ぼっちは無言を貫いていた
「…………………………。」
「…………………………。」
現在ミネは行き倒れかけらしい綺麗な男の人と無言の時を過ごしている。
ミネは変わらずにテーブルから顔を出して黙り込んで観察しているのだが、……一方の綺麗な男の人も衰弱しきっている身体からなのか身動きがとれないらしい……。
そして、そんな無言状態に耐えきれなかったのはもちろん綺麗な男の人の方で。
「あの……俺は確か。森で迷って…………家を見つけて訪ねた気がするのだが……。すまない……倒れたのか?」
こう話しかけられてしまうとミネも黙っているわけにはいかない。
ミネもここ3年程はタムさんとしか話していなかった為、対人交流能力が最低限しかないのだが……別に喋れないことは無い……と思う。
……まあ、可能な限りひとりが良いのだが……。
「……ノックがしたのに無言だった。……取りあえず開けてみたら倒れ込んで来た。…………だから、悪いとは思ったけど引きずってきて寝てもらった……ごめん。」
慣れない人との会話をポツリポツリと少しずつだが頑張って喋る。
「……ありがとう。」
すると、身体が衰弱していて辛いだろうに目の前の綺麗な男の人は自分に笑って見せた。
それが何だか見ていて苦しくて、今は距離を取っている場合ではないと悟る。
ミネはゆっくりと近付いた。
ひとまず衰弱しているこの人の額に手を当ててみる。
「……熱は、……ちょっとだけ?かな……。」
高熱でないことに安堵して、ミネはリビングの棚から薬を取ってくる。
そんな動作をぼ~っとした表情で見てきた彼にミネはもう一度近付いて……。
「とりあえず、ご飯食べよう?それから薬を飲んだ方がいい。」
そう話して、夕食を一緒に食べることにした。




