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世界崩壊後、日常生活スキルで俺が最強拠点を作ってしまった件  作者: ナマケモノ


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49/70

拡張と分断、そして市長へ

第49話です。宜しくお願い致します。

――あれから数時間後。


 俺達は、拠点の会議室に集まっていた。


 誰もが、同じことを考えている。


 3ヶ月後の地震。


 そして――東京全土のテリトリー化。


(……無理ゲーすぎるだろ)


 正直な感想はそれだ。


 今の俺のテリトリー範囲は、周囲30キロ。


 それでもかなり広い。


 だが、東京は――桁が違う。


「……2194キロ」


 小さく呟く。


「全然足りねぇな」


 未来が腕を組みながら言う。


「うん……正直、今のままだと絶対無理」


 陸斗も静かに頷いた。


「ですが――」


 そこで一拍置く。


「不可能ではない、ということですね」


「……あぁ」


 俺は頷く。


 フトゥーロの言葉。


 あいつが信用できるかどうかは別として――


 “方法”は示された。


 なら、やることは一つだ。


「レベル上げるぞ」


 はっきりと言った。


 その瞬間、全員の空気が少しだけ引き締まる。


「スキルのレベルを上げて、職業も進化させる」


「テリトリー範囲を広げていくしかない」


 誰も反対しない。


 むしろ、当然だと分かっている顔だった。


「……で、どうする?」


 浮田が聞く。


 俺は少しだけ考えてから、口を開いた。


「役割分担する」


 その一言で、全員の視線が集まる。


「今までは全員で動いてた」


「避難民を助けて、ついでにモンスター倒して――って感じでな」


 そこまで言って、少しだけ間を置く。


「でも、それじゃ足りない」


 はっきり断言する。


「今回は“効率”を優先する」


 そして、指を二本立てた。


「チームを二つに分ける」


「一つは――避難民救助組」


 その言葉に、ルドルフが少しだけ反応する。


「もう一つは――モンスター討伐組」


 陸斗と未来が静かに視線を上げた。


「まず、避難民救助組だ」


 俺は順番に説明していく。


「これは今まで通り……いや、それ以上に重要になる」


「理由は二つ」


「一つは――日常を取り戻すため」


 チャン爺が静かに頷く。


「人が増えれば、拠点は強くなる」


「物資も回るし、役割も増える」


「何より――“生活”が成立する」


 これはずっとやってきたことだ。


 間違いじゃない。


「もう一つは――テリトリー拡張のためだ」


 全員が少しだけ真剣な顔になる。


「俺のスキルは、勝手に土地をいじれるわけじゃない」


「元々そこに住んでた人間がいるなら、話を通す必要がある」


「今まで通り、ちゃんと“許可”を取る」


 ここは絶対に外せない部分だ。


 俺のやり方として。


「次に、モンスター討伐組」


 こっちは、はっきり言って目的が一つだ。


「レベル上げだ」


 単純だが、これが一番重要になる。


「住民登録の効果、分かってるな?」


 俺が言うと、陸斗がすぐに答える。


「はい。討伐していない側にも、スキルポイントが半分入る」


「その通り」


 俺は頷く。


「つまり――」


「お前らが狩れば、俺も強くなる」


 その言葉に、少しだけ空気が変わる。


 理解した顔だ。


「だから、討伐は完全に任せる」


 はっきり言った。


 俺の役目は、前線じゃない。


 “全体を動かす側”だ。


「……なるほどな」


 浮田が腕を組みながら言う。


「完全に分業ってわけか」


「そういうことだ」


「悪くない」


 短く頷いた。


「じゃあ、メンバー決めるぞ」


 俺は全員を見渡した。


「避難民救助組は――」


 順番に名前を挙げていく。


「俺、浮田、ルドルフ、阿川」


「それと――芹沢、色谷」


「了解です♡」


 芹沢が嬉しそうに微笑む。


「任せろ!」


 色谷も力強く頷いた。


「役割は分かるな?」 


 確認する。


「俺が説得と指揮」


「ルドルフが選別」


「阿川が輸送」


「浮田が治療」


 そして――


「芹沢と色谷は護衛」


 ここで少しだけ間を置く。


「道中でモンスターが出たら、叩き潰せ」


「はい♡」


 芹沢が軽くウインクする。


 ……相変わらずだなこいつ。


「次、討伐組」


 視線をそちらに向ける。


「陸斗、未来、チャン爺」


「それと――一葉、二葉、三葉」


「了解しました」


 陸斗が静かに頷く。


「任せて」


 未来も短く答える。


「坊ちゃまの命、しかと承りました」


 チャン爺が一礼する。


「全力で対応いたします」


 一葉。


「サポートもお任せください」


 二葉。


「いっぱい倒すですー!!」


 三葉。


「討伐組の役割はシンプルだ」


「とにかく狩れ」


 それだけだ。


「レベルを上げろ」


「遠慮はいらない」


 そう言うと――


「望むところです」


 陸斗の目が少しだけ鋭くなる。


「うん、いっぱいいけそう」


 未来もやる気満々だ。


「じゃあ――」


 俺は立ち上がる。


「始めるぞ」


 その一言で、全員が動き出した。


 外に出る。


 空気が、少し違って感じた。


 やることが明確だからかもしれない。


 迷いがない。


「じゃあ、分かれるか」


「はい」


 短いやり取り。


 それだけで十分だった。


「死ぬなよ」


 俺が軽く言うと、


「そっちこそ」


 未来が返す。


「大丈夫です」


 陸斗が静かに言った。


「必ず、成果を持ち帰ります」


「……頼んだ」


 それだけ言う。


 そして――


 俺達は、それぞれの役割へと動き出した。


 ここからが、本当の意味での“加速”だ。


(……時間は、3ヶ月)


(やるしかねぇだろ)


 そう心の中で呟きながら、俺は前を向いた。


――数時間後。


 俺達、避難民救助組は、最初のポイントへと到着していた。


 テリトリー掌握。


 そのスキルのおかげで、30キロ圏内にいる人間の位置と動きは、ある程度把握できる。


(……いるな)


 崩れかけたビルの中。


 複数人。


 動きは鈍い。


 おそらく――疲弊している。


「この中だ」


 俺が言うと、全員が静かに頷く。


「芹沢、色谷」


「はい♡」


「おう!」


「先に周囲の安全確保」


「了解です♡」


 芹沢が指先で紙を一枚弾く。


「“ラブレター”」


 紙飛行機が空を切る。


 その先には――徘徊していたモンスター。


 紙が当たった瞬間、動きが止まる。


「……よし」


 芹沢が微笑む。


「いい子ね♡」


 そのまま、モンスターがこちらに背を向ける。


 完全に操られている。


「相変わらずえげつねぇな……」


 俺が呟くと、


「褒めてくれてありがとう♡」


 嬉しそうに返してきた。


 その隙に――


「行くぞ!」


 色谷が前に出る。


「スキル、“ボウリング場”!」


 空間が歪む。


 地面が一気に変化し、ボウリングレーンが展開される。


 モンスター数体が固定される。


「まとめて――ぶっ飛べ!!」


 巨大な球が放たれる。


 ドゴォォォン!!!


 一撃で複数体が粉砕される。


「……ナイス」


「だろ!」


 爽やかに笑う。


 完全に頼れる戦力だ。


「よし、安全だ」


「入るぞ」


 俺は建物の中へ踏み込んだ。


「大丈夫だ!!」


 声を張る。


「助けに来た!」


 一瞬、静寂。


 そして――


「……ほんと、か?」


 弱々しい声。


 奥から人が現れる。


 やつれた顔。


 だが――希望が見えた目だ。


「あぁ」


 俺ははっきり言う。


「安全な場所がある」


「食事も、水もある」


 少し間を置く。


「……日常を取り戻せる場所だ」


 その言葉に、全員の顔が変わる。


「……助けてくれ」


 小さく、だが確かな声。


「任せろ」


 俺は頷いた。


 その後は流れるようだった。


 ルドルフが前に出る。


「スキル、“真実の口”」


 あの異形が現れる。


 初見の者達が震える。


「安心してください」


 静かに告げる。


「正直に答えていただければ問題ありません」


 一人ずつ。


 審査が進む。


 今回は――全員合格だった。


「よし」


「阿川」


「あいよ」


「スキル、“配管工”」


 配管が現れる。


「これで一気に移動だ」


 避難民達が次々と吸い込まれていく。


 その間―― 


「っ……!」


 一人が倒れる。


「怪我か」


「任せろ」


 浮田が前に出る。


「“手術空間”」


 展開。


 空間が切り替わる。


 完全に外界から隔離された空間。


「オペ開始だ」


 手が止まらない。


 圧倒的な精度。


 数分後―― 


「……終わりだ」


 男が息を吹き返す。


「……助かった」


「礼はいらねぇ」


 浮田は軽く言った。


「医者だからな」


 ――同時刻。


 討伐組。


 森の奥。


 モンスターの群れ。


 だが――


「準備、完了」


 陸斗が一歩前へ出る。


「――光線」


 10本。


 分散。


 追尾。


 貫通。


 ズドドドドドドドド!!!


 一瞬で、群れが消し飛ぶ。


「……まだいける」


 そのまま次へ。


「行って」


 未来が手をかざす。


 出現するのは――


 ジャイアントオーガ。


「……前より強い」


 それを操作する。


 さらに動物達も動く。


 完全に“軍”だ。


「こちらも参ります」


 チャン爺。


 そして――


 分身。


 2人同時に消える。


 次の瞬間。


 敵が崩れる。


「終わりでございます」


 静かすぎる殺戮。


「連携、いきます」


 一葉が指示を出す。


「はい」


 二葉が応じる。


「突っ込むです!!」


 三葉が飛び出す。


 完全に役割分担された動き。


 無駄がない。


 圧倒的な殲滅速度。


 ――それから数日。


 俺達は、ひたすら動き続けた。


 救う。


 狩る。


 拡張する。


 レベルを上げる。


 ただ、それだけを繰り返す。


 だが――


 確実に変わっていた。


 拠点は広がり。


 人が増え。


 力が増していく。


 そして――


 その瞬間は、突然来た。


 ピコン。


 耳元で音が鳴る。


「……来たか」


 俺はステータスを開いた。




【職業選択Lv10】




「……」


 一瞬、息が止まる。


 その下に表示された文字。




・市長Lv1




「……市長、か」


 思わず呟く。


 詳細を開く。




・テリトリー周囲500キロ




「……は?」


 一瞬、理解が追いつかなかった。


 30キロ。


 それが――


 500キロ。


「おい……」


 浮田が横から覗く。


「桁、おかしくねぇか?」


「……あぁ」


 俺も苦笑する。


「バグってるな、これ」


 だが――


 間違いなく事実だ。


(東京全土……)


 まだ、足りない。


 それでも。


(……届くかもしれない)


 初めて思った。


 “不可能”じゃないと。


 俺は静かに画面を閉じる。


「……やるぞ」


 誰に言うでもなく、呟く。


 だが――


 全員が頷いていた。


 東京全土。 


 3ヶ月。


 無理ゲーみたいな条件。


 それでも――


 俺達は、前に進む。


 “可能性”は、もう見えている。 





最近、ホントに沢山の人が読んでくれて嬉しいです。

ありがとうございます。

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