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大好きな妻が亡くなった  作者: ゆき


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30日目 兄夫婦からパンをもらう


7月31日(金)

午前中

妻は生前父母の面倒を見ていた。

本来なら長男である義兄夫婦が面倒をみるべき事だが2年前に姉である義兄の奥さんの父母が亡くなられその悲しみもあり流れ的に妻が一手に引き受ける事となった。

それ以前は姉と妻で手分けして面倒を見ていたがこの2年間は妻が一人で見ていた。


当然義父の住む実家の全てが妻無しでは回らず義父母のあらゆる手続きから手配に資産管理と任されていた。

なので妻が亡くなった事で実家の管理が分からない義兄夫婦はパニックになっていたと思う。


私は妻の書類を探すうちに義父母の書類も多々出て来るのでそれらをまとめていた。

その書類を兄夫婦に渡すのが今日なのである。


午後

兄夫婦がウチに来た。

まとめた書類を紙袋に入れ渡す。

すると姉から「しっかり食べるんだよ」と美味しそうなパンを幾つか貰った。

これはとっても有難い。

お礼を言うと私の近況報告を聞いて帰って行った。

心配掛けてすいません。


この一ヶ月まともな食事はしてこなかった。

スーパーに行くと毎日の様に妻と買い物をした事を思い出し心が抉られる。

外食は隣に絶対いた妻を思い出すので店に未だに入れない。

スーパーなら目的の物だけ買って直ぐに店の外に逃げられるが外食は一度座ると逃げられないので入りたくないのだ。

スーパーはゆっくり商品を眺めていると妻が好きなとか妻と一緒に食べたなどが思い出されとても辛くなる。

なので今日の献立はなどと選べる食材も無く食事はおろそかな物だ。


こうして兄夫婦に貰った予想もしないパンを食べられるのはとても嬉しい。

ありがたく頂く。


とても美味しいそうなパン

2日分はありそうだ。

さて、どうやって食べようか

ただでさえ食欲が無いので先ずは包丁で1個を何個かに切り分けてみる。

4つあったので一杯数だけは増えた。

何だろ1週間分に化けた気がする。

どんだけ貧乏人なんだと側から見たら思うレベルだ。

早速、一切れをゆっくり噛んで食べる。

うん、美味しいほんと旨い。

でもすぐに胸が詰まる。

妻が亡くなって一ヶ月になろうと言うのに私の体はとてもだらしがない。

この頃は座った場面から立ち上がると直ぐに立ち眩みがする。

しかも酷い立ち眩みで目の前まで真っ白になる。

少しでも胃に入れないと…

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