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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
五月 GWにもレッツ迷走
42/102

42 ドッジボールで一人が狙われることってあるよね

 右から一球、左から一球、前から一球。

 ……どうしろと?

 岳だ。

 男子の体育の先生が出張だからって、体育の時間がドッジボールになった。今は三組対四組。

 やったー。と、喜んでたのは最初だけで、俺ばっかり狙ってくるのがそろそろ鬱陶しくなってきた。

 とりあえず……どうするかな。前に出て、前から飛んできたのは何とか取った。左右から飛んできた奴は……声を聴いた感じでは誰かに当たったな。

 取ったボールはコートの右より仁居た男子に投げる。取られる。投げられる。取る。

 実はこのやり取り、始まったころからずっとやってたりする。

 ちなみに相手は修也。

「修也、いい加減俺ばっか狙うのやめろよ! 他狙え、他!」

 って言いながら、俺が投げる。

「お前もおればっか狙ってんじゃねぇよ!」

 修也が投げる。

「狙ってねぇ! そこの塊狙ってんのに、当たんねぇんだよ!」

 俺は、女子が固まっててそこにボールが行けば確実に一人は当てられるところを狙って投げる。でも修也が取る。一歩も動かずに。

『ノーコン!?』

 皆でハモる必要なくね!? 先生まで!

「い、以外……」

「……ダーツはそれなりにできるからな、言っとくけど」

 呟いた女子を一瞥。その女子が口抑えた。聞こえないと思ってたのか?

 投げられたボールを取る、投げる。

「わっ!」

 よっしゃ。修也のすぐ側に居た男子に当たった。最初っから修也を狙えば良かったんだ。

「えい!」

 うわ、あの大柄な女子が投げてきたボールけっこう速ぇ。

 俺は狙われてなかったけど、無意識にボールから遠のくように動いたら、後ろから飛んできたボールが目の前をかすめた。

 …………っわ。っわ!? 奇跡的だな今の!

「チッ! もう少しだったのに!」

 そう言ったのはさっき俺が当てた男子。……復讐かよ。

汰一たいち!」

 今度は修也が俺を狙って投げる、そのまま避けたら今度は汰一とか言う、俺が当てた男子が取って、投げる。

 勘弁しろよ……。

 修也が投げたら、さらに斜めからあの大柄女子も投げてきて、もう一球は……? あぁ、相手の陣地に味方の外野が投げたところだった。

 ボール二個を何とか避けて、こっちの陣地で跳ねたの一個を拾う。投げる、避けられて味方の外野が取る。

 後ろから一個、前から二個が同時に投げられた。……全部俺に向けて。

 ぶっちゃけコレ叩き落としたいんだけど。駄目だよなー……。それしたらアウトだよなー……。蹴り落とすのも駄目かー……。

「頑張れー、岳ー!」

 真っ先に外野に出た俊が叫ぶ。

「応援はいいから戻って来いよテメェ!」

 外野から来たボール一個を取って、投げながら怒鳴った。

「ボールが回ってこねーんだからしょーがねーだろー」

 外野多っ!? こっちの陣地の中少なっ!?

 ……ってか、内野、俺しか居なくね!?

「四組弱ぇえええ!?」

 危ね、叫んでる間に当てられるトコだった。

『何を今更ー!』

 四組外野の声と共に、三組内野からボールが一つ。避けて、怒鳴る。

「開き直んなテメェ等! 戻れよ! 投げんの上手い奴にボール回せ!」

『三組強ぇえええ!』

「開き直んのをやめろっつってんじゃねぇんだよ! 後半聞いてたか!?」

『投げるの上手い人手ぇ上げて!』

 ……そんなんで上げる奴、居るか?

 とりあえず取ったボールを外野に回した。……あ。ボールが偶然誰も居なかった所に。悪ぃ。

「じゃあ俺投げる」

 俊が名乗り出て、投げた。……って、こっちも後ろから投げられてた!? 危ねっ。

 何とか避けた先にまた前からボール。取って投げる。

 二人が三組の内野から出て行った。

「復活なう。でも俺、避けんの苦手だからそこよろしく」

 俊がそんな事言ってる間に、修也のボールが俊の腕に。

「おーい、次は投げるの旨くて避けるのも上手いヤツにボール回せよー!」

「えぇ!?」

『イエッサー!』

 俺上官?

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