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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
四月 入学したらさあ迷走
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35/102

35 ダーツの針にはお気を付け下さい

 10点と、50点と、2×3が6点で合計66点。……もう一回。

「あれ、何コレ。何の紙?」

 岳だ。

 リビングでダーツをしてる。向こうのテーブルでは、姉ちゃんが何かの紙を見つけたらしい。

「あぁ、入部届? 岳、何部入るの?」

 パッと取って、見てみたらしい。…………俺、もう入部届は出したぞ。昨日提出だから。

「へぇっ? 岳、野球部入んの? 意外。明日は雪? あられ? それともひょう?」

 どんだけ珍しいって言いてぇんだよ。自分でも思うけどな。翔に誘われて、体験どころか見学すら行かずに入った。

「姉ちゃん、その紙よく見ろよ。上の方」

「上の方? …………あれ、これ入部届じゃないじゃん」

 そうだよ。もうとっくに入った後だ。

「退部届じゃん! え、もう退部すんの!? 早っ!? いつ入ったの!?」

「今日入部届提出した」

「早ぁ!? なんで入ったの!?」

「翔に誘われて、断んのがめんどくさくなるほどしっつこかったから」

「……ちなみに、どれくらいしつこく言って来た? 時間で」

「3分から5分くらい?」

「…………あの兄にしてこの弟」

 姉ちゃんだって兄ちゃんの妹だろ。

 ダーツの点数は……っと、3点、20×3が60点、50点で113か。うん、それなりに狙ったところには行ったな。3点はともかく。

「ねー、なんでそんな早くやめんの?」

「周りが坊主だらけで怖かった」

 絶対やれって言われるだろ。絶対嫌だ。女々しいのなんのと言われようが嫌だ。

「なんて正直」

「あと、ルールがややこしいだろ、金かかるだろ、ランニングとか絶対ごめんだろ」

「正直すぎない!?」

「もっと言っちゃえば、着替えるトコからめんどくせぇ」

「…………」

 黙って目ぇ逸らしたところ見ると、姉ちゃんも似たような理由で帰宅部やってたらしいな……。

「そーだね」

「な」

 何だこのダメ姉弟っぽい会話。

 点数は……、18点に20×2の40点で、1×3の3点、合計は5……じゃなくて、61点。……最低得点。狙ったトコから少し右にそれただけだってのに。

「ただいま~」

 あ、光が帰って来たな。はーちゃんかみーちゃんの家にでも行ってたんだろ。

「あ~、お兄ちゃん、ダーツやってる~。やらせてやらせて~」

「ん」

 赤と黒の3本のダーツを光に渡してやる。

「最高得点は~?」

「113」

「よ~し」

 トン、トン、トン、って音を立ててダーツが刺さる。磁石のダーツもあるけど、今は針のダーツの方使ってんだ。こっちの方が『外しちゃいけない』って気分になるからな。

 そんな気分になっといて、姉ちゃんと会話しながらやってたけど。

「何点~?」

 18×3で……24+30だから54点と、ド真中の100点……かと思ったら少しずれてるから50点、3×3で9点。54+50+9点で……。

「113だな」

「うぅ~。20点の3倍になる所狙ったのに~」

 少しずれるだけで60点の筈が9点に。

「あ、何かあたしもやりたくなってきた」

「外しちゃだめだよ~?」

「……大丈夫大丈夫」

 始めの間は何だよ!?

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