第3章 キャサリン 轢き逃げされる!!
魔王・キャサリン「まさか、ここに流れているスマホやスマートウォッチは人間?」
オババ様「・・・・もう隠してもしょうがないねえ・・・・そう、ここに流れている物は、あの男によって姿を変えられた人間。」
魔王・キャサリン「人間をスマホや車に変えて売ってるの?」
オババ様「そう。貴族やセレブ、王族に売って、ノヴァの村の収入源にしている。」
魔王・キャサリン「そんな事してたら、いずれ人間がいなくなってしまうわよ。」
オババ様「あの男が言うには、この星の人間の数が多すぎるらしい。ある一定の数になったら、やめると言っていた。そうなると、ノヴァの村の収入源がなくなるけどね。」
魔王・キャサリン「とりあえず、まずはあの男を倒さないと。」
オババ様「それは無理というもの。あの男だけならともかく、あの男の乗っている車を止めることはまず不可能。あの速さを見ただろ。」
作業をしている二人は作業をやめて、しばらくキャサリンとオババ様の会話を聞いていたが、女の方が、オババ様に話しかけてきた。
女「あの、あなたはノヴァでは・・・・何か御用で?」
魔王・キャサリン「私がちょっと、あなた達に用事があるの。あなた達はノヴァの村の人で、ここで働いてるの?」
女「はい、そうです。私達はバイトですが。」
魔王・キャサリン「見たところ、ノヴァの村は儲かってるみたいね。時給もいいんじゃない?いくらぐらいなの?1500円ぐらい?」
女「ええ、いくらかは言えませんが、それよりかはもう少しいいです。」
魔王・キャサリン「え?それは、かなりいいじゃない。サブリーダーだったら、この仕事だと850円ぐらいに設定するわ。」
キャサリンは、それからもう少し、作業員の2人、オババ様と話をした。
建物の少し離れた所で、男は車に乗って待機していた。
キャサリンが建物から出て来たところを、高速ドライブで轢き殺そうと。
男「出て来た!!待ちわびたぞ!!行くぞ!!高速ドライブ秘技・轢き逃げ!!」
男の車は、キャサリンをぶっ飛ばした。さらに男は、今度は車をバックさせて轢き、そしてまた車を前進させて轢いた。
車を前進させて轢き、バックさせて轢くという動作を5回して、キャサリンから少し離れ、車の中からキャサリンの様子を見ていた。
男「ヨッシャアアアア!!ピクリとも動かない!!今度こそ確実に死んだに違いない!!でも、念のため。」
男は、倒れているキャサリンに向かって、長い右腕をライフルに変形させ、赤いレーザー光線をぶっ放した。
レーザーを喰らったキャサリンは、黒いスマホになった。
男「チッスマホかよ。でも、この女ならではの特別な機能があるはずだ、あれだけスーパー強かったんだから。」
男は、車を近づけて車から下り、スマホとなったキャサリンを拾い上げた。そして、短い足を精一杯上げて車に乗り込み、ドアを閉めてエンジンをかけ、アクセルを踏んだ。
しかし、車は進まず、エンジン音だけが大きく鳴るだけだった。
男「な、車が進まない!!なんか景色が少し高い気が!!うわああああ!!」
・・・・・・・・ドン!!
男の車は、真っ逆さまになって地面に墜ちた。男は、右腕のレーザーライフルで窓ガラスを割り、なんとか這い出ると、背後から長い右腕を捕まれ、そのまま引きちぎられた。
男「ギャアアアアアアアア!!」
男の右腕の根本から、血がダラダラと流れ出て、男はあまりの痛さに悲鳴をあげた。
男「痛い!!アアアアアアアアアアアアアアアア!!」
男は蹴り飛ばされて仰向けになり、血が出る右腕の根本を踏みつけられた。
男「ギャアアアアアアアア!!お、お前!!」
男が見上げると、そこには満面の笑みを浮かべたキャサリンが。
そしてキャサリンは、男の右腕の根本をグリグリと右足で踏みにじった。
魔王・キャサリン「あなた、もしかしてエイリアン?足が短かすぎない?」
男「ギャアアアアアアアア!!お前は人間じゃない!!こんな酷いことをするなんて!!お前は人間じゃない!!」
魔王・キャサリン「あなただって、私を何回も轢き殺そうとしたじゃない。」
キャサリンはそう言うと、今度は男の長い左腕を両手で持って、ひきちぎった。
男「ギャアアアアアアアア!!アアアアアアアア!!アアアアアアアア!!」
魔王・キャサリン「ギャーギャーとうるさい男ね。」




