表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
26/47

3-4 なぜみんな食堂に来るの!?



私は市井に降りる準備を始めた。


ーーもう、貴族としての生活には戻らない。


そう決めて、必要なものだけをまとめる。


ドレスなどは、置いていく。


ーーー貴族の鎧を脱ぎ去るように。


私についてきてくれるのは、侍女のメグと護衛のケビン。


私は一人でもいいって言ったんだけど、


二人と家族はそれを許さなかった。


二人も平民の格好をして市井についてきた。



私はもちろん変装なし。


いつも通り食堂くららで働く。




「いらっしゃい・ま・せ」


ん~


どうして来たのかな?


「ミリーさん。今日は一番乗りで来たよ。」


嬉しそうにキラキラした目で私を見つめるロイド様。


私がミリエンヌだと気づいていないからまだいいけど、


なんかドキドキして心が休まらない。


え?気づいていないよね。


「今日は何がおすすめかな?」


そう言いながらーー自然な動作のように、


私の手に触れようとする。


次の瞬間。


気づいたときには、ケビンが間に入っていた。


・・・・いつ来たの?


ちょっと尊敬するレベルだ。


「僕のおすすめは、かつ丼かな?騎士にはやはりガツンと肉っしょ。」


ケビンがうまく会話に入る。


「ミリーさんもそう思いますか?」


後ろの私にロイド様もめげずに聞いてくる。


「そうですね。じゃかつ丼ですね。」


私は笑顔で返事をして、そそくさと厨房に伝えに行った。


一応お客様だからね。




ガラッ


次のお客さんが来た。


「いらっ・しゃ・・・・」


なんだろう。


この既視感。


さっきと同じ流れな気がする。


今度はなんと、アレクシス様が笑顔で入ってくる。


「やあ。ミリーさん。元気だったかな?」


食堂に入るときの挨拶ではないと思う。


「はい。元気ですよ。何を注文されますか。」


悲しいかな。


接客業で身についた笑顔で注文を取る。


「じゃ。君が好きだといった親子丼にしようかな?」


好きだなんて言っていませんがね・・・


「はい。親子丼ですね。」


もう、いちいち気にしないことにした。


アレクシス様は座ろうとしたときに、ロイド様がいてぎょっとしている。


だから変なんですって。


もう、ないですよね~


・・・・フラグ?





ガラッ


「ミリーさんは、いるかな?」


ーーまずい。


一番、ここに来てはいけない人が来た。



この声は、王太子殿下。


こんな市井に何度も来るなんて。


「今日は、君に話があって・・・」


「フレデリ・・・・リック。何しに来たんだい?今日は予定が詰まっていたのでは?」


アレクシス様も焦って近寄ってきた。


「ちょっと何やっているんだよ。」


ロイド様も参戦してきた。


「こちらの方が大事なんだ。」


王太子殿下がむきになっている。



気が付けば。


前に王太子殿下。


右にロイド様。


左にアレクシス様。


ーーー逃げ場がない!



危険な感じになってきた。


おかみさんに言って、ちょっと場を離れようーーーー


前を向いたまま2.3歩下がったところ。


「ミリーさん!」


3人に止められてしまった。



こうして3人の迷惑なお客様が帰るまで、私が解放されることはなかった。


何か言いたげな3人は何も言えないまま、


後ろ髪をひかれるように帰っていった。




ようやく店の扉が閉まった。


・・・・はあ。


全身の力が抜ける。




もうこないでーーーーーーーー!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ