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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
六月 梅雨だろうがどんどん迷走
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85/102

85 街は今日も平和です

「馬って難しいねぇ~」

「っつか、思いっきり怖がられてなかったか?」

「……違うも~ん!」

 タラッド‐タドだ。

 一晩泊めてもらった後、馬に乗るのを教えてもらった。

 ……全く動いてくれなかったという……。まぁ、なんだ。悲しい結末? が待ってた。

 動いてくれたっちゃ、動いてくれたんだぜ? 大暴れとも言う。危うく振り落とされるところだった。主にヒアが。

 昼飯までごちそうになった後、街の入口まで馬車に乗せてもらった。いい人達だった。

 ……ニールはともかく。

「あっ」

「ヒア? どしたんだよ」

「学校~……」

「げっ」

 きれいさっぱり忘れてた。今、日本は何月の何日? まさか年まで違ったりしてねぇよな……? 浦島太郎みたいになるのはごめんだぜ、俺。

「気にすんな、時間の流れはほとんど同じだ」

『……ほとんど……』

 それって、いくらか違うって事だよな?

「こっちでの三日は、向こうの四日。それくらいの違いしかない」

 いや、丸一日ずれてるよな。一日につき八時間のズレが生じてるよな。

「帰ったらちゃんとノート見せて貰えよ」

 笑いごとか? 俺が家庭学習一切しない、ってかできないの知ってんだろうが。……威張れることじゃねぇけど。威張ってる気はねぇからな。

「あぁっ! ラオマネット様!」

 ……荒くれ野郎の呼び方が『さん』から『様』に変わってるし。何があったんだ、昨日の夜から今朝にかけて。

『お帰りなさい!』

 なんて息がそろってるんだ。相変わらず。お前等もう兵隊なれよ。軍隊作れよ。滅茶苦茶息揃ってるから。

「ただいま~!」

 ヒアが高い高いされた。それを見て通りすがりの女の人が顔を強張らせ、『シェリフ!』と、保安官を呼ぶ声が聞こえ……。え、保安官呼んじゃった?

「コラッ! 何をしている!」

「見てわかんねぇか、ヒルデガート様に高い高いを……」

 いかつい男が『高い高い』とか言うのって、何かシュールだな。

「何っ! 他界他界!?」

 ……シェリーフ。何かすげぇ間違い起こしてねぇ? 発音が死ぬ方のになってたんだけど。

「ヘクター、コイツ等は遊んでやってくれてるだけだから。気にしないでくれ」

「そう、か? これから何かしでかすんじゃ…………うん? 何故俺の名を」

 アンタ気付くの遅い。

「覚えてないか」

「もしや……ダニドス!」

「誰がだ。ジャイズンだ、ジャイズン。文字数すら合ってねぇぞ」

 ヘクター……。奥さんのシャロンは覚えてたのにな、ジンの事。

「いや、すまない。今指名手配中なんだ。デイビス・ダードン」

 名前思い切り変わってね?

「……コイツだ。見てないか?」

 指名手配のポスターに描かれてる男の人。その下には『ゼパニヤ・グリーン』

「一文字も合ってないじゃん」

 シルのジト目でヘクターはそっぽを向いた。拗ねんなよ、いい年したおっさんだろ。いや、まだ見た目若いけど。凛さんと父さんとに比べたら十分若いけど、さ。俺等から見たらやっぱりおっさんだ。

「で、コイツを探していると」

「あぁ。このあたりの荒くれ者のボスだ」

 あの弱い奴。

「心当たりはないか?」

「ある」

「すごくある」

「滅茶苦茶ある」

「困るほどにある~」

「何っ!?」

 いや、だって、なぁ?

『今、アンタの目の前に』

 ヒルデガートを高い高いしてる、あのデカい奴。

 どっからどう見ても、そこに描かれてるゼパニヤだ。

「なっ!? お前か!」

 大丈夫か、この保安官。

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