番外編1 アレクシス様の溺愛は続く
あれから2年後。
私は、アレク様と結婚した。
ーーーそう
とうとうほだされました。
だって、溺愛がすぎる・・・
「おはよう。ミリー。今日もかわいいね。」
アレク様は、そう言って私の頭を優しくなでる。
「あ、アレク様・・・おはようございます。」
いつまでたっても、恥ずかしくて顔が赤くなってしまう。
「私は、本当に幸せだよ。一生こうしてミリーと共に過ごせるなんて・・・」
アレク様は、もう目じりが下がりっぱなしである。
「さあ、こっちにおいで。朝食をとりながら今日の予定を決めよう。」
そう言って、自分の膝を叩く。
(またーーーー)
「私の椅子もありますから・・・」
そう言って反対するがーーー
「私が幸せをかみしめたいんだよ。お願いだ。ミリー。」
やっぱり押し切られてしまった。
毎日この状態。
そしてもちろん、ひな鳥のように食べさせてもらうまでがセットだ。
人間ダメになってしまいそう…
アレク様は正式に継承権を放棄して、ヴァルディス公爵家当主となった。
つまり、私は公爵夫人。
まあ、王太子妃よりはいいかと・・・
それから、フレデリック王太子はというと、
あれから、心を入れ替えてこの2年猛勉強をしている。
ロドルフ様も自分の時以上に王太子教育に心血を注いでいる。
自分の時以上に真剣になりすぎて、王から時折お休みを取るよう助言されているとか。
教育も順調で、これなら王位を継承しても大丈夫だろうと言われている。
その上、あの傲慢な態度が嘘のように、今は婚約者に夢中のようだ。
婚約者の令嬢もとても優秀な方のようで、お互いに切磋琢磨している。
我が国も安泰。
そして、今日は一年に一度の”カイト様”の日。
最初は2か月に1度だった日が、だんだんと半年に1度となり、今では私の誕生日。
つまり、1年に1度となっていた。
”カイト様”って盛り上がれば盛り上がるほど、
その後のアレク様のフォローをするのが大変になるからだ。
朝から、そわそわしている私。
この日だけは、他の男の人の名前”カイト様”を呼んでもよいと言われている。
つまり、この日以外は他の男の人の名前を呼んではいけない。
アレク様は、この点は狭量なのである。
楽しみなはずなのに、なぜか私のテンションは下がっている。
ドキドキして待つはずなのに・・・
だるい。
眠い。
気持ちが悪い…
どうしたんだろう?
誰にも言えず、ベッドから起き上がれない私。
そこに、メグがドアをノックする。
メグは、私の結婚についてきてくれた。
「ミリー奥様。準備が・・・」
メグが、ドアを開けた瞬間、驚いて駆け寄ってくる。
「熱でもあるんですか?今日は、楽しみにしていた”カイト様”の日ですよ。」
私の額に手を当てる。
「大丈夫よ。ちょっと体がだるいだけ。楽しみなんだけど、なんか眠くて・・・」
私も苦笑いになってしまう。
「ん?もしかして・・・ちょっとお待ちくださいね。」
慌てて部屋を出ていったけど、どうしたんだろう?
そうしているうちに、お医者様が現れた。
おとなしく診察されていると
え~~~~~~~
ーーー話を聞いた途端
私の時が止まった。
アレク様は、”カイト様”の支度のまま心配して部屋の外で待っていたらしい。
お医者様がお帰りになった途端、
「ミリー。大丈夫かい?どうしたんだろうね。昨日まで何ともなかったのに・・」
心配のあまり、涙目になって私の手を握って離さない。
「アレク様。大丈夫です。なんともありません。」
私が安心させようとして言うと、
「お医者様まで呼んでおいて、大丈夫なわけないじゃないか。心配でどうにかなりそうだよ。」
アレク様が片手で胸を押さえる。
「私たちの家族が増えるんですって・・・」
私は、恥ずかしくて、アレク様の耳元でそっと話した。
アレク様は、何の反応もなく固まる。
「アレク様?」
そっとゆすると、やっと私の顔を見て目を丸くする。
「ーーーーなんだって!!!!」
アレク様の手が震えだす。
それからが大変だった。
過保護なアレク様は私をベッドに縛り付けようとする。
寝たままご飯を食べさせようとする。
トイレに行こうとするとどこからか飛んできて、横抱きにしようとする。
私は、お医者様をもう一度呼んで、妊娠した時の心得を話してもらった。
こうして、私は、これからもアレク様の溺愛を受けながら生きていくのだろう。
はじめは、太って目立たない地味な令嬢だったのに・・・
大好きなコスプレを楽しみながら
ーーー私らしく生きていく
好きなものを好きといえる
そんな人生を
お別れの時が・・・・(( ノД`)シクシク…
明日早い時間に、最後の1話を投稿します。
あわせまして、本日より
『無価値だと言われた植物魔法ですが、いつの間にか聖女と呼ばれ、腹黒王子に手放してもらえません』
というお話を投稿し始めました。
魔法のある世界に転生してしまった植物好きな女の子。
その世界では今までにない植物の魔法に価値を見出せなかった。
しかし、実はすごい魔法で最後には聖女と呼ばれるまでになってしまう。
そんなお話です。
もしよろしければ、そちらもよろしくお願いします。




