第2章 何を買う?
キャサリンは、黒いゴミ袋に金を詰め込みながら、ルーファスに聞いた。
キャサリン「ルーファス、このお金で最初に何を買うの?」
魔王・ルーファス「そうだなあ・・・・。」
ルーファスは考えながら、キャサリンの顔をチラッと見た。
魔王・ルーファス「耳栓だ、耳栓。お前のいびきは、ベネズエラ・カタトュンボの雷に匹敵するぐらいうるさい。」
キャサリン「失礼ね、こんだけのお金があって、最初に買う物が耳栓だなんて、スケールが小さすぎるわ。だから、貯金が15万しかないのよ。ちなみに、カタトュンボの雷は音がしないの!!」
魔王・ルーファス「ったく、ああいえばこういう、だから女って苦手なんだよなあ。で、そういうお前は何を買うんだ?」
キャサリン「私は、このお金でウキョウさんを雇うの。」
魔王・ルーファス「ウキョウ?あのドラマの?」
キャサリン「そう。ウキョウさんを雇って、私の身近に起きる難事件を解決してもらうの。」
魔王・ルーファス「難事件て、そもそもお前の身の回りに、難事件なんて起きないだろ。」
キャサリン「さっきも強盗殺人が起きたところじゃない。」
魔王・ルーファス「難事件じゃないだろ。明らかに犯人は俺だし、ウキョウが出るまでもないわ!!馬鹿なこと言ってないで、さっさと金を詰め込むんだ。俺は、ドラゴンゾンビを呼ぶ。」
ルーファスは、金をゴミ袋に詰め込むのをやめて、指パッチンをし始めた。ちょうど700回目の指パッチンをしようとしたとき、全裸の魔王・オカモトの死体につまずいてこけた。
魔王・ルーファス「クソッまた始めからやり直しだ!!邪魔なんだよ!!このクソボケが!!」
ルーファスは、全裸の魔王・オカモトの死体のあちこちを100回ほど蹴り、靴下が血で赤く染まった。
魔王・ルーファス「ハアッハアッハアッハアッ。死んでも俺の邪魔をするとは、さすが魔王・オカモトだぜ。」
キャサリン「なに訳の分からないことしてるの?もうゴミ袋がないわ。とりあえず、お金は後日回収するとして、今日はこの辺で切り上げましょう。」
お金がいっぱいに入ったゴミ袋は、4袋だった。
魔王・ルーファス「チェッたったの4袋か。」
そう言って、ルーファスは再び指パッチンをし始めた。
1000回目の指パッチンを聞いたドラゴンゾンビは、ゆっくり馬車を牽いて、ルーファスのいるダイヤモンド・トューベへと向かった。その姿を見たトューベの町の人々は、悲鳴をあげた。
トューベの町人達「うわあっ悪魔だ!!悪魔の使いだ!!」
「ヒィッ殺される!!」
「終わりだ!!世界が今日、終わるんだ!!」
ドラゴンゾンビがダイヤモンド・トューベに着くと、黒いゴミ袋と、そのゴミ袋の側に全裸の魔王・オカモトの死体を地面に置いた、ルーファスとキャサリンが待っていた。
魔王・ルーファス「遅いぞ!!ドラゴンゾンビ!!いつもなら風のように現れるのに、いったいどうしたんだ?」
ドラゴンゾンビ「それがちょっと・・・・。」
馬車から、黒いキャバドレス・ローブドフルールを着たサダが降りてきた。
サダ「さすがルーファスね、魔法の効かない男・オカモトをこんな短時間で倒すなんて。」
魔王・ルーファス「サダ!!なぜここに?それと、パンティーは、ちゃんと変えて来たのか?」
サダ「ちゃんと毎日変えてるわよ!!しつこいわね!!スマホでドラゴンゾンビにラインしたの、そしたらトューベにいるって。」
魔王・ルーファス「ドラゴンゾンビ!!お前、スマホを持っているのか?」
ドラゴンゾンビ「はい。ドラゴンゾンビなだけに、パズドラをしたくてついつい、スマホを買ってしまいました。」
サダ「それより、その死体は魔王・オカモトなのは分かるけど、ゴミ袋は何?」
魔王・ルーファス「これは、あ、あれだ。アイテムだ。ゲームとかで敵を倒すとよく貰えるティファールとか、クレラップ、それからトイレットペーパー等の生活必需品だ。」
サダ「ん?普通、薬草とかでしょ。なんか怪しいわね。」
サダは手提げバッグからボールペンを取り出して、ゴミ袋に穴を開けた。
サダ「うわっこれ、お金じゃない!!」
キャサリン「あちゃ~サブリーダーにばれちゃったわね。」
サダ「凄いわ、ルーファス。まだアパートの中にお金あるんでしょ?さっそく、私が部下達と一緒に回収しとくわ。お金のことは私に任せて、あなたは魔王・オカモトの死体をドラゴンゾンビに牽かせて、この町を歩いて。」
魔王・ルーファス「クソッなんてタイミングが悪い。そうだ、サダ!!魔王・オカモトを倒したんだから、俺の給料を少しあげてくれ!!」
サダ「分かったわ。今月から上げるから楽しみにしておいて。」
魔王・ルーファス「約束だぞ!!ドラゴンゾンビ、馬車をしまって、この全裸の男をロープで繋いで牽くんだ。」
ドラゴンゾンビが牽いて来た馬車が消えてなくなり、代わりにロープで縛られた全裸の魔王・オカモトを牽いて、ドラゴンゾンビは歩き始めた。
そして、全裸の魔王・オカモトの死体の少し後ろを、ルーファスとキャサリンは仲良く手を繋いで、町の大通りを歩き始めた。




