3-1 いきなりの呼び出し!
え~
どういうこと?
いつもと違う、張り詰めた空気。
あれ!
あそこにロイド様がいる。
それに、アレクシス様も。
いや~
隠れたい。
いや、私だと気づかないか?
ちょっと堂々とした方がいい?
今日は、王太子妃教育の日ではない。
それなのになぜか王宮に呼び出しがあった。
いつもの変装をして向かった。
するとそこには貴族のえらい方たちがたくさん集まっていた。
これから、何が始まるんだろう?
何もわからない不安から、足がすくんでくる。
しばらく一人で立っていると・・・
集まっていた人たちが道を開けた。
そしてそこに、王太子殿下が現れた。
後ろには、アルフレート王と王のお兄さんのロドルフ様がいる。
すると、突然。
「ミリエンヌ・エーデルシュタイン!
お前は王太子妃としての自覚が足りない。
自分の管理もままならず
王太子妃として恥ずべきその姿
よって、お前との婚約を破棄する。」
王太子は私をにらみながら、周りの人に聞こえるように叫ぶ。
え~
どうしよう。
ーーー私は今日まで
王太子殿下との婚約破棄を実現させるために頑張ってきた。
だから、うれしいけれど、急すぎて理解が追い付かない。
とりあえず、理由は聞かなくちゃ。
はいそうですかというわけにもいかないでしょう。
「何か、大きな理由があるのでしょうか。
次の候補の方が決まっているとか。」
反対はしてほしくないけど、一応聞いてみよう。
「・・・それは・・・・・・」
王太子殿下は、なにか言いたいのか一度下を向く。
しかし、何かを決意したように拳を握って顔を上げた。
「私は、真実の愛を見つけてしまったのだ。」
その瞬間。
アルフレート王も含めて集まった人が驚きに息をのむ。
「一目ぼれをしてしまったのだ。
それに・・・あの女性は、王妃になるにもふさわしい気品をもっていた。」
まるで自分に言い聞かせるように続ける。
それだけで決めたの?
ちょっと安易じゃない?
でも、気になるなあ~
「あの。ちなみにそれはどちらの方でしょうか?
いえ、別に反対しているわけではありません。」
ただの好奇心です。
「それは、一度行った市井の食堂で働くミリーという女性だ。」
・・・え?
今、なんていった?
・・・ミリー?
その名前を聞いた瞬間。
胸が、どくんと大きくはねた。
(まさか)
(いや、でもーーーー)
「えっ・・・・・・・・・・・・」
周りも一気に騒然となった。
アルフレート王は頭を抱えている。
しかし、もちろんそれどころではない
ーーーーーわたし~~~~~~?
どうしてそうなった?
いつそう思った?
接点はあの一瞬だったはず。
頭の中は真っ白になった。
でも、返事だけはしなければ・・・
胸の奥がざわついたまま、それでも
「はい。婚約破棄をお受けいたします。」
私は、そう言って会場を後にした。
周りの視線を感じながらも、
決して振り返らず・・・
そこからは、
どうやって家に帰ったかも覚えていない。
残った会場で頭を抱えた、
アルフレート王
アレクシス様
ロイド様
そして、一人。
ロドルフ様だけがーー
王太子殿下を見て
かすかに口角を上げていた。




