第9話
「実家は……うーん。右に曲がって、中央広場を通り過ぎて、そのまま進んで最初の路地を左ね。ギルドは避けないと、あの行き遅れグループに見つかるリスクがあるから……その少し先で到着、よし」
フォレンは考え込みながら額をかき、頭の中に地図を描いた。一番早いルートで行きたかったのだ。
その間、彼女は通行人や野次馬たちの視線を完全に無視していた。昨日彼女が逃げ出したという噂が、すでに広まっている証拠だった。
早朝の、まだそれほど混雑していない中央広場を通り抜け、目指す路地に辿り着いたその時、突然男の声に呼び止められ、彼女はびくりと肩を震わせた。
「フォレン! おい!」
それはミガルだった。茶色の髪をした、背が高くがっしりとした体格の男だ。
彼は、彼の弟と共に一つのチームを率いるリーダーであり、フォレンのチームとも多くの冒険を共にしてきた人物だった。
「あ、おはよう、ミガル! ごめん、今急いでるの!」
しかし、彼女が再び駆け出そうとする直前、男は彼女の袖を掴んだ。彼女の心臓がどきりと跳ね上がる。
彼女は彼の目を覗き込んだが、緊張に耐え切れず、ほんの数秒で目を逸らしてしまった。
結局、彼女は視線を地面に落とし、髪をいじりながら立ち尽くすしかなかった。
ミガルは少し決まり悪そうに微笑むと、制服を整えて言った。
「これを受け取って欲しかったんだ、フォレン。見てくれ。チームでの共同調査任務だ。これを完了するために、一緒に働かないか? 君のチームと、僕のチームで」
突然の親切に、彼女の顔は一瞬にして真っ赤になった。
「え? 共同の……本当に? ちょっと見せて」
彼女は素早く羊皮紙に目を通した。
内容は、ラプロを森経由でウルベイ・オリエンティオルまで運ぶという、ごく単純な輸送任務だった。
最も簡単な仕事だが、どん底に落ちた自分たちのチームの評価を回復させるには、最も手っ取り早い内容だった。
フォレンは一瞬、思考を止めた。特に、湧き上がる感情を抑えようと必死だった。
ミガルと共に乗り越えてきたこれまでのすべての冒険は、彼との間に特別で唯一無二の絆を生み出していた。そして、この親切こそがその証拠だった。
しかし、それは他人の目を気にするあまり、口にするのが恥ずかしい絆でもあった。
ライバルチームのリーダーに恋愛感情を抱くことは、相手を追い抜くための誘惑行為と見なされ、常に白い目で見られるのが常だったからだ。
「あの、フォレン、それでどうかな? 引き受けてくれるかい?」
彼女は素早く彼の目を見つめ返した。
「ええ、もちろん! 今ちょっと用事があるから、またね。ごめんなさい!」
彼女は羊皮紙をひったくるように受け取ると、その場から逃げ出した。
「お、おい、分かったよ! じゃあまた後で! 詳しい話をしたいから、昼休みに酒場で待ってるよ!」
「ええ、バイバイ! サフィールとケルツも連れて行くわ! あなたのチームのみんなも連れてきてね!」
フォレンが叫ぶと、ミガルは笑顔で手を振った。
フォレンは通行人たちを器用に避け、通りにあるアルベルレイアの木製看板に何度もぶつかりそうになりながら、ようやく実家に到着した。
満足感に浸りながら足を止め、両手を腰に当てると、長距離を走ったせいで埃まみれになった短いズボンを払った。
その時、彼女の頭の中はミガルの顔、彼独特の髪型、放置された予想外の優しさのことでいっぱいだった。
しかし、その瞬間、彼女の頭に電撃のような閃きが走った。
なぜ、自分の両親を犯罪の危険に晒さなければならないのか?
ヴェイドラエスたちの怒りを買うような落ち度が、両親のどこにあるというのか?
自分がギルドで働き、夢を実現できるようにと、あらゆる犠牲を払ってくれた両親が苦しむ姿など、彼女には到底耐えられそうになかった。
フォレンはその場でぐるぐると円を描くように歩き回り、一歩進むごとに髪を弾ませながら、代替案を絞り出そうと自らの額を叩いた。
そして、すべての点が一つに繋がった。答えは目の前にあったのだ!
「そうよ、これだわ! あの任務よ! ありがとう、ミガル! アハハ! 首都から離れてしまえば、うるさい野次馬に邪魔されることなく、絶対に調査を進められるわ!」
一刻の湯予もないとばかりに、フォレンは全速力で自宅へと引き返した。
いつものようにドアをけたたましく開け放ち、「ただいま!」と言う暇さえなかった。
彼女の目に飛び込んできたのは、あまりにもシュールな光景だった。
ケルツが激しく息を切らしながら、楽しそうに笑い声を上げて家の中を走り回る小さなアル・ジェキを捕まえようと必死になっていたのだ。
「一体何事?」
彼女が呆気にとられていると、サフィールが現実へと引き戻すように叫んだ。
「早くフォレン! あの悪ガキのアル・ジェキを捕まえて! 一瞬たりともじっとしてくれないの、助けて!」
彼女は子供を捕まえるための網を用意しているところだった。
「今行くわ!」
フォレンは衝動的にその小さな生き物に向かって飛び込んだ。ほとんどタックルに近い勢いだったため、危うくケルツを巻き込んでテーブルの方へ転倒させるところだった。
事態がようやく落ち着き、静けさが戻るまでには、かなりの時間を要した。
全員が汗だくになり、激しく呼吸を乱していた。
その後、フォレンは自分のアイデアに対する自慢げなプライドを胸に、今朝の出会いと予定の変更について、誇らしげに羊皮紙を振り回しながら説明した。
サフィールはにやにやしながら彼女を見つめ、手を上げて指を差すと、こう言った。
「へえ! あのイケメンのミガルが今朝、挨拶してくれたわけ? しかも30秒以上も会話したの? ケルツ! お祝いしなきゃ! 奇跡よ!」
先ほどまでの深刻な表情から一転、ケルツは楽しげに言った。
「全くだ、サフィール。毎月お祝いするべきだな。それにしても、サフィール、私が早朝から仕事に行っているというのに、我らがリーダーはライバルチームのリーダーのハートを射止めることばかり考えているとはな。全く大したものだ……」
フォレンは一瞬にして顔をゆでダコのように真っ赤にし、ミガルへの感情を全力で否定した。子供はその様子を椅子の上から楽しそうに眺めていた。




