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大好きな妻が亡くなった  作者: ゆき


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63日目 グリーフ・リバウンド 参


9月2日(水)

午前3時半頃

右足のつりで起きる。

動画で見た足つり対処をした。

数10秒もしないうち足つりが治り眠気が酷いのでそのまま布団に入る。

「いたたっ!」やばいそうだった対処法はあくまでその場限定で結局立たないと完全には治らない。

堪らず起き上がり引きずる足でトイレへ行く。


暫くソファーで呆ける。

そう言えば妻が亡くなって今日で丁度二ヶ月目。

目紛しい日々だった。

とても寂しくて恋しくて物凄く辛い、そんな人生の生き地獄を今も歩いている。

そして常に不安と孤独が付き纏いそれは今も続いている。

二ヶ月ぽっちでは妻への悲しみは癒えない様だ。


ムッチに会いたい…


ふと妻の仏前を見ると一杯のチョコとお花が飾られている。


あぁそっか昨日は友達が来てくれたんだ

妻の写真も一杯みてもらったな

楽しかったなぁ


壁や仏前横に沢山並ぶ妻の写真。

若い頃は美人で可愛い彼女の写真を見ていると当時の思い出がフラッシュバックの様に蘇る。

国際免許証を態々取ってこの島を走り回ったんだよな…

あぁ何もかもが懐かしい

無性に恋しさ切なさ寂しさが襲ってくる。


ムッチぃ寂しいよ

恋しいよ


潤む目と鼻を啜る。


また一緒に旅をしようよ

ねぇムッチぃ


仏前で俯き啜り泣く

やっぱり辛い、ほんと辛い、死ぬほど辛い

今日は特に落ち込み方が酷い気がする。

ズンと心が沈んでいる。

暫くは動けなかった。


感情の揺り戻し(グリーフ・リバウンド)

妻の命日から丁度一ヶ月と言う事もあるが、昨日の楽しさにも反応したんだと思う。

自分では意識していないが罪悪感があるのかな

線香を焚きお燐を鳴らす。


ムッチぃごめんよ


午前6時

昨日、一ヶ月の掃除当番が回って来た。

今日は燃えるゴミの日だ。

着替えて、ゴミを集めゴミ置き場に行く。


庭の胡瓜を収穫。

ありがたい!

少しずつだが日常が帰って来た気がする。

まだ楽しくは無いんだけど


午前8時頃

洗濯機の洗濯が終わったので洗濯物を干しに2階へ上がる。

どうも今日は全てにおいてやる気が湧かない。

Tシャツは少しシワのままハンガーに掛けタオルもいい加減に干す。

気持ちが沈む。

今日はダメだな


昨日の友と食べた焼き鳥が余っていたのでそれを朝食とする。


午後12時

定期預金を調べる。

色々読み漁ったが一長一短でどれも抜きん出る物が無い。

困ったな…やはり窓口か電話で聞きたい。

安定の大手か利息のネット銀行か

こんな時妻だったらどうするんだろう。

彼女の優秀な資産運用のお陰で今自分は生かされている。

でもこのままだとそれ程遠くない未来で自身は絶対困るだろう。

おろそかに出来ずかと言って慎重過ぎて時間を掛ければ資産運用そのものが崩壊する。


どうしたものか…


午後3時

遅い昼食を取る。

手を合わせ「いただきます」をする。

まだ残っていた焼き鳥を頬張った。

口の中でモゴモゴしながら妻の写真が目に入る。

母と桜の下で撮った写真だ。

まだ義母は立って歩ける時だった物だ。

波の様に気持ちが揺らぐ

言いようの無い恋しさが襲う。

この焼き鳥、妻が好んで良く買ってな

食べさせたかったな…

もぐもぐと食べているのに味がなくなった。

何か筋張った物を食べている感じがする。


ムッチぃ…会いたい…恋しい…


涙が流れ鼻が鼻水で塞がる中、口に焼き鳥があり息が出来なくなる。

口にまだ食べ物がある状態で鼻をかむ


もう辛くて堪らない

この気持ちほんと苦しい…

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