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2話

ダイヤモンドを散らしたのではないかと勘違いするほど眩い光を放つ巨大なシャンデリア。数十人を超えるメイド・執事たちが並んでも狭くるしく感じない広々としたホール。ホールに続く階段から敷かれたレッドカーペットは塵一つなく、静かに鎮座していた。


「ルシアン。ここが今日からお前が暮らす家だ」

「………は」


言葉が出てこない。扉が開き数十の使用人たちに迎え入れられた時点でルシアンは既にキャパオーバーだった。しかし、それを悠々と乗り越えてくる言葉。

今、この男は何と言った?


「…嬉しくないのか?」

「…う、ぅ、うう、うれし、い…です」


あんぐりと口を開けてレガリア公爵を見上げてみれば、そこにいたのは眉を下げた弱々しく、子どもが親に強請るような声を漏らす青年だった。馬車で揺られていた最中の様子からは考えられない。まるでそこにいるのがただの人間であるような姿から、言葉に詰まる。

…なぜか、期待されている。訳が分からない。

それでも公爵相手に否定することなど出来ず、普段は自分に利の無い嘘を吐くことのない口も今日だけは仕事をするようだ。


「レガリア様、既に湯の準備はできています」

「ああ。…そうだな。ロゼは?」

「ここにいます!」


今だ現実を受け止めきれず唖然としていたルシアンの耳に、パタパタと駆ける音が届く。顔を上げてみれば、二階に繋がる階段から駆け下りる女が一人。桃色の髪の毛に、桃色の瞳。赤髪の青年と同じ、建国神話に纏わる色を持つ珍しい女だった。赤髪の男同様、桃色の髪の女もまた見た目麗しい。

ロゼ、というらしい。名前まで可憐なんて、さぞかし愛されて育てられてきたのだろう。…なんだか引け目を感じて、ぐっと拳を握る。

しかし、そんなルシアンの内心など知らず。ぐいと抱き寄せるように肩を掴む手のひらのせいで、身体が揺れる。困惑で目を丸くしレガリア公爵を見上げれば、公爵はこちらに視線を向けるとふっと息を吐いた。


「ロゼ。これがこれからしばらくの間、仕える主人だ。…ルシアン」

「あ…えっと…ルシアン・アッシュフォード、です。その、レガリア公爵…主人って…」

「あら、説明なさってないんですか?」

「…時間がなかった」

「何を仰るんですか。ずっとルシアン様を眺めていらっしゃったでしょう」

「その口を縫い付けるぞ。…ったく…もういいだろ、さっさと挨拶を済ませろ」

「…もう…ご紹介にあずかりました、レガリア様の側近の一人、ロゼと申します。ロゼと呼んでくださいね」


肩を抱かれている違和感で困惑しつつ、ロゼと呼ばれた女に名を名乗る。ただ、ルシアンにとって重要なのは自己紹介でいい印象を残すことでもなかった。

―――しばらくの間、仕える主人。

そんな言葉、見過ごせる訳がなく。何を言っているんだと困惑で頭に疑問符を浮かべる中、正式に女から優雅なカーテシーと共に自己紹介を預かる。親し気な様子通り、どうやらレガリア公爵の側近らしい。

と、いうことは赤髪の男もやはり。そう思いちらりと視線を向ければ、どうやら見つめられていたようだ。ぱちりと視線が合い、思わず肩を跳ねさせる。

そうすると、赤髪の男はにこりと綺麗な作り笑みを浮かべた。


「レガリア様、どうか私にもルシアン様に自己紹介する栄誉をいただけませんか?」

「…ああ、そういえばまだだったな。好きにしろ」

「では…レガリア様の側近の一人、ヴァレンテと申します。レガリア様とは関わる機会が多いですから、ルシアン様と顔を合わせることも多いでしょう。どうかお見知りおきを」

「…よ、よろしくお願いします」


ヴァレンテ―――そう名乗った赤髪の男は、頭を下げると胸に手を当て一礼する。

公爵家当主の側近となれば見下されてもおかしくないが、どうやらこの場では礼儀を持って接してくれるようだ。

顔を合わせることも多くなる…その言葉の意味も理解できないまま、どうやらこの場を離れることになるようだ。

ただ、それも妥当だろう。ふと、視線を落とした時、泥まみれになった革靴が目に入った。当然靴下も泥を吸い汚れてしまっており、ズボンも薄汚い。

目の前の彼らが眩しく感じるほど、今のルシアンは小汚い少年でしかなかったから。

きっと、こんな姿を母親に見られていれば鞭打ちの罰があっただろう。鞭で打たれて喜ぶ性格はしていない。レガリア公爵の屋敷に連れてこられた理由は未だ分からないが、しかし、鞭打ちから逃れることができたという意味では幸運だったのかもしれない。


「話は済んだか?ならロゼ、案内を頼む」

「はい!ルシアン様、ここからはレガリア様に代わって私が案内させていただきますね」

「あ…はい。お願いします」


まあ、とりあえず。こんな汚い見た目で過ごし続ければ、レガリア公爵に恥をかかせることにもなる。今はお互いの為、この場を立ち去るのが先決だろう。




性別がバレるといけない。ロゼには外で控えるよう頼むと、身体を流すだけ流すことにした。息を吐く暇もなく風呂から上がり、用意されていた服に腕を通す。


「…サイズピッタリ」


あの男―――レガリア公爵と知り合ってから、不思議なことはいくつもあった。家紋が刻まれた宝石は母親が父親から受け取ったという家宝の一つだ。それをなぜあの男が持っているのか分からない。

それに、この服だって。どうしてレガリア公爵は服のサイズを知っている?まるで、身長を測ったような具合だ。


「…オレの身長が低いことって、そんな有名なのかよ」


ルシアンは本来女。当然男の振りをしようとガタイは誤魔化すことができず、身長は男と比べると低い方だ。

そのような陰口は聞いたことがないが、実際はあったのだろうか。

姿鏡を前に、ジッと自分を見つめる。

染められた黒の髪に、切れ目から覗く灰色の瞳。ヴァレンテのような麗しい見た目でもなければ、ロゼのような愛らしい見た目でもない。それでいえば、一番似ているのはレガリア公爵だろうか。あの男も、切れ目から灰色の瞳が覗いていたから。


「…嫌じゃ、なかったけど」


建国神話が由来して灰色は恐れられる色だと言うのに、ルシアンは好感を持っていた。どうしてだろうか。実はホールで気になることがあったのだ。

シャンデリアに照らされたレガリア公爵の瞳。その色が、まるで虹色のように煌めいて見えたのだ。

…疲れてそう見えただけだろう。息を吐き、胸元を直す。そして扉の方へ振り向くと、歩みを進めた。


どうやらレガリア公爵は最初から話をするつもりでいたらしい。扉の前で待ってくれていたロゼと合流すると、ロゼは部屋に案内することはなく、代わりにレガリア公爵の執務室に案内した。


「レガリア様、ロゼです」

「入れ」


案内してくれていたロゼが扉をノックすると、数秒も待たず返事が帰ってくる。

ロゼはその声を聞くと、こちらに視線を向けた。優しく微笑み、瞳は温かさを感じる。

唇が開く。なにかにかき消されたような小さな声だったが、たしかに一言、「大丈夫だよ」と言った気がした。


「よく来たな。身体は休められたか?」

「…はい、ありがとうございます」


ロゼが開けてくれた扉の中に一歩踏み出すと、書類の山に囲まれたレガリア公爵、そしてその傍で机に腰掛けるヴァレンテがいた。公爵家は側近にも机を与えるのか、ヴァレンテの机にも書類が積み重なっている。

レガリア公爵は顔をあげるとふ、と口元を緩めた。まただ、と思う。理由が分からない好意を向けられるのは、これで二度目だ。


「ロゼ」

「はい、紅茶と…軽食も用意してきますね」

「ああ、頼む」


ロゼに促され、部屋の傍に置かれたソファに腰掛ける。どうやらレガリア公爵も話したいことがあるらしい。腰を上げると、ロゼに一声かけた。

かつ、かつ、革靴の音が何度か響いた後、眼前にレガリア公爵が腰掛ける。改めて考えても、よく分からない状況だった。昨日まで他人だったはずのレガリア公爵とこうやって向かい合っているなんて。


「…まずは俺にとって一番大事な確認をしたいんだが…」

「はあ…」

「どこまで覚えてる?××」


思わず、目を見開く。途中からレガリア公爵の声にノイズの音が走ったような気がしたのだ。ガサガサと何かをかき消すような音。まるで、自分は知ってはいけないような…そんな、不快感。


「…すみません、今、なんて…」

「だから、どこまで覚えているかって…」

「…違います、その後です。なんでか、ノイズがかったみたいに聞こえて…」


流石に見過ごすこともできず口を開く。すると、今度は公爵がルシアンの言葉に目を見開く番だった。

困惑したように額に汗を浮かべながら、ジッとルシアンを見つめる。そうして数秒経っただろうか。視線が逸れたのは、「ヴァレンテ」と低い声でレガリア公爵が名前を呼んだからだった。


「どういうことだ?そんな報告聞いてないぞ」

「…オレも予想外です。××、キミは記憶がないのか?」

「は?…いや、だからなんの話ですか」


また、だ。今度はヴァレンテの声がノイズのようにかき乱される。意味がわからず眉間に皺を寄せながら、立ち上がってレガリア公爵の傍にやってきたヴァレンテに視線を向けた。

そもそも質問もおかしかった。覚えているとか、記憶がないのかとか。そんな聞き方、まるで何かレガリア公爵たちと交流があったみたいな言い方じゃないか。


「おい、どういうことだ?」

「…すみません、オレも混乱しています。…××…いや、ルシアン様、ノイズがかった声…そう仰いましたね」

「はい」

「このノイズを今初めて知ったんですか?…そして、オレたちが覚えているかと聞いても答えることはないと?」

「……はい、申し訳ないですが初対面、ですよね?」


ノイズを初めて知った―――まるでノイズに心当たりがあるような言い方だった。それに記憶についても。

普通の貴族であれば、嘘でも吐いてこの男たちと親しくなろうとするのかもしれない。しかし、ルシアンは二人に妙な居心地の悪さを感じていた。できれば、早くここから立ち去りたいと思うくらい。

だから、素直に答えることにした。ルシアンは本当にレガリア公爵なんて知らないし、その側近のことも知らないから。


「…なんで、××だけ記憶がないんだよ…」

「そう気を落とさないでください。…目の前にいる相手が××なのは確定しているじゃないですか」

「そうだけどよォ…」

「…とりあえず…それなら、先にこの世界の話だけしましょう。申し訳ありません、レガリア様は消沈していらっしゃるので私が代わりに説明をしても?」

「あ…お願いします」


相変わらずノイズがかったような声だが、恐らく自分だけ記憶がないことを憂えている…らしい。自分だけ、というのもよく分からないが、恐らく先程の口振りからしてヴァレンテは何かしらの記憶を持っている内の一人なんだろう。

この世界という言い方も引っかかるが、今自分に必要なのは情報だ。少しでも知りたいと首を縦に振ると、ヴァレンテは口を開いた。


「まず…今回あなたに来ていただいたのは、他でもないあなたのお母様との契約を執行する為です」

「…母が何か行ったと?」

「はい。失礼ですが…ルシアン様、あなたは正妻の方が妊娠されたことはご存知でしょうか?」

「はっ…!?」


思わず眉をあげる。母親が依頼した相手がクロマ・ドミナなのか、ディ・ノクティス公爵家かは分からない。ただ確かなことは、母親がまたなにかやらかしたということだ。

ただ、そんな呆れもすぐに消える。正妻が妊娠した、なんて聞いたことがない情報だった。慌ててヴァレンテを見返すが、嘘を吐いているようには見えない。なら。


「…その様子だとご存知なかったのですね。あなたのお母様との契約はこうです。

―――『息子の地位が安定するまで預かってくれ』。

…賢いあなたなら意味はお分かりでしょう」


ヴァレンテの言葉に唾を飲む。地位が安定するまで。それは腹の子の性別がわかってやっと安定するだろう。

しかし、自分を後継者にする為になんでもしてきた母がそれを待つと思えない。ならば、きっと、その言葉の真意はこうだ。

―――正妻の腹の子を殺すまで安全な場所に匿ってくれ。

想像して思わず口を抑える。自分が生きている世界が苛烈であることは分かっていた。それでも、受け入れられなかったのだ。自分の母親が自分の為に人殺しまでする神経が。


「大丈夫か。顔色が悪いぞ」

「…申し訳ありません、大丈夫です」

「…本当に無理しないで欲しいだけなんだけどな。…念の為言っておくが…今回の件はディ・ノクティス公爵家とアッシュフォード伯爵家が秘密裏に結んだ契約だ。お前を預かっていることは伝令に伝えさせている」

「一つ、質問してもいいでしょうか」

「なんだ?」

「ディ・ノクティス公爵家が母親に手を貸してくれる理由はなんでしょうか。オレが後継者になろうとなかろうと、構わないでしょう」


不躾な質問であることはわかっていた。それでも先程の反応を見る限り、何故か二人は自分に好意的だ。ならば少し踏み込んだ質問をしてもいいだろう―――そう思って口を開いたが、どうやら悪手だったかもしれない。

レガリア公爵の眉が上がり、瞳が細められる。もしや、地雷だっただろうか。折角身体を流したのに背中に冷や汗を垂らしていた時だ。ノックの音が響いたのは。


「お茶と食事の準備が出来ました…って、あれ?何かありました?」

「…はあ…」

「タイミングが良いのか悪いのか分かりませんね」

「まあ、丁度いいか。軽く食べながら話そう」



パンを薄く切り、間に食材を挟んだ妙な食べ物。ロゼが持ってきた軽食は、どうやら『さんどいっち』というらしい。レガリア公爵もヴァレンテも見知った様子で、驚くことに手づかみで口に運んだ。

思わず、茫然とする。貴族の世界はマナーにうるさいし、例えそれが軽食であったとしても、手づかみで食事を食べるなど蛮族の食べ方だと糾弾されるだろう。


「…そうか。記憶がないのであれば驚いてもおかしくないですね」

「ん?どういう――ああ…説明しておけばよかったな。ロゼ、カトラリーなんて持ってきてないだろ?」

「ええと…はい。いつも通り食べると思ったので…」

「だろうな。…ルシアン、これはさっき俺たちが口に運んだように、手で掴んで食べるものだ。礼儀も今は気にしないでいい」

「はあ…」


カトラリーがないとは、本当に手づかみで食べる前提で作られたものらしい。はあ、と息を吐き首筋を掻く。無礼講とはいうが、手づかみで食べるなんてそもそも体験したことがない。

上手く食べられるだろうか―――手を伸ばし、パンを掴む。中から覗く具材はレタス、トマト、ハムと軽食にしては豪勢だった。

そこで感じる違和感があった。両手で掴んだ時、口に運ぶ方法を知っている気がしたのだ。いや、違う。この食べ物を知っているような気がしたのだ。

かぶりつき、咀嚼する。頬一杯に収まるさんどいっちは瑞々しく美味しい。それこそ、家で出されるようなスープに浸さないと食べられないような硬いパンの何倍も。


「…美味いか?」

「……美味しい、です。すごく…」


顔を上げれば、レガリア公爵が微笑みを携えてこちらを見つめていた。慈しむような、そんな瞳。自分に向けるのは間違っているはずなのに、どうしてかその瞳に違和感を持つことはできなかった。

ごくりと飲み込み、素直に感想を零す。料理を食べて胸が熱くなったのは初めてだった。


食事を済ませた後のことだ。ロゼもソファに腰掛けると、レガリア公爵が口を開く。


「ルシアン、お前は母親から自分の家族について聞いてないのか」

「…家族?聞いていませんが…」

「そう、か。…お前には、年の離れた兄がいる。ただ、既に亡くなっているがな」

「なっ…!いや、でも…」


家族。それも年の離れた兄の存在など、初めて聞くものだった。しかも亡くなっているなんて、聞いたことがない。

確かにルシアンはアッシュフォード伯爵家でも立場がいいとは言えない。必要な時以外は屋敷の隅の部屋に閉じ込められているし、社交に出る必要があっても屋敷を自由に歩き回ることはできないのだ。

だからこそ、嘘だと言い切ることはできなかった。屋敷全体のタブーになっているのであれば、それを教えてくれる味方は自分にはいないから。


「…兄は、何故死んだのですか」

「俺のせいだ」

「っ、は?」

「昔、俺がお前くらいの背丈だった頃…街中に出たところを、襲われた。お前の兄は偶然立ち会った通りすがりでしかなかったが…すぐに俺の正体を見抜くと手を貸してくれたんだ。ただ、俺が油断したせいで…」

「…そう、ですか」


契約を結んでくれた理由が分かった。見知らぬ兄は命を懸けて、公爵の命を救ったのだ。そうか、と思う。兄の判断は間違っていなかったはずだ。

公爵家に恩を売って損はしない。生きて帰れば、の話だが、どちらにせよ今回母親にとっては役立ったに違いない。

…もちろん、残念じゃない訳じゃない。兄がいればきっと後継者は兄であっただろうし、自分が男装する必要もなかったはずだ。ただ、母親の執着がなくなるとは思わない。結局自分は兄が生きていれば政略結婚の駒にされていただろうし、自分の人生などなかっただろう。


「…俺が恨めしいか」

「いや…そんなことは。お陰で今、お世話になっているんです。何も言える立場ではないので」

「…そんなことないんだけどな…」


目を伏せたレガリア公爵を見て、どうやら随分と後悔を抱かせているのだと気づく。まあ、それもそうだろう。伯爵家の愛人の息子が死んだところで、公爵家には本来ほとんど影響を持たない。契約なんて結ぶ必要だってなかったはずだ。

それなのに、レガリア公爵は母親と契約を結んだ。きっと、それは後悔があったからこそだ。

ふう、とヴァレンテが息を吐く。ちらりと視線を向けると、眉を下げてこちらを見つめていた。


「主人が失礼いたしました。もう夜も遅い、今夜はお休みになられますか?」

「あ…いいんですか」

「ええ。…ですが、その前に一つ我々の間で約束事をしたいのです」

「約束?」

「―――どうか、レガリア様、そして我々レガリア様の側近には敬語など使わないでください。礼儀も気にしないで結構です」

「…それも、記憶とやらが関係しているんですか」

「はい。どうかお許しいただけませんか?」


一瞬、何を言っているか分からなかった。敬語を使わなくていいなんて、家族間でも中々ない光景だ。それでもヴァレンテは敬語を使わないでいいと言った。

…記憶があれば、何かわかったんだろうか。拳を握り、息を吐く。分からないことばかりだが、しばらく滞在するのであれば親しくなったフリをして損はない。


「わかりま…わかった。普段通り過ごせばいいんだろ」

「ええ。では、ロゼ。寝室へ案内してください」

「はいっ!じゃあ行きましょうか、ルシアン様」


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