俺の心は……盗まれた!?新しい俺の降臨
投稿遅れてすみません。一話前の最後の部分、少しだけ削除しました。消しただけで、何も足していないので、このまま読み続けていただいて問題ありません。お気に入り、ありがとうございます。これからは週3でこれを、週2でもう一つのを投稿していこうと思っています。もう一つの方もよろしくお願いします。感想、心からお待ちしています。
「は、ふぁ~」
俺は大きく口を開け、欠伸をした。現実に戻ったか?辺りを見渡すが、そこは俺の知らない場所。何だ……まだゲームの中か。それにしても、俺の寝ていたベッドは硬いな……まるで板の上に寝ているようだった。
「ノゾムにいさん、起きた~!」
先ほどまで聞いていたマリーの声だ。マリーと一緒におばさんシスターがやってきた。先ほどまで俺を襲っていた生意気坊主もやって来た。おばさんシスターは生意気坊主の頭に手を置き、俺にお辞儀をした。
「マリーを助けてもらったのに、襲い掛かるなんてとんでもない迷惑を掛けてすみません。ほら、ジョーも!」
「チェ、悪かったよ」
「別に平気ですよ。女子を守るのが男子の役目。仲間を守るために年上の者に立ち向かう度胸は凄いですよ。まあ、もう少し様子を見てから行動に出たほうが良いとは思いますが」
「だってよ、シスばー。デブ兄、あんたは女子に守られないようにしろよ」
おばさんシスター、いや……シスばー(シスターばーさん)はすぐに謝った。俺もジョーと言う生意気ヤロウを睨んだ。部屋から出て行くとき、ジョーは俺の耳元で「マリーを助けてくれてありがとうな」と呟いた。……全く、素直になれよ。
ジョーと入れ替わりで、綺麗な美女シスターさんが食べ物を持って部屋に入ってきた。
「お気付きになりましたか。今回はマリーを助けて頂きありがとうございました。よろしければ、温かいスープでもどうぞ」
「ありがとうございます」
爆乳ではないが、巨乳が左右に揺れながら俺の前に近寄る。キュッとした足と腕にブロンドの髪+巨乳……俺が望んでいたヒロインだ!歳は俺と同じぐらいかな?美女シスターさんから、スープを受け取る。
「ありがとうございます。その……」
「失礼しました。私はテレシアと申します。」
「あっ、俺は村方望です。ノゾムと呼んでください。助けていただいたあげく、スープまでも頂けるなんて……ありがとうございます」
「いえ、人を助けるのが私の役目ですから」
おまけに性格も良い!これは俺のヒロイン決定だ!テレシアさんの魅力に釘付けでマリーの声が耳に入らなかった。どうやら「お外で一緒に遊ぼう」と言っていたらしい。
「もう、ノゾムにいさん。テレシアお姉ちゃんのことばっかり見て!私を無視しないでよ」
「いや、別に。そんなつもりじゃ……ごめん」
テレシアさんは微笑みながら、「ノゾム様も疲れているんだから、仕方ないでしょう」と告げ、マリーはお友達と外に遊びに行った。
「ごめんなさい。疲れていらっしゃるのに」
「いえ、俺もテレシアさんの魅力に惹かれていましたから。」
「えぇ?今、何て?」
テレシアさんは顔を赤くして俺に聞いた。俺もこういう言葉をリアルで言ったのは初めてなので、頬の辺りが暑い。
「何でもないです」
「ノゾム様だなんて……ノゾムで良いですよ」
「本当に良いのですか?家族の名前を持つと言うことは、かなりのお偉いさんではないのですか?」
なるほど。だから、テレシアさんは自分の苗字を告げなかったのか。それなら俺苗字を告げない方が良いか。
「気にしないでください。見た目通りの駄目なデブですから」
「そんな!マリーを魔術師と筋肉男から助けだしたのですから、そんな駄目人間なんて言わないでください!」
デブは否定しないのね……。僕ちゃん、悲しい。でも、こんな俺にそんな優しい言葉を掛けてくれるなんて、なんてテレシアさんは優しいんだ。
「まあ、とにかく俺に様付けは要らないから」
「それでは、ノゾムさんでよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。ありがとう」
微妙な空気の中、俺はスープを飲み始めた。……味が薄い。これは不味いぞ。ドロっとしていて、腹持ちは良さそうだが、不味い。そんな中、俺はある視線を感じた。視線のほうを見ると、よだれを垂らした女の子が……どうやら俺のスープが欲しいらしい。俺がその子のほうを見ていると、その子の腹の虫が鳴った。これはあげるしかないよな?
「このスープいる?」
10歳にもなっていない女の子は頷くがスープを受け取らず、テレシアさんに許可をもらえるか見ている。
「ノゾムさん、よろしいのですか?」
「ははは……こんな女の子に見つめられたら、あげない訳いけませんからね」
テレシアさんは「大事にして飲むのよ」と告げ、スープを女の子に渡した。女の子は嬉しそうにスープを受け取り、スープをおいしそうに飲んだ。あれってそんなに美味しいか?子供が好む味なのかな?
「ノゾムさんはお優しいのですね」
「あんなに嬉しい顔をして飲んでくれるのなら、幸せですよ。ところで、失礼かもしれませんが……ここの孤児院の子供たちは普通の子供たちと比べ痩せている子が多い気がするのですが」
テレシアさんは急に悲しい表情を浮かべ語り始めた。
「見ての通り、ここは立派な孤児院ではありません。国からお金なんて貰えないし、今私たちにあるのは優しい方から頂いた食べ物や少ないお金で買った品々です。故に子供たちに健康の良いものをそこまで与えることが出来ないのです」
「そんなぁ。そんな所でテレシアさんやもう一人のシスターさんは何故働いているのですか?」
「元々、私はここの孤児院で育ちました。その時は仲間がたくさん居て、子供たちを救うのにお金が必要なため冒険者や国家公務員になった仲間が居ました。しかし魔物に殺されたり、魔王討伐で殺されたり、自分の生活で精一杯で皆、ここの孤児院を離れていきました。体の弱い私は冒険者やきちんとした仕事に就けず、ここで独りぼっちになってしまいました。」
「それで残った子供たちを助けようと?」
「はい。もう一人のシスターの方はパラさんと言い、私が子供の時から居ました。正確なことはよく分かりませんが、昔…罪を犯したようで、責めての罪滅ぼしで死ぬまでここの孤児院の子を守ろうとしています」
「それはすごいですね。それじゃ、二人ともこの孤児院を守っていくのですか?」
「出来るだけそうします。……でも、もう駄目なのかも?」
テレシアさんが悲しく呟いた。いま、もう駄目って!?
「もう駄目ってどういうことですか?」
「あっ、聞こえてしまいましたか。先ほども申した通り、お金が足りなく子供たちの食べ物絶対的に足りないのです。だから皆、バラバラに……」
「バラバラになんてさせない!俺が絶対にそうさせない!」
そう言ったのは俺ではなく、先ほど俺に喧嘩を売ってきた生意気なジョーと言う少年だ。
「絶対に冒険者になって皆においしいご飯を食べさせてあげるんだ!」
「ジョー君、よ~く聞いてね。ジョー君はまだ12歳なのよ。ジョー君が冒険者になるまで何年かかると思っているの?それに一般の冒険者はそんなお金もらえないのよ。皆の分のお金を稼ぐにはすごく強く成らなくちゃいけないし、第一パラおばさんが、許してくれないよ」
ジョーは何か言いたいようだが、結局何も言えず「バラバラなんて嫌だ!」とだけ告げ、また出て行ってしまった。
テレシアさんは未だに悲しい顔をしている。綺麗な顔がもったいない。どうにかして、テレシアさんに笑顔を取り戻してもらいたい。……俺は何故こんな真剣に考えているんだ?
日本では仲の良い奴なんて殆ど居なかったが、そんな奴が大変な目に遭っている時も俺は何もしなかった。そう、ずっとゲームをしていた。俺はいつも現実逃避をしていた。
でも、今の俺はなんでこんなに他人を助けたいと思うのだ?まさか、俺は恋をしているのか……テレシアさんに?
多分、これが俺の人生の変わり目だ。俺は今まで何事からも逃げてきた。本当に情けない。だけど、責めてゲームの中だけでも人の役に立てるようなことがしたい!
こんなデブに普通の女子が好いてくれる事は無い。ダイエットをして、この孤児院を助けよう!これから俺は新しい強い自分になる!
「テレシアさん、俺さ……」
ノゾムが言い出したことは?この孤児院の運命は?感想、心からお待ちしています。




