第5章 ドラゴンライダー・ユナの冒険 死の森
夕方、ユナとフランが空の散歩をしようと外に出てみると、ブルードラゴンのギズモと何処からか帰って来たイエロードラゴンのシリウスが、畑の隣の野原でドラゴン同士で話していた。
シリウスはギズモより一回り小さく、全身黄色で黄色の目、皮膚もギズモよりかはスベスベした感じだった。
少女・ユナ「ギズモ、何話してるの?」
ブルードラゴン・ギズモ「ちょっと川魚について、いろいろとね。」
少女・ユナ「ギズモ、ちょっとフランちゃんがギズモに乗ってみたいって。」
ブルードラゴン・ギズモ「いいわよ。どうぞ、フランちゃん。」
ギズモはフランが乗りやすいように頭を垂れた。
少女・フラン「シリウス、ユナちゃんを乗せてあげて。」
イエロードラゴン・シリウス「了解。よろしくね、ユナちゃん。」
少女・ユナ「こちらこそ。」
ユナはシリウスに、フランはギズモに乗って涼しくなった夕方の空へ飛び立った。
時刻は5時を過ぎていたが空はまだ明るく、2人を乗せたドラゴンは速度をあげて青空を進んで行くと、赤い森が見え始めた。
その赤い森はグングンと今も広がっているように見えた。
緑の森を侵食して・・・・。
ドラゴンライダー・ユナ「あれは何?」
ドラゴンライダー・フラン「あれは・・・・死の森・・・・緑の森を食べて広がってるらしいの。」
ドラゴンライダー・ユナ「ええ?ヤバくない?」
ドラゴンライダー・フラン「うん、絶対近寄ったらダメって、お父さんとお母さんに言われてる。そろそろ帰ろっか。」
ドラゴンライダー・ユナ「そうだね。」」
ユナとフランはUターンをして、フランの家へと向かった。
野原に着陸すると、シリウスが待っていた。
シリウス「ユナちゃん、今日はもう遅いから泊まっていきなよ。てか、もう泊まるってお母さんに言ってあるから。」
少女・ユナ「え?いいんですか?ありがとうございます。」
シリウスは小屋ヘ行き、大きくて小屋に入れなかったギズモは、野原で眠ることになった。外で寝るのに抵抗があるインドアドラゴンのギズモは、ユナの耳元にいる宇宙船・ジェシカに後で中に入れてほしいと囁いて頼んだ。
ブルードラゴン・ギズモ「蛇とか出たら怖いし。」
宇宙船・ジェシカ「蛇からしたら、ギズモさんが怖いと思いますよ。分かりました、後でこの野原に来ます。」
インドアドラゴン・ギズモ「絶対よ!!約束よ!!」
ギズモは少し強めに囁いた。
家に入ると、夕食がちゃぶ台に用意されていた。
フランのお父さんが帰って来ていて、シオンと話していた。
シオンのお父さん「お帰り、フラン。それからフランの友達のえっと・・・・。」
シオン「ユナちゃんだよ。」
シオンのお父さん「そうそう、ユナちゃん。今日はもう遅いから、私が作ったカレーでも食べて泊まっていきなさい。」
シオン「いやいや、カレー作ったのはお母さんだろ。そんな嘘ついてどうするの?」
少女・ユナ「はい、ありがとうございます。」




