第4章 侍ストーリー ・変わり果てたキャサリン
ミヤモトが扉の中に入ると、そこは10畳ほどの洋室で少し薄暗かった。
部屋の右隅にシングルベッドがあり、キャサリンが冷えピタとマスクをして布団を被り寝ていた。そして、その枕元にソータが立っており、キャサリンと話をしていた。
ソータ「二郎系ラーメン巡りをしていて、コロナに感染したんですね。」
ノヴァ・キャサリン「そう。こんな田舎の村にまで、コロナが流行ってるなんて思ってもなかったわ。」
ソータ「サダさんに魔術書の在り処を教えない方が良かったのでは?友人のサダさんを魔王にしたかったのは分かりますが、この魔法はあまりにも危険すぎます。魔王にする他の方法があったのでは?」
ノヴァ・キャサリン「そうね。今となってはもう、どうしようもないわね。それにしても、まさか最後に話すのが七色の男とは。ご覧の通り、私はコロナにかかり間もなく死ぬわ。体も思うように動かないから、退屈しのぎにそこの水晶玉で世界の様子を見てたら、あなた達がここに向かっているのが見えてね。でも、到着できそうにないから、次元扉を発生させてここに来てもらったの。一人で死んでいくのって、なんだか寂しくてね。」
キャサリンの視線の先の天井に、巨大な水晶玉が何個か浮かんでおり、いろいろな景色を映していた。
ミヤモトは、扉の入口で2人が話している様子を見ていた。
ミヤモト「あの天下無敵のキャサリンも、コロナには勝てなかったというわけか。」
ソータ「キャサリンさん、なんか体から黒い霧のような物が出てますよ・・・・。」
ノヴァ・キャサリン「ああ、いよいよね。私はルーファス団長のダークオーラ。ダークオーラが霧状になって、私は徐々に消滅するの。」
ソータ「そうですか・・・・俺のヒカリと同じように、あなたも荒天の日に、人のオーラから生まれたんですね。」
ノヴァ・キャサリン「私が消滅して死んだら七色の男、あなたがノヴァになりなさい。この星はノヴァの影響を受ける。あなたがノヴァになれば、あなたの職業は農夫だから農夫の人が増えて、農業がさかんになる。そして、緑溢れる綺麗な星になるわ。」
ソータ「俺がノヴァに?」
ミヤモト「すまんがソータ、ノヴァになってくれ。俺はそのつもりでお前とここへ来たんだ。」
ノヴァ・キャサリン「それに、あなたはコロナに耐性がある。あなたがノヴァになれば、この星の生物にコロナの耐性ができて、コロナ騒動が終わるわ。」
ミヤモト「おお!!確かに!!しかし、このノヴァの村から出れないってのが不憫だな。なんか、お前だけ損するみたいで申し訳ない。」
ノヴァ・キャサリン「それは単なる言い伝え。ついうっかり忘れて私は、ノヴァの村から何回か出たけど死ななかったわ。」
ソータ「ついうっかり忘れてって・・・・さすがですね。」
ミヤモト「確かに。さすがキャサリンだ。」




