表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者だから、魔王を倒す。  作者: つぶあん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/32

勇者、王に会う。

 開かれた扉の先には、真っ直ぐに王座へ続く、真紅の絨毯が敷かれていた。道の両端には金色の刺繍が施されている。

 刺繍の向こうを見やると、柵越しに、貴族と思しき豪奢な衣装を纏った人々が、拍手をしながら俺を出迎えている。その中に家族も見えた。こうして見てみると、衣装のせいか、自分たちの家族が貴族のひとりとなったようにすら感じる。

 そして正面。絨毯の続く先には、王がいた。赤いマントの襟には白色のファーがしつらえてあり、その頭上では王冠が誇らしげに輝いている。手には何やら、ステッキのようなものを携えていて、その頂点には水晶か、透明の玉が乗っている。

 王の姿には、圧倒的な存在感すら感じた。入場した時、あえて直視出来なかったのはそのためかもしれない。

 皺の彫りが深く、厳格そうな口髭、鋭い目つきに、固く結ばれた口元。広い肩幅と、服の上からでも分かる隆起した筋骨は、男が理想とする男を体現したかのように見えた。

 この王をして、この国は強国たらしめるのだと痛感する。この世界に傀儡王などというものがいるのならば、決してこの王のことではないのだろう。そう思わせられる程の存在感があった。


 拍手とファンファーレが鳴り響く中、俺は絨毯を歩き、王座へ続く階段を前にして片膝をついた。王の後ろから日差しが後光のように入り込んでいて直視できずに、自然と頭は俯いた。


「お主が、勇者と告命を受けたセタン・ルー、その人であるな? 」


 王の、腹に響く低い声が俺に問いかける。


「は。お呼びに預かり参上致しました」

「ほぅ、まだ五歳だと言うのに、礼儀が行き届いているようだな。褒めて遣わす」

「ありがたきお言葉」

「此度、セタンの名は世界へ轟いた。今は誰もが知る勇者となった。これは神からの奇跡である。このような者が我が国から輩出されるのは、我が国にとってこれ以上ない栄誉である。まずは、神に感謝を」


 その場にいた全てのものが、胸の前に手を組んで天を仰いだ。俺と王を除いて。


「して、セタンよ。我が国も神に習い、勇者の号を、そなたに授ける。これに並び、勇者が我が国に誕生したことを祝し、爵位をそなたに授ける。位を、伯爵とす。異論のある者は、今この場で申し出よ。ないものは、喝采せよ」


 ......は?何がどうなっている。何故俺が貴族になったんだ。俺はまだ何もしていない。

 しかし、周りの貴族は大喜びで手を叩いている。

 こんな空気で、理由を尋ねるなんてできるわけがないだろう。


「では、勇者セタンよ。今度はそなたの名前と武勇が、世界に轟くことを期待している」

「ご期待に添えるよう、努力致します」


 また鳴り始めたファンファーレに促されるようにして、俺は王座の間を後にした。扉の奥には、先程の使いが待っていた。


「大変に立派なお姿でした勇者様。本当に」

「いや、さすがに人生で一番緊張しました」


 前世も含めて。


「そうでしょうとも。つい先程まで、一般の民としてお過ごしになっていたセタン様にとっては、余程強い刺激であったこと、お察しいたします」

「そういえば、勇者は分かるのですが、爵位って......」

「ご説明が遅くなり申し訳ございません。叙爵に関しては、行われるまでその内容を、当人含め何人にも伝えてはならないことになっておりまして。後ほど、ご家族様とご一緒にご説明させていただきます」

「わ、分かりました」


 人事についての先触れは、国絡みになるとご法度らしい。これも、 “情報”か。


「それでは勇者様、また控え室にて、お召し替えをお願いいたします」

「え、また着替えるんですか? 」

「ええ、相手が王家とはいえ、食事の場でそのお姿は仰々しすぎます。何より、動きづらいでしょう」

「そう、ですね」


 貴族の世界にはついていけない。なぜさっきも会った相手と会うのに、着替えなければならないのか。

 そう、ついていけない。こんな俺に、爵位、それも伯爵なんて務まるのだろうか。

 強烈な不安が俺の中を駆け巡った。


「ご家族様、勇者様をお連れいたしました。お待たせして申し訳ございません。

 メイドたち、勇者様のお召替えを」

「はい、かしこまりました」


 ぐるぐると考えていたら、いつの間にかさっきの控え室に着いていた。控え室の中では、これから食事だと言うのに、フェルダがまた菓子を頬張っていた。

 その姿を見て、俺は密かに安堵した。

 そういえばこの場所は、一言コメントみたいな感じで、その話を書き終わった私が思っていることを適当に書きます。

 Xみたいなものと捉えてくださいm(*_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ