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アルティエル戦記  作者: 秋月キアラ
第1部 滅びた王国と森の王子
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第1話_アルティエル暦一〇一八年

 アルティエル暦が千と十八を数えた年、ランバード王国の春は、例年よりも早く花を開いた。王都を囲む白い城壁の外では、雪解けの水が銀の糸となって丘を下り、葡萄畑の畝には淡い緑が戻り、王城へ続く石畳の街道には、朝まだきから荷車と巡礼者と花売りの娘たちが列を作っていた。ランバードは古き王国であった。聖騎士アベルの血を引く王家を戴き、白城と青川と鐘楼の都を誇りとし、長い歳月のあいだ幾度も戦と飢饉と疫病を越えてなお、その名を失わずにきた国である。王都の中央にそびえる聖堂には、白銀の翼を広げるアルティエルの壁画があり、その足もとには七つの灯皿が置かれていた。そこに灯される火は、聖戦の終わりから一度も絶えたことがない、と神官たちは語る。実際には、嵐の夜に消えかけたことも、戦乱の折に油が尽きかけたこともあったのだが、民はそうした細部を好まなかった。人が望む伝承とは、しばしば傷のない記憶である。


 その朝、王城の鐘は夜明けより早く鳴った。はじめは一つ、次に三つ、そして十二の鐘楼すべてが応じるように響き、眠っていた都の窓という窓が開いた。パン焼き窯の前で粉まみれになっていた職人が手を止め、井戸端の女たちが桶を抱えたまま顔を上げ、城下の衛兵は槍を正して互いを見た。鐘の音が祝いの調べであることを知ると、街は一斉に息を吸い込んだ。王妃セリスが、ついに王子を産んだのである。


 王城の奥、東の塔に設けられた産屋には、香草と湯と祈りの匂いが満ちていた。厚い緋色の帳の向こうで、侍女たちが静かに動き、産婆は疲労を隠しきれぬ顔で白布を整えていた。窓の外では春の光が薄く差し、金の飾り格子に触れて、床に細かな模様を落としている。寝台に横たわるセリスは、蒼白で、額には汗が残っていたが、その腕の中の小さな命を見つめる眼差しだけは、戦勝の王よりも強かった。生まれたばかりの王子は、まだ皺だらけで、赤く、世の光に抗議するように小さな拳を握っていた。泣き声はかすれていたが、不思議と部屋の隅々まで届いた。


「よく、泣く子だ」


 寝台のかたわらに立つ王が、低く言った。戦場では一度も震えぬ声で兵を率いてきた男であったが、その時ばかりは、言葉の置き場を見失っていた。王は大柄で、肩にはまだ執務の外套をまとっていた。夜を徹して祈祷室と産屋の前を往復していたため、髪は整っておらず、目の下には濃い影があった。それでも彼の顔に浮かぶものは、疲労ではなかった。恐れと喜びが、一つの器の中で混ざり合ったような表情であった。


「陛下」


 セリスは微かに笑った。「その子が泣くのは、ここが知らない場所だからです。叱らないであげてください」


「叱るものか。私はただ……」


 王は途中で言葉を切り、片膝をついた。王冠を戴く者が寝台のそばで膝を折る姿を見て、侍女の一人が目を伏せた。王はそっと指を伸ばし、王子の手に触れた。小さな指が、驚くほど強く王の指を握った。


「……なんと小さい」


「生まれたばかりですもの」


「小さいのに、これほど強く握る」


「ランバードの血です」


 セリスの声には、冗談めいた柔らかさがあった。だが、その奥には、母となった者だけが持つ静かな誇りがあった。王は笑おうとして、うまく笑えなかった。戦場で兵を失った時も、玉座で諸侯の裏切りを聞いた時も、彼は顔を崩さなかった。だが、たった今生まれた子の指に触れたことで、彼の胸には、剣では守りきれぬものの重みが初めてはっきりと宿った。


 扉の外で、控えめな咳払いがした。白髪の執事パーカスであった。彼は王家に三代仕えた男で、痩せた背をまっすぐに保ち、どのような非常時にも足音を乱さぬことで知られていた。その彼の目元も、この日ばかりは赤かった。王が振り返ると、パーカスは深く一礼した。


「陛下。大司教猊下と水読み士たちが、命名の儀の支度を整えております。王妃様のお身体を思えば、日を改めることもできますが」


「いいえ」


 セリスが先に答えた。声は弱かったが、拒む響きは明瞭だった。「この子の名は、今日、いただきます。生まれた日に名を持たせるのが、ランバードの古きしきたりでしょう」


 王は眉を寄せた。「急がずともよい。儀式は逃げぬ」


「けれど、この子はもう、ここにいます。名のないまま夜を越させたくありません」


 セリスは腕の中の王子を見下ろした。その眼差しに、パーカスは一瞬だけ顔を伏せた。老執事は、ランバード王家において名がただの呼び名ではないことを知っていた。王族の名は人の都合で選ばれない。水鏡に問われ、聖水に映り、アルティエルの灯の前で受け取られる。それは未来を縛る鎖ではなく、その者が世界に記される最初の印であった。


 やがて王子は、白い産着に包まれ、セリスの腕から王の腕へ渡された。王は戦斧よりも重いものを受け取ったかのように、両腕に力を込めた。王妃は侍女に支えられて起き上がろうとしたが、王がすぐに首を振った。


「無理をするな」


「無理ではありません。母親になったばかりです。少しくらい、見栄を張らせてください」


「セリス」


「陛下」


 王妃は微笑み、王をそう呼んだ。寝所で夫の名を呼ぶ時の親しさではなく、王国の母として王に向き合う声であった。「この子は私たちだけの子ではありません。王家の子であり、民の祈りの子です。ならば、私もそこにおります」


 王は反論を飲み込んだ。パーカスが静かに侍女たちへ合図し、王妃のための椅子と外套が用意された。誰も大きな声を出さなかった。産屋の空気はまだ夜明けの疲れを残していたが、その奥に、儀式へ向かう緊張が満ちていった。


 命名の間は、王城と聖堂をつなぐ古い廊の奥にあった。そこは王族と高位神官、水読み士だけが入ることを許される円形の部屋で、床には白石と青石で水輪の紋が組まれていた。天井は高く、中央の丸窓から朝の光がまっすぐ落ちる。壁には歴代の王子と王女の名が刻まれ、そのもっとも古い列には、アベル・ランバードの名もあった。文字は幾度も磨かれ、もはや石そのものが名を覚えているかのように淡く光っていた。


 部屋の中央には、銀の縁を持つ浅い水盤が置かれていた。水盤には、夜明け前に聖堂地下の泉から汲まれた聖水が満たされている。水は動かぬ鏡のように澄み、その表面には丸窓の光が白く浮かんでいた。大司教は白金の祭服をまとい、両手にアルティエルの聖印を掲げていた。その後ろに三人の水読み士が立っている。いずれも年老いて、瞳は水の底を見続けた者特有の遠さを帯びていた。


「ランバードの王よ」


 大司教が言った。「王妃セリスの御子を、ここへ」


 王は一歩進み、王子を水盤の前へ抱いた。セリスは椅子に座し、侍女に支えられながらも背を伸ばしていた。パーカスは扉のそばに控え、顔を上げている。普段なら儀式の隅々まで目を配る彼も、この時ばかりは老いた家臣ではなく、一人の民のように祈っていた。


 大司教は聖印を水の上へかざし、古い聖句を唱えた。言葉は、いま王都の人々が日々の祈りに用いるものよりもはるかに古く、硬く、響きが深かった。かつてアルティエルの名が初めて地上へ記された時代の残響だと伝えられている。水読み士たちは水盤を囲み、三方向から息を合わせた。


「名なきものに、名を。形なきものに、形を。生まれし者が、生まれしものとして世界に留まるように。白き翼の見守りのもと、ランバードの子の名を、水に問う」


 水面が揺れた。誰も触れていないのに、聖水の中心から小さな輪が広がり、丸窓の光が砕けた。王子は不意に泣き止んだ。まだ何も見えていないはずの目が、細く開いた。王は息を止めた。セリスは椅子の肘掛けを握りしめた。


 はじめ、水面にはただ白い光だけがあった。やがてその光の奥に、細い線が浮かんだ。線は古代文字のように曲がり、ほどけ、再び結び、誰かの手によって書かれるのではなく、水そのものが思い出すように形を成していった。水読み士の一人が小さく息を呑んだ。大司教の眉が動いた。


「読めるか」


 王が低く問うた。


 もっとも年長の水読み士が、水面へ身を傾けた。彼女は長く沈黙した。その沈黙は、儀式の重みではなく、予期せぬものに触れた者の沈黙であった。


「……エノク」


 老女は掠れた声で言った。「水は、その名を示しております。エノク。エノク・ランバード」


 その名が発せられた瞬間、水面に映る文字が白銀に輝いた。大司教は目を閉じ、深く息を吐いた。王は腕の中の子を見下ろした。セリスの唇が震え、やがて小さな笑みとなった。


「エノク」


 王妃は、その名を初めて母の声で呼んだ。「あなたの名は、エノク」


 赤子は、答えるように小さく身じろぎした。王の指を握っていた手がほどけ、今度は空を掴むように開いた。大司教は祭服の袖を広げ、儀式の終わりを告げる聖句を唱えようとした。だが、その前に、水読み士の老女がふらついた。隣の者が慌てて支えた。


「どうした」


 王の声が鋭くなった。


「いえ……名は、確かに示されました」


 老女は顔を伏せた。「ただ、水の底に、影が差しました。儀式の乱れではございません。けれど……」


「けれど、何だ」


 大司教が制するように視線を向けた。水読み士は唇を結び、しばらく答えなかった。命名の場で不吉を口にすることは、王家への無礼であると同時に、名を受けた子への呪いにもなり得る。だが、彼女は長年水を読んできた者であった。見たものを完全に飲み込むこともまた、罪に思えた。


「名の周りに、遠い星の影がございました」


 部屋の空気が微かに冷えた。セリスは王子を見る目を変えなかったが、王の顔には一瞬、戦場の冷厳さが戻った。大司教は静かに告げた。


「水はしばしば、母の不安を映すものです。王妃様は長いお産を越えられた。皆、疲れております。今日は祝いの日ですぞ」


 水読み士は深く頭を下げた。「仰せの通りに」


 王はなお何かを問いたげであったが、腕の中のエノクが再び泣き始めたため、口を閉ざした。赤子の泣き声は、聖句よりも強く部屋を満たした。緊張はほどけ、侍女の一人が涙を拭った。パーカスは静かに扉を開き、外で待つ近衛へうなずいた。その合図は廊を渡り、階段を下り、やがて王城の鐘楼へ届いた。


 王子の名が告げられると、都の鐘はふたたび鳴った。今度は誕生ではなく、命名を祝う鐘であった。エノク。はじめに城門前の布告吏がその名を読み上げ、次に聖堂の神官が復唱し、広場に集まった民がざわめきながら口にした。エノク、エノク王子、ランバードの御子。名は人々の声を渡るうちに熱を帯び、朝の冷気を追い払った。


 王都は祝祭となった。白城の窓には青と金の旗が垂らされ、パン屋は焼きたての丸パンを半値で配り、葡萄酒商は樽を広場へ出し、花売りたちは春の花冠を子どもたちの頭に載せた。吟遊詩人たちは早くも新しい王子のための歌を競い合い、路地裏の子どもたちは木剣を振って「ぼくがエノク王子だ」と叫んでは、別の子に「じゃあ僕は七英雄だ」と返された。聖堂では感謝の祈りが続き、神官たちはアルティエルの壁画の前に新しい白百合を供えた。老女たちは「王妃様のお顔はたいそうお優しいそうだ」と言い、兵士たちは「殿下は泣き声からして強い」と根拠のない誇りを語った。


 城の高廊からその様子を見下ろしながら、パーカスは珍しく口元を緩めていた。隣には近衛隊長バーンズが立っていた。頬に古傷を持つ、岩のような男である。彼は祝祭の日にも甲冑を脱がず、腰の剣を少しも緩めなかった。


「隊長、今日くらいは笑っても罰は当たりませんよ」


 パーカスが言うと、バーンズは鼻を鳴らした。


「笑っている」


「どこがでございます」


「心の中でだ」


「それはまた、民には伝わりにくい祝い方で」


 バーンズは広場の人々を見下ろした。樽の上に乗った若者が王子の名を叫び、周囲から拍手が起こっている。


「よい名だな」


「ええ。水に選ばれた名です」


「水読み士が、妙な顔をしていたと聞いた」


 パーカスの表情から、笑みがわずかに引いた。「お耳が早い」


「城の中の不安は、鼠より速く走る」


「ご心配には及びません。儀式はつつがなく終わりました。王妃様も王子様も、ご無事です」


「ならばよい」


 バーンズはそう言ったが、その声には、ならばよいと思おうとしている者の硬さがあった。パーカスはそれに気づいたが、あえて追及しなかった。老執事は王城の空気を読むことにかけて、占星術師よりも正確であった。祝いの日に不安を大きく育てる必要はない。だが、小さな棘を完全に抜くこともできない。


 その日の午後、王城では諸侯と高官を招いた祝宴が開かれた。王は玉座の間でエノクの名を正式に告げ、諸侯は膝をつき、杯を掲げた。セリスはまだ産屋を離れられなかったが、王妃のために白い椅子が玉座の隣に置かれ、そこには青いリボンを巻いた小さな揺り籠が据えられた。王子本人は眠っており、祝辞の長さにも諸侯の思惑にも何の関心も示さなかった。老侯爵が涙ながらに「アベル様の再来でございます」と言った時、王は静かに首を振った。


「この子はアベルではない。エノクだ」


 玉座の間に、短い沈黙が落ちた。老侯爵は慌てて頭を下げたが、王の声に怒りはなかった。


「アベル様の御名は、我らが忘れてはならぬ光だ。だが、生まれた子に、はじめから過去の英雄の鎧を着せることはない。この子が何者となるかは、この子が生きて決める」


 その言葉を聞いたパーカスは、胸の奥に温かな痛みを覚えた。王は厳しい男であった。国境の砦では冷徹と呼ばれ、宮廷では融通の利かぬ王と陰口を叩かれることもあった。だが、いま玉座にいるのは、王であると同時に父であった。そして父でありながら、子を王国の所有物にしないだけの理性を持っていた。


 祝宴は夕刻まで続いた。王都には灯がともり、通りでは踊りが始まり、聖堂の階段には祈りを終えた民が腰かけて葡萄酒を分け合った。春の夜気は冷たかったが、人々はそれをものともしなかった。吟遊詩人の一人が広場の噴水に立ち、即興の歌を歌った。白城に王子生まれ、青き水に名を受けし、エノク、エノク、春の御子。歌は単純で、詩としては拙かったが、民は声を合わせた。難しい聖句より、祝うにはその方がよかった。


 その賑わいから遠く離れた王城の北塔では、灯の数が少なかった。そこは占星術師たちの塔であり、王家の星図と古い天文器が置かれている。塔の最上階には屋根がなく、円形の観測台が夜空へ開かれていた。日没後、三人の占星術師がそこへ上った。彼らは王子誕生の吉兆を読むために星盤を用意していた。新たな王族が生まれた夜には、その星を読むことになっている。王子の性質、時代の流れ、病と戦の兆し、王家を取り巻く運命。多くは曖昧で、解釈によってどうとでもなる。だが、儀式としての意味は大きかった。星が祝福を示せば、明朝にはその言葉が王都に布告され、民の安心となる。


 最年長の占星術師オルドは、星盤に手を置いたまま、しばらく空を見上げていた。弟子の一人が不思議そうに問うた。


「師よ、どうなさいました。西の七灯星はよく澄んでおります。王子の誕生には吉では」


「七灯星を見るな」


 オルドの声は低かった。


「では、どこを」


「東だ。春のこの時刻、あそこに星はない」


 弟子たちは東天へ目を向けた。はじめ、彼らには何も見えなかった。王都の灯が明るすぎるのだと思った。だが、目が闇に慣れるにつれ、月の下、雲のさらに奥に、一つの赤黒い光があることに気づいた。それは星のようでありながら、星の瞬きではなかった。燃えているのではなく、脈を打っていた。遠すぎるはずなのに、見ている者の胸の内側を叩くような光であった。


「彗星……でしょうか」


「違う」


 オルドは星盤を回し、古い黄道図と照らし合わせた。指が震えていた。彼は若い頃、王立書庫で禁じられた星辰記録を読んだことがあった。千年前、聖戦の始まりに夜空を裂いた光についての記録である。そこには、星ではないもの、船であり墓であり玉座であるもの、天の道を外れて来る黒き灯について記されていた。多くの学者はそれを神話の誇張とした。オルド自身も、半ばそう信じていた。信じたかった。


「師よ」


 もう一人の弟子が、さらに青ざめた声で言った。「星盤の水銀が……」


 中央の器に満たされた水銀が、風もないのに波立っていた。銀の表面に、細く黒い筋が走る。オルドは片手で胸元の聖印を握った。


「鐘を鳴らすな。まだ、民に知らせてはならん。大司教を呼べ。いや、先に王へ密使を送る。急げ」


「何が起きているのです」


 若い弟子の問いに、オルドはすぐ答えなかった。答えれば、その言葉が現実を呼び寄せるように思えたからである。だが、沈黙もまた恐怖を濃くした。彼は東天の赤黒い光を見つめたまま、古い記録にあった言葉を、ほとんど息だけで呟いた。


「黒き帰還」


 その夜、王都の祝祭はなお続いていた。広場では歌が繰り返され、樽は空になり、子どもたちは眠さに負けて親の膝で丸くなった。聖堂の灯は明るく、王城の窓には祝いの火が並び、白城は春の夜の中で金色に輝いていた。誰もが、王子エノクの誕生がランバードに新しい幸いをもたらすと信じていた。


 東の空に浮かぶ赤黒い星を、ほとんどの者は見なかった。見た者も、祝いの日の珍しい星だと笑った。けれど、北塔の占星術師たちは祈りを始め、聖堂の奥では大司教が古い聖典の封を解き、命名の間では、水盤の水が誰も触れぬまま小さく震えていた。産屋の中で眠る王子は、母の腕の中で安らかに息をしていた。セリスはその額に唇を寄せ、ほとんど聞こえぬ声で名を呼んだ。


「エノク」


 赤子は目を閉じたまま、小さな手を動かした。その指は、何も知らぬまま空を掴もうとしていた。王都の鐘は祝いの余韻を残し、夜風は白百合の香を運び、遠い東の空では、星ではないものがゆっくりと瞬いていた。まるで千年前に閉じられたはずの扉が、深い闇の向こうで、再び内側から叩かれているかのように。

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