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異世界であり、ゲームであり、理不尽であり。  作者: 吉野紘貴
俺には能力がないそうで
4/10

俺の異世界無双は・・・・・・?


「うわぁぁってなんだよ」


 アクリは俺のステータスを俺の指を勝手に使って操作している。


「いやいや。だってこれさ、ホラここ……。っていうか、先にこっちの説明だな。ここ見て」


 アクリは俺にしっかり見てみろというように俺のステータスを少しばかり操作してから指差す。


 アクリの指先には『LV・HP・MP・STR・ATK・DEX・AGI・MEN・GRD・MPR』というアルファベットが羅列されており、そのアルファベットの横に0と一種類ずつ数字がわり振られている。ちなみにLV・HP・MPは別の枠にあってそちら方にはゲージと数値が書いてある。


「LV・HP・MPは分かるよね……?」


「あぁ、うん。でもそれ以外はなんとなくしか分かんないから説明してもらえるとありがたいかな」


「オッケー。歩きながら説明するね」


「数字の説明が必要だね。0の方がステータスポイントがいくつ割り振られてるかってこと。もう一つの方が今の数値だよ。そして……まずSTR(Strength)は筋力。荷物重量制限があがったり、重い物も持てるようになるんだ。攻撃力にも関係があるけど直結はしてないかな。その下のATK(Attack)Attackは攻撃力」


 蹴りながら歩いていた小石がどっかへ行ってしまい別の石をアクリが蹴り始める。


「文字のごとく攻撃したときにどれだけダメージを与えられるかってこと。次はDEX(Dexterity)器用さっていうんだ。これが高いと相手のクリティカルをとりやすくなる。次のAGI(Agility)は敏捷力。自分がどれだけ俊敏に動けるかみたいなことよ。持久力的なものもここに入るのかな……?」


 アクリが理解してるかこっちに首を向ける。


「大丈夫。言ったろ? なんとなくは分かってるって。もう最期まで説明してもいいよ」


「それは流石に怜雄君の頭がパンクしないか心配だなぁ。言っとくけど君、この世界の小学校的なところで最初の1か月くらい使って覚えること5分くらいで覚えようとしてるんだからね」


「いやいや。俺の記憶力舐めないでよ。てか、俺高校生だからね! 小学1年の記憶力と一緒にしないでよ! 」


「この世界の小学校的なのはは10歳から通い始めるんだけどね」


「それでも、俺の方が年上だからっ!!」


 若干相手をするのが疲れたのか小さくため息をついている。


「はーいじゃ、さきに進めまーす」


「完全に俺の相手すんの飽きたな、お前」


 俺の言葉を完全に無視をしてアクリが解説を始めた。


MEN(Mentality)精神力。精神的魔法に強くなるんだ。幻惑とかそういう系のやつ。簡単に言えば誘惑に分けないってことでいいと思う。んで、GRD(Guard)で防御力。これも読んで字のごとくだね。説明は省かせてもらおうかな。その次がぁ……(Magic)PR(Protection)か。こいつは魔法防御。防御の魔法版。魔法でどれだけダメージを受けるかみたいな感じ。これで終わりかな」


 アクリが本当に分かったのか? と言いたげな訝し気な顔で振り向く。


「大丈夫! STRから順に筋力、攻撃力、器用さ、敏捷性、精神力、防御力、魔法防御ね。どうよ? 見た? この実力!!」


「あーすごいすごい」


「なんだよ、その『あーすごいすごい』って。絶対後ろに(棒)(かっこぼう)が付きそうな反応は!」


 その時、先ほどから登っていたゆるやかな坂を登り終えた。


 そこから小さな村、もしくは集落と呼ぶべきであろうところが見えた。


 遠くからでは確かではないが、家も柵も、倉庫らしきところも基本的に木造なのだろう。俺のみ慣れた、コンクリートや鉄鋼は見当たらない。


 その瞬間アクリが走り出した。


 俺はそれに仕方なくついて行く。この世界に来てから走るのは初めてなのだか、なんとなく体が軽い気がする。これは俺のAGIが高いのだろうか。


 軽いどころじゃないぞ! これ! 横を見るとドンドン景色が変わる。今までと変わらない感覚で走っているのにも関わらず、びっくりするぐらい早い。自転車に乗っているみたいだ。


「あ、アクリ! 俺、なんでこんなに早く走れるんだ?」


「君のAGI、僕のとまではいかなくても、なかなかに高いんだよ。だから、早く走れるんだ。もっと加速することもできると思うけど、自分のスピードに慣れないうちは無茶しない方がいいと思う。気分が悪くなっちゃうからね」


 先ほどまで道の左右は開けていたが、今は周りに木が生い茂る。時々、足元に根っこが見えるが、すべて軽々よけることができた。


 本当に不思議だ。今なら体育でも、好成績を残せるに違いない。


「じゃあ、はい。次。前見て」


 俺は今の今までアクリの方ばかり向いていたことをアクリに指摘された。そして、前を見てみると、先ほどまで遠い遠いと思っていた集落が目の前にあった。


 近くで見ると集落というには若干大きい。村というべきだろう。

 やはり建物は木造のようだ。近代的な技術はあまりないのだろうか。それとも、ここまで広がってきていないだけなのだろうか。


「マジかよ……。ホントにゲームみたいじゃないか……」


 俺はこの世界のすべてがステータスの数値で支配されていることを知らされた上に、一つ大切なことをアクリに聞き忘れていること思い出した。


「なんでさっき俺のステータス見て『うわぁぁ』って言ったの?」

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