第3章 ヒカリの覚悟
ヒカリは目をつぶると、体全体が輝き始めた。
ヒカリ「ソータ、俺はお前の不治の病がドラゴン化したもの。お前の体の一部なだけ。」
一 さかのぼること荒天直後 一
ソータが高熱を出して寺の居間で寝ていると、突然、体が輝き始め、その光がソータの頭上に集まり大きな球となった。
そしてその球は、小さな太った小鳥になって、寝ているソータの肩辺りにとまり、ソータの頭を嘴でつついた。
ヒカリ「起きろ、ソータ。」
ソータは目を覚ますと、だるかった体は治り、高熱も下がっていた。
ソータ「ん?なんだ?この太った鳥は?インコ?」
ヒカリ「初対面で太った鳥とは失礼な!!それにインコじゃない!!俺はドラゴン!!光のドラゴンだ!!それはそうと、体が楽になっただろ。」
ソータは上半身を起こし、右手を額にあてた。
ソータ「確かに。熱も下がってる。」
ヒカリ「そうだろ。俺はお前の病気がドラゴン化したもの。もう、お前が高熱にうなされることはない。でも、その代わり以前のような無敵にはなれないぞ。お前は今日から、光の魔法使いになったんだからな。」
ソータ「え?俺が魔法使い?そんなの無理だよ、光の魔法なんか知らないし、それになんでいきなり、病気がドラゴンになったの?」
ヒカリ「魔法は俺が教えてやるから心配するな。それに、光の魔法使いといっても、俺が側にいないと魔法が使えない。俺がこうしてドラゴンになったのは、多分、この天気の荒れ具合から、ノヴァが代わったからじゃないかと思う。」
ソータ「ノヴァ・・・・そういえば、さっき会ってたような・・・・。」
一 ノヴァの村 小高い丘一
ヒカリ「太った小鳥だった俺の姿がドラゴンに・・・・またノヴァが代わったんだろう。ソータ、短い間だったけど楽しかった。本来、俺は質の悪いお前の不治の病、俺みたいな奴は、存在してはいけないんだ・・・・。」
ヒカリは、何百匹ものドラゴン達が飛び交う青空を見上げた。
ヒカリ「それにしても、ドラゴンが多すぎる。ソータ、これからは、もっと大変な時代になるだろう、辛いこともあると思うけど、頑張って生きろよ。死ぬなよ、ソータ。」
ヒカリは、仰向けに寝ているソータにそう言うと、大きな直径10m程の光の球となった。そして、その球は破裂して小さな大量の光の粒となり、寝ているソータの体に降り注いだ。
すると、眠っているソータの背中から流れていた血は止まり、顔に血色が戻った。
一 墜落した宇宙船・シスカ内部 一
カプセルベッドで眠らされていたミヤモトは、激しい振動で外に放り出されて目を覚ました。船内は、損傷したと思われる場所が溶けてなくなり、天井や壁、カプセルベッド等が溶け始めていた。
カプセルベッドで眠らされていた100人の人達が、あちこちに放り出されて横たわっており、うめき声をあげながら、起き上がろうとしていた。
ミヤモト「痛タタタ。背中を少し打った。」
ミヤモトは立ち上がり、周囲を見回した。
ミヤモト「まるで、屋根と壁がない小屋にいるみたいだ。」
ミヤモトは外に出ると、金髪の綺麗な女が、とぎれとぎれの巨大なモニター画面に映し出されて、何か喋っていた。
その女は宇宙船・シスカだったが、ミヤモトはそんな事は知らない。
宇宙船・シスカ「この星の住人を・・・・地球に運ぶ予定が・・・・失敗した・・・・私も再起不能・・・・地球人類・・・・再生計画・・・・失敗・・・・。」
そう言うと、モニター画面は真っ暗になって女は消えた。
ミヤモト「なんだ?今のは。」
「おい、ミヤモト。」
ぼうっと立っているミヤモトの背後から、聞き覚えのある男の声が聞こえ、ミヤモトは振り返った。
ミヤモト「お前は・・・・チャンコ。お前もこの船で眠らされていたのか。」
チャンコ「ああ、そうみたいだ。とりあえず、向こうで話そう。」
チャンコは、近くにある少し大きめの石の所で座って話そうと、首で合図をした。
ミヤモト「そうだな。」
宇宙船で眠らされていた他の人達も、地面に座って話をしたり、負傷者の手当てをしたり、スマホをいじり始めた。




