24 オカルト部だよー
「きりーつ、れーい」
さよーなら。
「失礼しまーす。あ、マイケル先生、高山岳くんて居ますかー」
ん? 俺? 誰が入ってきたんだ。人でよく見えねぇ。
岳だ。
終礼が終わった瞬間、待ち構えてたかのように誰かが入って来た。男子っぽいけど……。とにかく行ってみるか。
「高山くーん、高山……」
や、行ってるから。なんで教室の後ろの方見てんだ。俺はたった今教卓の前通りすぎたぞ? ……これぞ『灯台元暗し』
あの人、上靴のゴムの色が黄色だから二年生か。
「あ! 居た居た! 岳だよな! 純吉先輩としののん先輩の弟の!」
……じゅんきち? しののん? 兄ちゃんと姉ちゃんのあだ名か?
「そうですけど? どちら様」
「似てるー!」
「答えろよ!」
「先輩には敬語だろー?」
「使ってますけど?」
突っ込みはともかく……なに胸張って見下ろしてんだ。いや、身長的に見下ろすしかねぇだろうけど。
「まあとにかく!」
無かったことにした……。
「えっちゃん先輩とマコちゃん先輩も待ってるぜ!」
「へぇ、なんでですか?」
「わーかーれーよー!」
いや、この流れで分かったらすごくね?
「オカルト部だよっ! 入るだろ?」
「入りません」
そんな部活もねぇだろ!
姉ちゃんから聞いてるぜ。『ただのオカルトオタクの集団』だって。
兄ちゃんからも聞いてるぜ。『関わると滅茶苦茶めんどくせぇ』って。
「そーだろそーだろ! さあ行こう」
「聞けよ!」
聞く気無しか!? 確かにめんどくせぇ!
「なんだ? 何か文句あんのかよ」
「ありまくりに決まってんじゃないですか!」
「えぇ!?」
驚くとこか!?
「な、何に文句あるんだよ!?」
「さっきのやり取り思い出して下さい。俺一回でも、ちらりとでも、入りたいなんて言いましたか!」
「言った」
「嘘吐け!」
勝手に記憶改造してんじゃねぇよ!
「でもま、なんだかんだで入ってくれるのが岳だよな!」
「アンタは俺の何を知ってるんですか!」
肩に置かれた手を払った。そしたら、なんか急に手を押さえて……
「痛っ! 骨折だぞ! 治療費の代わりに入部しろやコラァ!」
あたり屋、入部しろバージョン?
「……お前は何をやっているんだ」
あ、助けが来た! 上靴のゴムの色からして三年生だな。しかも二人!
「マコちゃん先輩!」
「はぁ……」
なんか諦めっぽい溜息吐いたけど、マコちゃん先輩。マコちゃんってあだ名嫌なのか?
マコちゃん先輩と一緒に来た女の子の三年生がおどおどしながら、
「ご、ごめんなさい、岳くん……。えっと、入部してくれるんですよね?」
なんか勝手な事言ってきた。
「し、ま、せ、ん! 一回たりとも俺はそんな事言ってません!」
「純吉先輩としののん先輩の弟なのに…………あ、だからですかぁ……」
ふぅーっと滅茶苦茶長い溜息。
……なんか重っ! ここの空気重っ!?
「あぁ! 岳が入ってくれねーから、マコちゃん先輩とえっちゃん先輩から重いオーラが!」
俺関係なくね!? 少なくとも、前者は関係ねぇって言いきれるぞ!
……疲れるなぁ、この人等。




