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第二話〈どうやら規格外のようです?〉

召喚された翌日、私は勇者達とは別にやや広い部屋に通されていた。王様の話では旅に出ても安全なように講師をつけてくれるらしい。

しばらく待っているとノック音がして、誰かが部屋に入ってきて、開いた口が塞がらなかった。



「初めまして王宮筆頭魔法士のレミィと申します。彼らは私の弟子のルシアンとアルト、私の手伝いのために同席させています。本日はよろしくお願いしますね」


「ルシアンです!よろしくお願いします!」


「アルトです。よろしくお願いします」



まだあどけなさが残るクリーム色のセミロングヘアのルシアン、スマートな印象を受ける深緑色の短髪のアルト。そしてその前に立つ桜色のような桃色のような髪色を三つ編みでまとめている女性、レミィ。


…………ママだ。すんごいママだ。

アニメや漫画くらいでしか見たことないくらいのママみ溢れる、あらあら系お姉さんっぽい見た目の女性が立っていた。



「師匠の容姿、異世界の人にも通用するんだね……」

「シッ!聞こえるだろ!」



お弟子さん達の会話にハッとして、慌てて挨拶をする。



「……す、みません。古賀凪です、ナギと呼んでください。今日はよろしくお願いします」


「ふふ、緊張されているのですね。大丈夫、ゆっくり教えますから安心してくださいね」


「ありがとうございます」



緊張、というよりかはレミィさんの雰囲気に驚いてしまったのが正しいけど……。

そんなこんなでレミィさんが魔法の使い方を教えてくれるらしい。先ずはとお弟子さん達に指示を出して用意させたのは金色の土台に置かれた二つの水晶玉だった。何かのマジックアイテムだろうか?



「これは魔素適正量と魔力保有量を測るマジックアイテムです」


「魔素、ですか?」


「魔素とは魔力の源のことで、私達でいう空気のようなものです。魔素が濃いと人体に影響を及ぼすためその区域を立ち入り禁止、場合によっては禁足地に定められる場合もあります」


「なら適正量はどれだけ耐えられるかということですか?」


「正しくはどのくらいの濃度まで耐えられるのか、ですね。また魔力保有量はその名の通り持っている魔力の量を指します」


「分かる……ような分からないような……」


「そうですね……魔素は水源、魔力が水源から取った水。魔素適正量はどれだけ深く潜れるか、魔力保有量は水を汲むバケツの大きさ、ならどうでしょうか?」


「あぁ、それなら分かります」



やはり異世界、魔法の概念も異なるらしい。今回それを測るのは私が旅をする上で行ける場所と行けない場所の判断をつけやすくするためなのだろう。



「これはどうやって測るんですか?」


「水晶に触れて測ります。計測が終わると中に数値が出るようになっていますから、それまでかざしたままで」


「分かりました」



レミィさんに言われた通り水晶に触れると、



――バキィンッ!



派手な音を立てて水晶が粉々に砕け、破片が床に転がる音だけが部屋に響いていた。……完全にやらかした。



「こ、これって……ヤバいやつ、ですよね……?弁償とか……」


「……え、あ!いえいえ!大丈夫よ!突然の事で驚いただけだから、落ち着いてね」


「でも、水晶……」


「魔具は基本的に消耗品だから弁償は必要ないの、安心してくださいね。二人共、手元に気をつけてね」



割れた水晶を片付けてくれるお弟子さん達を横目にレミィさんが震える私の手を握り、水晶を割る前よりも優しい声で落ち着かせてくれる。

消耗品っていったって水晶ですけど?元の世界じゃ水晶玉は中々の値段だったはず。こんなにも透明度が高いなら尚更高いんじゃなかろうか……。



「でも師匠、どうやって測定するんです?」


「人間用でこれでは何度やっても同じかもしれません」


「測定可能量が多いものを用意しましょう。異世界から来たことも相まって歴代の方々のように膨大な魔力を持ってるかもしれないわ」


「分かりました!」


「すぐに準備してきます」


「……あのー」


「ナギさんは私と一緒にお茶にしましょう。心にゆとりを持つことも大切ですよ」




…………………………

……………………

………………

…………

……



――パリン


やや控えめな音を立てて水晶玉が割れる。机の上に転がる光を失い薄く濁った水晶玉の残骸のように挫けそうだった。

まだ旅にも出てないのに、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ。



「まぁ、これは……どうしましょうか……」


「もう割りたくないです…………」


「あぁ、そうよね。嫌な思いをさせてごめんなさいね」


「大丈夫です!マジックアイテム用の水晶は等級の低い量産品なので安価で手に入るんです!一般市民や農民でも買えますから!」


「これは完全にマジックアイテム側の問題ですから、気に病まないでください」



レミィさんが両手で顔を覆う私の頭を撫でてくれて、お弟子さん達が優しく声をかけながら私が割った水晶を片付けてくれていた。


あれから魔物用に始まり、果てには過去に勇者と共に召喚され規格外の魔力を持ってた魔法使いでも測れたものまで取り出してもらったのに、悉く残骸と化した。

規格外用に関しては無事に光り出してこのまま測れるんじゃないかと思わせて突然黒く濁り出し、ゆっくりとヒビが入って結果真っ二つに。ただ魔力を測りたいだけなのに、一体私が何をしたと言うんだ……。



「……ナギさん、一度魔法を使ってみましょう」


「え?」


「これだけ測れないということは膨大な魔力がある証明です。だからこそ魔法の威力から推定しましょう」


「でも、それって大丈夫なんですか?どれだけ威力があるか分からないのに」


「安心してください、そこは王宮筆頭魔法士である私の腕の見せどころですから」


あらあらうふふ系ママの登場回。天才少女かあらあらうふふ系ママかでめっちゃ悩みました。

第一話と比べて文字数を減らして読みやすく?してみました。

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