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異世界転生した。勇者? 魔王? ……いや、修復者だった  作者: 森羅万象
異世界と世界樹編

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第12話 黒い根は、村にもあった

村の外れ。


 誰も使っていない古い井戸。


 俺はそこに立っていた。


「……ここだ」


 地面に手を触れる。


 土の中から、微かな異常が伝わってくる。


「黒い根……」


 昨日見たものと同じだった。


 だが。


 昨日とは違う。


 この根は、まだ小さい。


 世界樹までつながっているわけではない。


 しかし。


 確実に広がっている。


 俺は能力を使った。


 頭の中に情報が浮かぶ。


侵食率:低


危険度:中


修復可能


「修復できる……」


 手を伸ばす。


 その瞬間。


 黒い根が動いた。


「え?」


 まるで俺を避けるように、地面の中へ逃げていく。


「待て!」


 追いかける。


 しかし。


 根は土の奥へ消えた。


「……逃げた?」


 生き物なのか。


 それとも。


 俺の能力に反応したのか。


 そこへリナが現れた。


「触ったのですか?」


「うん」


「危険です!」


「でも、昨日の魔物もこれに侵されていた」


 リナは黙る。


「この根は、世界樹だけじゃない」


「村にもあります」


 リナの顔が青ざめる。


「……そんなはずは」


「でも、ある」


 俺は地面を見る。


「これ、少しずつ広がってます」


 リナはしゃがみ込み、土を調べた。


 しばらくして。


「……本当だ」


 彼女の声が震えていた。


 俺は思った。


 世界樹の病気だと思っていた。


 でも。


 もしかしたら逆なのかもしれない。


 世界樹が病気なのではなく。


 世界そのものが侵食されている。

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