ぼっち宅へ訪問者
「--ふぅ。山菜の汚れ落としも終わったな。」
ミネは長すぎる前髪が邪魔なようでかきあげて、額の汗を拭う。
ふぅ、ひと仕事終えたぜ!
正にそんな感じである。
喋らずとも態度にそう現れている。
「この山菜達をどうしてしまおうか!」
ニヤリとミネは愉しげである。
「筍は当然掻き卵のスープだね。」
そう言って皮むき済みの細長い筍を適当な大きさに切り沸騰した湯へと入れて、味付け、掻き卵とさっさと仕上げる。
「後はさっと茹でてこごみのゴマ和え~♪」
これまた数分で仕上がっていく。
「蕨は明日までこのまま灰汁抜き、あとは天ぷらかな?」
天ぷらは明日する事に決め、湿らせた布に包み、冷暗所へと保存した。
ミネは口内に唾液が増えるのを感じながら、細筍掻き卵スープとこごみのゴマ和え、そしてヘビパンをテーブルへ並べる。
「いただきます。」
--と、言いかけた時だった。
--コンコン。
ミネの家の玄関から音がした。
「!!!」
驚いて一瞬で身体が硬直する。
「……。」
しかし、それ以上音はしない。
いや、正確に言うと雨の音はするのだが、それ以外に音は聞こえなくなった。
ミネは驚きながら考えた。
「コンコンノックと言うことは人だよな?」
「ここに人だと?」
ミネは最大限に警戒した。
ひとまず素早く調理場にある物を手に取る、
「ナイフよーい!!!」
一応の護身用だ。
ミネはゆっくりと扉へと近付く。
そして、開けた。
「--はい?どなたかいるのか?」
「…………こん、にち、……は……。」
パタン……。
「え?!?!」
人だった。
その人は、小さな声を絞り出すかのようにか細い声を何とか発しながら開けたドアと共に倒れ込んで来たのだった…………。
「んんん???」
事態の飲み込めないミネはひとまず倒れた人を家の中へ引きずり入れた。
やっとの3人目、初っ端から倒れる。




