2-5 王宮潜入捜査
「ん、ん~ お前まだいたのか・・・」
ーーーーこんな声だったか?
私は誰だって?
驚くなかれ、
王太子殿下である。
もちろん偽者。
私は、王宮に潜入するため、誰になったらいいか考えた。
私は、そこで壁に当たった。
王宮に知っている人がほとんどいないのである。
王太子妃教育も適当なので、本当に分からない。
そこで、そこそこ知っているのは王太子殿下しかいないことに気づいた。
下手をすれば、その場で終わる無謀な賭けだ。
私は今日無事に家に帰れるだろうか?
しかし、やり遂げてみせる。
私は、何食わぬ顔で王宮の廊下を歩く。
「フレデリック。ちょうどよかった。今度の市井の視察について話さないか?」
フレデリック?
あ~王太子殿下のことか。
つまり、私!?
驚きすぎて声が出なかった。
いきなり声をかけてきた金髪の男。
誰だ?分からないけど仕方ない。
「ああ、構わない。」
無難に答える。
言われるがまま、金髪の男についていく。
着いた先にいたのは、これまた金髪の背の高い男。
ここ、金髪率高くない?
かくなる今の私もそうか?
背の高い方の男が私を連れてきた男に声をかける。
「あ~。ロイドか。殿下までどうした?」
え~。
私に最初に声をかけてきたのが、ロイド様!
王様のお兄さん、ロドルフ様の息子。
それにしてもーーー
・・・・この声、どこかで聞いた気がするけど?
まあ、今はそれどころではない!
「アレク叔父上か。今フレデリックの市井への視察について打ち合わせをしようと思って。」
背の高い方が、王弟アレクシス様!!
確か側室様の息子だから私たちとそう年が離れていない。
その上、継承権を放棄しているから王様を裏で支えているんだよね。
だから、3人ともぎすぎすしていないのか。
うわ~
すごい中にいる。
みんな金髪なのも王族だからか。
当たり前なのに失念していた。
人間関係が分かったところで、テーブルにつき話が始まる。
「市井のどのあたりに行くつもりだ。ロイド?」
アレクシス様がロイド様に気軽に話をする。
なんか二人は結構気安い関係?
「今回は、私が親子丼の話をうっかりしたのを聞かれて、市井に行くことになったんだ。
もちろん私たち二人も護衛として参加だけどな。」
ロイド様が頭をかきながら話す。
え!!!!ちょっと待って。それって・・・
それよりお前が原因か!
「あ。あそこに行くのか?『食堂くらら』。いや、しかし、どうかなーー」
アレクシス様も迷っている。
私も賛成。
こんなメンバー来なくていいよ。
というか二人は来たことがあるのか?
「私もそんな食堂なんか行かなくても・・」
私が反対しようとすると、
「フレデリックが行ってみたいって言ったんじゃないか。
それに、父上が賛成したからもう決定事項だからな!」
ロイド様に行かない案はつぶされる。
全く、ロドルフ様まで何を考えているんだか。
「い、いつ行くことになるんだ。週末は混むから避けた方がいい・・」
これが重要だ。
顔は絶対合わせたくない。
「フレデリック、詳しいな。そうだな。混むと護衛も大変になるものな。
じゃ、その方向で父上にも言っておこう。」
よしよし。
ロイド様を丸め込んだぞ。
「ところで、フレデリック殿下。
今日は家庭教師が来て勉強中じゃなかったのか?
逃げてきたんじゃないだろうな。」
アレクシス様がじっと観察するように目を細めて聞いてきた。
まずい・・・
なんて言おう。
「今日は、早めに終わったんだ。それじゃ、そろそろ戻って復習でもしようかな。」
私は、なるべく落ち着くようにゆっくりを心掛けて部屋を出た。
もう、心臓がバクバクと口から飛び出しそうである。
冷や汗をかいて、手も震えている。
いそげ~
ゆっくり見えるようになるべく大股で王城を命からがら抜け出したーーー
もうこんなことしたくない!
でも、収穫はあった。
平日に食堂くららにあの3人が来る。
平日は絶対に近づいてはいけない。
私は、深く脳みそに刻み込んだ。
それなのに・・・
なぜーーーーーーーー




