となる。
ミネ知らず……。
今日は不変が変わる日となった。




