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ローズフォース  作者: DA☆
Procedure 7 ルーピング~そしてハッピー バースデイ
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129/140

7-20

 勝機はある。必ずある。だが、あのウォータークリスタルがある以上、間接攻撃は効きそうにない。それにローズサイコパスは格闘戦の武器だ。ワープさせるにしても、近接戦で絶え間ない攻撃を繰り出した方が確実か。


 あたしは再びシャーレの上を突進し、しゃにむに間合いを詰めた。クリスタルは再びウォータークリスタルを出して防ごうとした。あたしはそれを跳び越え、頭上から一気にローズサイコパスを振り下ろす。クリスタルはひょいと一歩跳び退いてかわした。


 かわされはしたが、まだローズサイコパスの間合いだ。この距離で連続攻撃を出せば、ファイヤークリスタルも、エアクリスタルも、大技はすべて封じられる。あたしは斬りつけ、薙ぎ払い、突きを入れ、可能な限り隙なくローズサイコパスを振り回した。だが間合いは微妙なところで読まれており、クリスタルは軽々としたステップで一歩二歩と後退しながら、すべての攻撃を紙一枚のところで避けていく。


 「当たらんと言っている」


 「黙れ!」


 あたしはあきらめなかった。斬りつけ、薙ぎ払い、突く、すべてひょいひょいとかわされても、攻撃を繰り出した。あたしは間合いを詰めて攻め立て、クリスタルは後退しながらかわし続けた。攻撃を続けるうちに、やがてあたしは、クリスタルをシャーレのへりまで追い詰めた。


 「まさか追い詰めたとか思ってるんじゃないだろうな?」クリスタルが見透かすかのように言った。


 ……そうだ、あたしたちは飛べるんだから、この状況は追い詰めたとは言わない。むしろ、シャーレによって制限されていた下方向への移動を許すことになる。「くのぉ!」それでも突進しながら攻撃を繰り出すと、あたしはシャーレの外へ飛び出していた。次の瞬間、クリスタルが目の前から一瞬で消えた。高速ワープだ。はっと振り返ると、クリスタルはすでにあたしの背後で巨大な光の剣を構えており、今まさにあたしに向かって振り下ろさんとしているところだった。


 避けられない。あたしはモロに斬撃を食らった。そしてシャーレのはるか下方へと叩き落とされた。目の中に見えるクリスタルの姿はどんどん小さくなっていき、その端っこで防性粒子残量がみるみる低下していく。まずい、このままじゃヴァインが消える。


 と、目の中のクリスタルが再び消える。またワープだ! 次の瞬間、ご、と腰に鈍い衝撃を受けた。落ちていくさらにその下に回り込まれて、落下の勢いを相乗した蹴りをぶち込まれたのだ。勢いであたしの体は反転し、次の蹴りの衝撃が腹部に入る。そのまま逆に蹴り上げられた。下方のクリスタルがまたワープして消えるのが見える。今度はあたしの上に現れていて、延髄辺りに痛打を受けた。ドラゴンボールじゃねぇぞチクショウ!


 スラスタをふかしてどうにか体勢を立て直す。それでも高速ワープはさせた。今のワープのどこかにヤツの弱点があるはずだ。どこだ?


 ヴァインの防性粒子はもはや限界にあった。あと一撃食らったら消えてしまうだろう。ヴァインを失ったら、もうソーンが出せないし、クリスタルの速度についていけなくなる。敗北は確定的だ。けれど、あたしの頭の中は驚くほど冷えていた。そんな状態でも落ち着いていた。なぜかはわからない。まだいけると、根拠もなく感じていた。


 そうだ───斬撃を受けたとき、あたしは無意識のうちに振り向いていた。無防備な背中を守ろうとする自然な防御反応か? ……違う! あたしの脳内に火花が散った。


 あたしは再び上方のクリスタルに向かって、ローズサイコパスをかざして突っ込んでいった。かなり距離がある……だが何としても、もう一度接近戦に持ち込む!


 「そうまでして何がしたい? いいかげんムダなあがきはやめたらどうだ。この星は五〇年後の滅亡を待つだけだ。義理立てすることもあるまいに」クリスタルがあきれ顔をして言った。


 「義理なんかじゃねぇよ! おまえを許さないっていう、ただそれだけの意志だ!」


 シャーレは昇っていく。星々の瞬きが消えてくっきりと空に映し出される。月の姿も、心なしか大きくなってきたように思える。……もう、時間がない!


 最後の気力を振り絞る。ローズサイコパスの刃を精一杯伸ばす。あたしは突進した。


 「ファイヤー・クリスタル!」アースクリスタルとファイヤークリスタルにはチャージ時間が必要だ。ファイヤークリスタルはチャージが短くてもいいが、直進しかしない。避けるのは簡単だ!


 「ならばこれでどうだ! エア・クリスタル!」エアクリスタルは物理的に気体を回転させている。その速度には限界があるし、クリスタル本人にも影響が及ぶ攻撃だ。竜巻に追いつかれる前に、接近戦に持ち込んでしまえばいい話!


 「ウォーター・クリスタル!」ウォータークリスタルはただの盾だ。いかに巨大といえど、数秒しか生じない攻性粒子の盾だ。あたしは後方から迫るエアクリスタルをぎりぎりまで引きつけると、エアクリスタルとウォータークリスタルの間隙からすばやく逃れた。……思った通り、エアクリスタルはウォータークリスタルを通過する!


 「しまった……っ!」クリスタル自身がエアクリスタルに巻き込まれそうになり、彼はとっさに自分自身の作ったエアクリスタルを消した。その間に、ウォータークリスタルも消滅する。


 あたしはその隙を逃さなかった。一気にローズサイコパスの間合いに飛び込み、振り下ろす。まさしく間一髪のところまで打ち下ろしたが、とっさにクリスタルはクリスタルソードを出して受け止めた。


 「くぅっ……っ!」クリスタルが初めて弱気なうめきをあげた。「そいつは、なんだ……」命中はしなかったが、ローズサイコパスに秘められた波動が微かに届いたらしい。


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