第4章 侍ストーリー 伝統のドラゴン・キラー研究会
小高い丘のドラゴン・ポートを下りて草原の道を3キロ程歩き、途中、何人かの村人ふうの人に道を聞いて、ミヤモトは、何とかグロッキー村の中央通りにやって来た。
中央通りは、ポナ村と似ており、アーケードの中に商店街が立ち並び、ちょうど中心辺りに大きい2m程の茶色の狸の象が立っていた。
狸の象は、右手に酒を持って左手は握り拳を握り、舌を出して右目でウインクをしていた。
ミヤモト「人を小馬鹿にした象だな。」
その狸の象の所に、エリカと同じ深緑色の制服を着た、男女の高校生がいた。
女子高生は黒髪で肩までのショート、身長160前後。男子高生は黒ぶちメガネをかけて、髪がやや茶髪気味、身長170前後の、二人ともどこにでもいる普通の高校生だった。
ミヤモトは、二人に近づき話しかけた。
ミヤモト「こんにちわ、ミヤモトです。エリカさんとここに一緒に来る予定だったんだが、ちょっとエリカさん、体調が悪くなってなあ。それで、俺だけ来たんだが。」
ミヤモトは、さすがにエリカが麻薬で捕まったとは言えず、咄嗟に嘘をついた。
女子高生「はじめまして、私はノリコと言います。そうですか、部長は来れないんですね。」
男子高生「はじめまして、僕はノリユキと言います。じゃあ、部長が復帰するまで、僕達だけで頑張りましょう。」
ノリコ「そうね。体調不良だから、すぐ復帰できるでしょ。」
ミヤモト「そ、そうだな。で、これからどうする?」
ノリユキ「ここから北にある城山に行ってみましょう。城山近辺で、何体かのドラゴンの死体が確認されてるんです。」
ミヤモト「なるほど。じゃあ、誰かがドラゴン・キラーを手に入れていて、そいつがドラゴンを倒したということか。」
ノリユキ「そうなりますね。だから、ドラゴン・キラーを持っているその人を探すことになりますね。」
ミヤモト「城山にいるといいんだが。」
ノリコ「そうですね。」
3人は、城山へと登るロープウェイ乗り場へ歩いて向かった。
ミヤモト「サークルメンバーは、3人なのか?」
ノリユキ「いいえ、全部で本当は10人ぐらいいるんすが、活動をしているのは、私達だけです。」
ノリコ「そうなんですよ、今年でこのサークルは、80周年を迎えるんですけどね。」
ミヤモト「は、80周年!?かなり古くからあるんだな。」
ノリユキ「先輩方の研究に研究を重ねた結果、最近ではドラゴン・キラーは、剣じゃないんじゃないかって説が有力なんです。」
ノリコ「ドラゴン・キラーと聞けば、誰だって剣をイメージするじゃないですか。固定観念にとらわれて、それで見つけられなかっただけだと思うんです。」
ミヤモト「なるほど。俺もドラゴン・キラーはてっきり、剣だと思っていた。」
ノリユキ「いろいろ文献を調べて考えた結果、ドラゴン・キラーは石みたいな物じゃないかと。」
ノリコ「ノヴァの旧約聖書の一文にあるんですが、゛それは、静かに竜を殺す力を持つ。竜は眠るように死んでいく。一晩で何十体、多いときには何百体もの竜の死体の山を築く゛と。」
ミヤモト「う~む。確かに石のような気もするが、いまいち分からないなあ。」
ノリユキ「とにかく、城山に行って調べてみましょう。」
3人は、アーケードを抜けて500m程通りを歩き、ロープウェイ乗り場に着いた。
そして、800円の往復切符を買って、オレンジ色のロープウェイに乗り、城山へと登って行った。




