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【第2の厄災完結】世界崩壊後、日常生活スキルで俺が最強拠点を作ってしまった件  作者: ナマケモノ


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45/120

終わりの先にいるモノ

第45話です。宜しくお願いします。


 一体、倒した。

 確かに、消えた。


 だが――


「……」

 俺は、まだその事実を受け入れきれていなかった。

 目の前では、相変わらずスケルトンキングたちが暴れ回っている。

 骨の巨体。

 振り下ろされる大剣。

 地面が抉れ、建物が揺れる。

 戦場は、何も変わっていない。


 なのに――たった一つだけ。


 “消えた個体がある”という違和感だけが、異様に浮いていた。

「陸斗!」

「はい!」

 陸斗が前に出る。

 いつも通りの冷静な返事。

 だが、その目は明らかに考えていた。

「さっきの……」

「……分かりません」

 即答だった。

「ですが……」

 一瞬だけ視線が落ちる。

「同じ個体に対して、何度も攻撃していたのは確かです」

「……何度も、か」

 俺は低く呟く。


 ◇


 その間にも、一体がこちらへ突っ込んできていた。

「来るぞ!!」

「準備」

 陸斗の声。

 光が収束する。

「光線」

 十本の光が放たれる。

 一直線。

 迷いのない軌道。


 だが今回は――分散しない。


 一体へ集中。

 ズガァァァァァン!!!

 スケルトンキングの上半身が吹き飛ぶ。

 骨が散る。

 粉砕。

 完全な破壊。

 ……だが。

 やはり、骨は動き出す。

「……」

 陸斗は無言のまま、それを見ていた。

 焦りはない。

 ただ、観察している。

 その姿に、俺は少しだけ違和感を覚えた。

(こいつ……戦いながら考えてるな)

 普通なら、もっと焦る。

 もっと叫ぶ。

 だが陸斗は違う。

 “戦闘中に検証している”。

 その間にも、骨が再構築される。

 そして再び、王が立ち上がる。

「……もう一回いきます」

 陸斗が静かに言った。

 同じ個体に向かって。


 ◇


「どけェェェ!!」

 横から凛堂が突っ込む。

 拳。

 爆音。

 ドォン!!!

 スケルトンキングの顔面が吹き飛ぶ。

 そのまま連撃。

 肋骨。

 腕。

 脚。

 徹底的に叩き潰す。

「何回でも来いよ!!」

 叫びながら、さらに殴る。

 崩れる。

 砕ける。


 ――だが。


 骨が、また動き出す。

「チッ……!」

 凛堂が苛立ちを露わにする。

 再び拳を叩き込む。

 ドォン!!!

 また砕ける。

 また戻る。

「しつけぇんだよ!!」

 三回。

 四回。

 五回。

 数なんて数えていない。

 ただ、目の前の敵を“壊す”。

 それだけだ。


 そして――


「……あ?」

 六回目。

 拳がめり込み、骨が完全に砕け散る。


 そのまま、凛堂は次の動きに移ろうとして――

 止まった。


 ……動かない。

 骨が、戻らない。

「……おい」

 低い声。

 さっきまで確実に復活していたそれが、今はただの残骸として転がっている。

「……消えたぞ……?」 


 ◇


「門脇さん!!」

 戦術隊の声。

 門脇が一歩前に出る。

 いつも通りの、やる気のなさそうな顔。

「……面倒だな」

 だが、手は止まらない。

「“ガチャカプセル”」

 空中にカプセルが出現。

 スケルトンキングへ直撃。

 圧縮。

 封印。

 中で暴れる骨の王。

「犬飼」

「はい!!」

 犬飼が即座に反応する。

 腕が変形。

 獣の筋肉。


 そのまま――全力で叩き込む。


 ドガァァァン!!!

 カプセルの中で粉砕。

 そして、カプセル解除。

 骨が散る。

 ……再生。

 またカプセル。

 また粉砕。

 また再生。

 これを繰り返す。


 そして――


「……」

 六回目。

 粉砕後。

 骨が、動かない。

「……やっぱりか」

 門脇が、ぼそっと呟く。

 その声は、妙に確信に満ちていた。

「……まさか」

 門脇がゆっくりと口を開く。

 周囲の視線が、一斉に集まる。

「単純な話じゃねぇのか?」

 軽く肩を回しながら言う。


「コイツら――」


 一体の消えた跡を見る。

「復活回数に上限がある」

 その一言で、空気が変わった。

「……」

 誰もすぐには理解できない。

 だが、次の言葉で確信に変わる。

「俺が今倒したのは……ちょうど6回目だ」


「つまり――」


 一瞬、間。

「復活は5回まで」


 ◇


 全員が、その意味を理解する。

 俺は、思わず息を吐いた。

「……成る程な」

 苦笑いが漏れる。

 今までの絶望が、少しだけ馬鹿らしくなるくらい単純な答え。


「ってことは――」


 俺は前を見る。

 まだ動いているスケルトンキングたち。

「シンプルだな」

 小さく笑う。

「倒しまくればいいって事か」

「はは……なるほどなァ!!」

 凛堂が、歯を見せて笑う。

 さっきまでの苛立ちはもう消えていた。


 代わりにあるのは――純粋な“闘志”。


「回数制ってわけか!!」

 拳を握る。

「なら簡単だな!!」

 一歩踏み出す。

「オレの得意分野だ!!」

 その声に、周囲の空気が一気に変わった。

 さっきまでの重苦しい空気が、嘘みたいに軽くなる。

 理由は単純だ。

 “終わり方が分かった”。

 それだけで、人間はここまで変われる。


 ◇


「行くぞ!!」

 俺も叫ぶ。

「同じ個体を集中して削れ!! 回数を稼げ!!」

 全員の動きが、明確に変わった。

 ただ壊すだけじゃない。

 “狙って削る”戦いへと切り替わる。

「未来!!」

「任せて!!」

 未来が前に出る。

 その目は、さっきまでと違って迷いがない。

「“動植物図鑑”」

 空間が歪む。


 そして――


 現れる。

 巨大な影。

 10メートル級の肉体。

「……マジかよ」

 俺は思わず呟いた。


 そこにいたのは――


「ジャイアントオーガ……!」

 前回戦った、Bランクモンスター。

 それが、未来の背後に立っていた。

「行って!!」

 未来の一声。

 ジャイアントオーガが、スケルトンキングへ突っ込む。

 拳。

 重量。

 純粋な暴力。

 ドォォォン!!!

 骨の巨体が吹き飛ぶ。

「すご……!」

 誰かが呟く。

 さらに追撃。

 押し倒す。

 叩き潰す。

 回数を一気に削る。

「これなら……!」

 未来が叫ぶ。

「一気にいける!!」


 ◇


「ヒャッハァァァァ!! 祭りだァァァ!!」

 アルが完全にテンションMAXで突っ込む。

 ドドドドドドド!!!

 弾幕。

 骨が削れる。

 砕ける。

 そしてすぐに次弾。

「ソックス!! 回数稼ぐぞ!!」

「……了解です」

 ソックスが冷静に対応する。

 一発。

 一発。

 確実に関節を破壊。

 無駄がない。

 アルが削り、ソックスが仕留めに繋げる。

「いい流れだ!!」

 俺は思わず叫ぶ。

 戦況が明らかに変わっていた。


 ◇


「――ボウリング場!!」


 色谷が再びスキル発動。

 複数体固定。

「今度こそ終わりだァァァ!!」

 ボールが転がる。

 ドゴォォォォン!!!

 まとめて粉砕。


 そして――


「まだ終わんねぇ!!」

 さらにもう一球。

 ドォォン!!

 三回。

 四回。

 五回。

「あと一回だ!!」

 周囲から声が飛ぶ。


 そして――


 六回目。

 ドガァァァン!!!


 骨が砕け――


 今度は、戻らない。

「よっしゃァァァ!!」

 色谷がガッツポーズを決める。

「これだ!! これが正解だ!!」

「“ラブレター”♡」

 芹沢がスキル発動。

 紙飛行機が飛ぶ。

 命中。

「私のこと、愛してちょうだい♡」

 一体のスケルトンキングが止まる。

 そのまま別個体へ攻撃。

 ガンガン削っていく。

「ほらほら♡ もっと働いて♡」

 その間に別のメンバーが追撃。

 回数を稼ぐ。


 そして――撃破。


「ふふ♡ 完璧♡」

 芹沢が満足そうに笑う。


 ◇


「チャン爺!」

「お任せくださいませ」

 姿が消える。

 次の瞬間、連続斬撃。


 シュンッ――


 シュンッ――


 シュンッ――


 見えない速度で回数を稼ぐ。

 無駄が一切ない。


 そして最後は――


 スッ……

 納刀。

 同時に、骨が崩れ落ちる。

 そのまま、再生しない。

「処理完了にございます」

 一葉、二葉、三葉も同様だった。

「対象を排除いたします」

「制圧行動に移行」

「近接処理開始」

 感情のない声。

 だが動きは完璧。

 連携。

 精密。

 確実に回数を削る。


 そして――撃破。


 淡々と。

 機械のように。

「……はは……」

 気付けば、笑っていた。

 さっきまでの絶望が、嘘みたいだった。

 やる事はシンプル。

 回数を数えて、削るだけ。


 ◇


「いける……!」

 誰かが叫ぶ。

 そして全員が、それに続く。

 戦場が一気に変わる。

 もう押されていない。


 完全に――押している。


 最後の一体。

 スケルトンキング。

 囲まれている。

「行くぞ!!」

 俺が叫ぶ。

 門脇がカプセルで拘束。

 犬飼が削る。

 陸斗が光線で貫く。

 凛堂が拳を叩き込む。

 未来のオーガが押さえつける。

 全員の連携。


 そして――


「これで終わりだァァァ!!」

 ドォォォォン!!!

 完全破壊。

 ……数秒。

 誰も動かない。

 そして。


 骨が――動かない。


「……終わった……?」

 誰かが呟く。

 沈黙。


 そして――


「……終わった」

 俺が言った。


 ◇


 ――パチ、パチ、パチ。


 拍手。

 後ろから。

 ゆっくりと。

 場違いなほど、軽やかな音。

 全員が振り向く。


 そこに――いた。


 空中に浮かぶ男。

 スーツ姿。

 顔には、道化師のメイク。

 笑っている。


 だが――


 人間じゃない。

 一目で分かる。

 “異質”。

「いやぁ……素晴らしい」

 男が、口を開く。

 声はやけに軽い。

「実に実に……素晴らしい戦いだった」

 ニヤリと笑う。

 全員が、動けない。

 さっきまでの戦いとは、次元が違う。

 そんな“気配”があった。

 男は、楽しそうに言った。

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― 新着の感想 ―
何回も倒してる感じあるから6回ならもっと早くわかりそなんやけどな
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