表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンライダー  作者: 明日こそはシンデレラ
46/96

第2章 勝利宣言!!

深夜、町の大通りをロープで胴体を巻かれ、ドラコンゾンビに牽かれている中年の男・魔王オカモトの姿を見て、町中の人々は驚愕した。


町の人々「あの狂犬オカモトが、あんな無様な姿で殺されている!!」


「あの魔王・オカモトの死体の後ろを歩いている男と女が殺したというのか!!」


「魔王・オカモトには魔法が効かないはず。ということは、武器は持ってないから、あの二人は武道の達人だな、たぶん。」


「男は背が高いがガリガリで、女は普通の綺麗系。たぶん、男の方はボクサーで、女の方は合気道だと俺は睨んだぜ。」


様々な憶測が、町中に響き渡った。


キャサリンは小声で言った。


キャサリン「言えない、とても言えないわ。鍵を掛け忘れてビールで酔っ払い、全裸でこたつに入って寝ているオカモトを、台所にあった包丁で刺して倒したなんて、とても言えないわ。」


魔王・ルーファス「キャサリン、闘いとはそういうものだ。この圧倒的な無傷の勝利、まさしく魔王らしい勝利だ。」


キャサリン「いやいやいやいや、ただの押し込み殺人だから。しかも強盗つき。」


そんなキャサリンの言葉を無視して、ルーファスは高々と大声で、勝利の雄叫びをあげた。


魔王・ルーファス「俺は魔王・ルーファス!!俺がこの魔王・オカモトを倒した!!一瞬だった!!もう少し骨のある奴だと思ったが、失望したよ!!準備運動にもならなかったぜ!!」


町の人々「おお!!あいつが今、噂の世界征服をしようとしている魔王・ルーファスか!!」


「凄い!!凄すぎる、魔王・ルーファス!!」


「あの狂犬オカモトを瞬殺だなんて!!魔王・ルーファス、凄すぎる!!」


町中の人々は恐れおののき、道の端々に避け始めた。


キャサリン「そういえば、さっき帰り際にサブリーダーに車のこと聞いたんだけど、リースなんだって。」


魔王・ルーファス「リースだと?」


キャサリンは、右手と左膝をあげて、CMの桜井日奈子の真似をした。


キャサリン「こんなポーズで、一生新車に乗ろう!!って叫んでた。」


魔王・ルーファス「何が一生新車に乗ろうだ!!歳考えてもの言えや!!心は満タンじゃないくせに!!」


キャサリン「サブリーダーは、男よりお金が好きだから、いいんじゃない?」


魔王・ルーファス「クソッあのお金で耳栓を買おうと思ったのに、クソ腹立つ!!」


ルーファスは、再び全裸でロープに巻かれて牽かれている、魔王・オカモトの死体の腹に蹴りを何発もぶちこみ始めた。


魔王・ルーファス「うおおおお!!死ねボケ!!クソが!!うおおおお!!」


町中の人々「うおっまだ魔王・ルーファスは、暴れ足りないというのか!!」


「魔王・オカモトを倒しても、まだ体力が有り余っているということなのか!!」


「魔王・ルーファス、恐ろしい!!恐ろしすぎる!!」


キャサリン「ちょ、ちょっとルーファス、止めなさいよ。血が飛び散って、私のドレスにつくじゃない。」


魔王・ルーファス「チッしょうがねえなあ。」


ルーファスは魔王・オカモトを蹴るのをやめて、大声で叫んだ。


魔王・ルーファス「今日からこの町は俺の物だ!!お前らも、野良猫も野良犬の命も全部!!全部だ!!俺の言うことを聞けば、悪いようにはしない!!」


その言葉を聞いて、町中の人々はひざまづいた。


町中の人々「分かりました!!魔王・ルーファス様!!」


「私達は、あなた様には絶対逆らいません!!」


「だから、どうか!!どうか命だけは!!」


魔王・ルーファス「なかなか物分かりのいい町だな。」


キャサリン「よく言うわね、ただの押し込み強盗殺人なのに。」


魔王・ルーファス「キャサリン、闘いとはそういうものだ。」


ルーファスとキャサリンは、仲良く手を繋いで、笑いながら町を出た。


町の外へ出ると馬車が現れたので、ドラゴンゾンビは魔王・オカモトを縛ったロープを外し、馬車を自分の背中にセッティングした。


ドラゴンゾンビ「魔王様、オカモトの死体はどうします?」


ルーファスは周りを少し見渡し、生ゴミ置き場と書かれた幅2m,高さ3mほどの金網籠を見つけた。


魔王・ルーファス「あそこだ、あそこが生ゴミを出すところだ。あそこに放り込んでおけ。」


ドラゴンゾンビは、金網の籠の中に魔王・オカモトの死体を投げ入れた。


魔王・ルーファス「さて、帰るか。」


キャサリン「そうね、疲れたわ。ルーファス、寝ないでね。あなたのイビキ、うるさすぎだから。」


魔王・ルーファス「お前の方がうるさいって!!」


そう言いながら、二人は馬車の中に入り、ドラゴンゾンビはカサブランカの街を目指して歩き始めた。


それから間もなくして、どこからか野良犬やカラス達が集まり、魔王・オカモトの死体を食い散らかし始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ