お父さん、輝く
終業前のミーティングを終え、会議室から出ると同期の清水が声を懸けてきた。
『よう高山、今日はどうした?エリア長との質疑応答であんなにハキハキ即答するからエリア長機嫌が良かったぞ。高山が輝いて見えたって言ってたぞ。』
「そうか?ただ私はこれからは人が話してる時は関係ないことを考えるのをやめたんだ。」
『・・・お前、今までなに考えてミーティング出てたんだよ。』
家に戻り、食事を済ませ朝子さんの手伝いをし、風呂も入っていざゲームの世界へ・・・・・・
気付けば広場に立っていた。
オウル導師は・・・、居た!
広場の真ん中で佇んでいる導師を確認し私は小走りに近づいた。
「導師、昨日はすみませんでした。若輩者の私に色々と教えていただいたのにあんな態度を取ってしまいまして本当にすいませんでした。」
私はまともにオウル導師の顔を見ることも出来ずただただ頭を下げた。
しかし導師からは返事がない。
顔をあげると導師は小刻みに震えていた・・・
導師はカッと目を開いたかと思えば、クワッと口を開いたりを繰り返しながら震えている
やはり昨日の私の仕打ちがまだ許せないのだろうか・・・
「すみません、出直してきます・・・。」
私はもう一度頭を下げ、その場を離れた
「また明日あやまろう。さて折角来たんだ、手に入れたアイテムを売ったり武器や防具を買おうかな。」
すれ違う冒険者がなにやら私の事を話していた気がしたが昨日の一件を見ていたのだろう。
私は一つの露店へと近づいた
「すいません、ここはなんの店ですか?」
『いらっしゃいませ。ここはアイテムの売買を行っています。今日はどのようなご用件でしょうか?』
「買い取りを御願いしたいんですが。」
すると目の前にはウィンドウが開き自分の所持品が並んでいる。まぁスライムゼリーと羊毛ばかりだが
『どれを買取りさせていただきましょうか?』
「ではスライムゼリーと羊毛をすべてお願いします。」
結構な量があったのでお金も増えた。なんだかリッチな気分である
それとちょっとしたアイテムかったからね。
次の露店に移ろうとしているとふと視界の端にオウル導師が入った。
まだ震えているように見える
なんだか非常に申し訳なく思えた
が、今は露店巡りが私の中の最優先である
そういえば、朝子さんもウィンドウショッピングとか楽しいそうだもんなぁ。本当に女性の方は好きだよなぁ、何分も店員さんに相手をさせて、試着して他を見てからまた来ますと笑顔で言えるなんてどれだけの強心臓の持ち主なんだよと思うよなぁ。
おっといけない、また思考の海を漂ってしまった
武器と防具を露店で購入した
(戦士の槍・戦いに適した槍 俊敏+3)
(戦士の皮鎧・戦いに適した皮鎧 俊敏+2)
購入した武器と防具を装備してみる
「いいじゃないか、なかなかの戦士っぷりだ。」
あまりに嬉しくて槍を振り回してしまった。
さて明日からは本格的にダンジョンに挑戦しよう。
『おい、今日もニットさんオウル爺に絡んでたよな。』
『あっ、でもなんか謝ったりしてたぞ。』
『なぁ、あの人はわざとなのかなぁロール?』
『NPCにあそこまで喜怒哀楽を表現してるのはロールより天然だろ。まぁ、爺さんには怒と哀しか出してないけど。』
『怖いよなぁ、槍を振り回して満面の笑顔のハーフオーク。あの顔でニット帽だからなぁ。』




