お姫様の決断
今回は残酷なシーンが入ってきます。苦手な方は飛ばして読んでもらってもかまいません。今回は長かったので、明日はお休みにします。
「ソフィア様、周りを見てまいります」
私がもっとも尊敬するこの護衛の隊長、女騎士のレナは私の横を通り過ぎて行ってしまった。私はレナを含め5人となってしまった。元々10人居た私の女騎士の護衛も半分以下に……。
レナと女騎士の二人が周りの様子を探り始めたから一時間が経った。
「遅いですわね」
「姫様、もう少しお待ちください」
女騎士の一人が私に告げる。しかし、それから3時間しても二人は帰ってこない。私と一緒に残った二人の女騎士も心配して来た。心配から緊迫感が生まれ、私たちの口は開かず、ただ風の音が耳に伝わってきた。そんな時に、私の近くに居た女騎士が告げた。
「レナ隊長の様子を探りに行ったほうが良いですか?」
もう一人の騎士が「私一人だけが姫様の護衛だったら、いざ何かが起こったときに困るわ」と告げる。
「しかし、隊長にもしもの事があったら……」
「レナにそのようなことはありません」
私は口調を強めた。本当は心配で、心配で仕方が無い。しかし、大丈夫である保証は無い。
「そうですよね。でも……」
「姫様、提案があるのですが」
「何でしょう?」
「私たち3人でレナ隊長を探しましょう」
「分かりました」
しかし、もう一人の女騎士が「私たちが探しているときにすれ違いになったら、どうするのですか?」と反論した。もちろん、彼女の言っていることも正しい。しかし、このまま何もしていないだけでは何も変わらない気がした。結局、30分以内に来なかったら探しに行くことにした。しかし、30分しても来なかったので、探しに行った。
「あっちから強い気が感じられます!これはレナ隊長の気です!」
しばらく歩くと、女騎士の一人が希望の言葉を発した。私たちはそこに走り出した。森から抜け、レナの居るところに一直線だ。皆の顔に笑みがこぼれたのだった。
「レナ隊長、遅かったじゃないですか!」
一人の女騎士がレナに近づく。レナの近くにはローブを着た背の低い魔法使いらしき人がいた。私もその女騎士もその魔法使いが視界に入っていなかった。だから、不用意にレナに近づいてしまったのだ。
「近づかないで!」
レナが静かに告げた。
「何を申しているのですか、隊長!心配したのにそんなこと…………グハッ!」
レナは近づいていった女騎士を切りつけた。一瞬何が起こったのか分からなかった。だって、あんなに後輩に優しく、先輩として後輩からあんなに尊敬されていたレナが!レナはその女騎士を残酷なまでに切りつけた。
「やめてぇぇぇぇぇ!」
私は叫んだ。どうして、レナがそん事を。やめて、やめて、やめて。レナの頬には一筋の涙が流れていた。私と近くにいたもう一人の女騎士は即レナから離れた。
「仲間の打ち合いはいつみても良いものだね。なあ、レナ?」
レナの隣に居た魔法使いは強引にレナにキスをした。しかしレナは抵抗することも無く、こんな気持ち悪い男とキスを?そんな!レナは恋人が居たのに。
「レナ!どうしたのよ!しっかりしなさいよ!」
レナは涙を流すだけだった。唯一の生き残った女騎士が魔法使いに対して怒りの言葉を発するのだった。
「あなた、隊長に何をした!許さないぞ!」
「お~怖い声。レナちゃんどうする?やっちゃう?」
レナは号泣しながら女騎士に近づく。レナは腰から剣を抜き、技を唱えようとしてる。
「隊長、どうすれば元通りになるのですか?」
しかし、その時からレナは泣くのをやめ黙ってしまった。そして魔法使いは叫ぶ。
「もう、レナちゃんは僕タンのもの。お前みたいなザコの声なんか聞こえないよ」
「そうですか、隊長。分かりました。その男を倒せばよいのですね」
女騎士は魔法を唱える。それに続いて私も魔法を唱える。
「ウォーターキャノン!」
「ウィザードキャノン!」
私たちの唱えた魔法はマッチしてより一層強くなった。まさにコラボ攻撃だ。しかし、魔法使いのところまで少しと言うところで止められた……レナに。
「全く、レナちゃんを虐めるなんて最低だね。頑張ってくれたレナちゃんには、ご褒美を」
魔法使いはご褒美といって、魔法使いの代わりに傷ついたレナに回復魔法を唱えた。
「それじゃ、反撃だよ!僕タンを楽しませてね、レナちゃん」
レナは女騎士に攻撃する。Aランクのレナにその部下の女騎士が太刀打ちできるわけが無い。女騎士もそれに気づいていたようだ。しかし、先輩であるレナを越えようとしていた。しかし、それは無駄な努力だった。女騎士はレナの顔を見て、戦えていない。それもそのはず、女騎士はレナのことを兄弟のように慕っていた。そんな人を斬れる訳が無い。
「姫様、お逃げください!」
「しかし、あなたが。それにレナも!こんなところで逃げる訳にはいけませんわ」
「そうだよね。優しいお姫様は逃げれないよね。良い子、良い子」
魔法使いはそう述べた。女騎士は気持ち悪い男の声を無視して、私に叫ぶ!
「逃げてください!早く、そして生きてください!」
女騎士は苦戦しながらも、私の顔を見ながら言う。
「うぅ、わかったわ」
後ろに戻ろうと思ったが、体が動かない。
「姫様、立ち止まっていないで速く!」
「分かっているわ。だけど、足が動かないのよ!」
私の目から涙が零れ出した。たかが私のために命を張っているのだ。そう思うと、やはり足が動かない。
「ウォーターキャノン!」
女騎士は私に攻撃してきた。幸いスピードはそこまで出ていなかったので避けることができた。
「何をするの!」
「姫様、これで動けるはずです!あの男に操られたら、本気で魔法を撃つことになるでしょう。お願いです。お逃げください!そして姫様の護衛をした私たち10人の分まで長生きしてください!」
女騎士は彼女のペンダントを投げた。そこには彼女の幼い頃と彼女の家族だろうか?その写真が埋め込まれていた。女騎士の名前はメラニー・コリンズ。
「私の家族のペンダントです。もし姫様が無事に逃げることが出来たら、北ヴェネーボにある私の家族に会うとよいでしょう。きっと、お姫様の味方になってくれるはずです。姫様、行って下さい!」
メラニーのおかげで足が動くようになった。
「そう簡単に逃がしませんよ。お前ら、獲物だぞ!」
私が逃げようとした先に魔物が現れた。魔法使いの気持ち悪い男は魔物を呼び寄せたのだ。この魔物はそこら辺の魔物とは違う。私一人の力では、どうにも出来ないほどの魔物だ。
「姫様はお逃げください!私が魔物の相手をします。姫様、私の親以外にはその正体を知られてはいけません。絶対に生きてください!」
私は必死で走った。死に物狂いで走った。魔物達は私に飛びかかろうとする。魔法を放つが、その魔物たちを倒すことは出来ない。魔物達は一瞬怯んでいたが、すぐに私に飛びかかろうとしていた。もう、全てが終わりだと思っていた。
~キィン~
メラニーが私を庇ってくれた。彼女ももう限界に達しているのだろうに。私は涙をこぼしながら全力で走った。森の中に再び入り、走った。走って、走って、走りまくった。道の無い森を走り続けた。木の枝や鋭い葉っぱが私を傷つけても走り続けた。私は生き続けなくてはいけないのだ。皆のためにも。ここでくたばったら護衛の皆に合わせる顔が無い。
「キャャャャャャ!」
この声はメラニーのものだ。その声で涙が滝のように流れた。涙が視界狭めても私はひたすら走り続けた。ただひたすらに、ひたすらに。
必死になって走り続けていたからか、いつのまにか辺りが暗くなっていた。何時間も私は走り続けた。しかし、私の心も体も限界だった。肌は枝などで傷まみれ、しかもお腹は今にも死にそうなぐらい減っている。何かを食べなくては!と思うものの今まで姫と言う豊かな暮らしをしていた私はそこら辺の葉を食べる事が信じられない。もう、死にそうなぐらいなのだが私のプライドが許さない。もう限界で倒れてしまいそうな時だった。光が見えたのだ。私は棒になった足をふらつかせ、そこへ目指した。
幸いそれは、蜃気楼ではなかった。だから次第にその明かりとの距離も狭まってきた。そしてとうとうたどり着いた!私の目には火で焼かれた動物の肉が映った。その次の瞬間、私はその肉に食らいついた。もはや死に物狂いで肉に食らう私にマナーと言う言葉は無かった。視界に映った全ての肉を食べると、私は睡魔に襲われた。そして睡魔に勝てず、私は意識を無くしてしまった。
その時、私は知らなかった。私の隣に汚らわしい男が居ることを。
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僕タンは森の入り口周辺を探したけど、姫は見つからなかった。
今日の収穫は大きかったな~。
なにせAランクのレナちゃんが手に入ったのだから。ムフフ、今日からレナちゃんは僕タンのもの。あんな事やこんなことまで出来る。
「あの姫、弱かったくせに逃げ足は速いんだから!」
そう呟き、レナちゃんとお楽しみの時間を過ごす。
どうせ、あんなひ弱な姫が助かる分けない。助かっても、なにも出来まい。
そんなことはどうでもいいや!今はとりあえず。レナちゃんと楽しもう!
この小説始まって以来のダークシーンです。朝からこんな暗くてすみません。
次回からは明るくなりますので。
誤字があったらお知らせください。
あと、感想も鼻を長くして待っています。(笑)




