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doing beetween No.001 通知書

 それは朝の郵便受けに無造作に入っていた。差出人は空白。郵便料金の枠すら印刷されていない白い封筒。活字が並んでいた、コピー用紙だった。


♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 通知書

 ・あなたは現在進行中の社会的案件に於いて

 「当事者の立場を相続する者」として登録されました。

 

 相続対象

 発言権・説明責任・沈黙不利益

 

 案件の詳細は本通知では開示されていません。

 本登録に対する奥義申し立て及び拒否手続きは認められておりません。

  

  登録日: 2026年02月13日

  登録主体: 社会言論所属機構

代表者名も記されておらず、自分の名前もない。

 でも、"あなた"と呼びかけられることが、妙に生々しさが伝わっていた。

主人公有並鉄平(ありなみてっぺい)は、封筒事、ゴミ箱に放り投げた。


 差出人不明の手紙なんか、重要でもない、宗教勧誘・詐欺の前振りの(たぐい)だろう。


 その夜、いつものように、SNSを開くと、タイムラインの上の方に見覚えある名前が並んでいた。


 「○○さん、あの件で完全に△▼側にたったらしい」

 「沈黙してるってことは、決めてたってことでいいやら?」

 「中立とか言っても、結局黙認賛成だろ?違うかなぁ・・・」


スクロールする手が止まった。

 そこにあったのは大学時代たまてに、交流していただけの、5年以上会っていない知人の名前。

その知人が、"完全○○側"と、決めつけている文脈は、鉄平は全く知らない情報で、『事件とは呼べない何か○○○○に関する』ものだった。


 コメントは既に荒れていた。擁護する人、面白がる人、共通しているのは、誰も当事者の本人に直接事実を聞き込みをしていない事だった。


遥は自分のアカウントを開いていた。最後の投稿は3カ月前。

内容はコンビニのスイーツの写真だけ。それ以降発信していない。同時に、胸の奥がなぜかざわついていた。


 翌朝二通目の封筒がポストにあった。

今回は前回より厚みがあった。中には1枚の紙。小さな透明のシールが同封されていた。


♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 第2次通知

 期日内(登録日から起算して7日間)に、貴殿による主張表明が未確認のために、第3者により、提示された主張を貴殿の「相属された立場」として、暫定登録しました。


 暫定登録内容

 立場:  ○○に反対(積極的反対派)

この登録は貴殿が次回の通知までに自らの言葉で上書きしない限り、社会的言論空間に於いて、貴殿のデフォルトポジションとして扱われます。


♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦


 シールにはうすい青色のQRコードが印刷されていた。

読み取りすると、SNSの自分のプロフィールページに、アイコン・ヘッダー・投稿履歴も変わってないけど、なんとなく違和感を受け止めていた。


遥は自分の投稿一覧をゆっくり遡ってみた。

 一番上の自分の最新投稿(3カ月前のスイーツ写真)の下に、誰かの引用ポストが目に留まった。

 引用ポストのコメント

 ・"この人ずっと黙っているけど内心○○反対派だよね、あのスイーツ好むのかなぁ・・・"


僕は何も言っていない、選んでもない。

それでも自分の沈黙が誰かの言葉にゆっくりと「所属」させられはじめている。


まるで電車の車両連結するかのように・・・・。




 

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