20日目 思い出を売りに行く
7月21日(火)
午前9時頃
リビングにまとめたキャンプグッズ類を売りに行こうと思う。
キャンプ動画もやっていた事もあり結構その時期の人気商品も一杯ある。
これらは妻あってこそのキャンプグッズだった。
当然ソロキャンプとは違いとても大きい物ばかりなので相当な量となる。
早速車に積み込もう。
大きいテント二つだけで荷台の半分は埋まってしまったがこれ全部入るかな?
骨組みのしっかりした簡易ベットもデカいな
ちょっと積み方を考えるか…
色々試行錯誤して何とか全部詰め込めた。
どれも新品で買えば相当な値のつく物ばかりだ。
使用はしたが結構状態の良い物ばかりだ。
買ったはいいが使ってない物も結構ある。
その中に妻に頼まれて買った物がある。
義父母の面倒がある程度目処がつき暇が出来たらキャンプに行って使う予定だったものだ。
そう思っただけで目頭が熱くなった。
啜り泣きながらドアを閉める。
今の私には大き過ぎるだよ
二人でも大きいのに一人では持て余す。
「ムッチ、ごめんな」
「見てるだけであの頃を思い出し辛いんだ」
「なので売って来るよ」
リサイクルショップへ向かう。
怖いな…そう思いながら車を走らせる。
ちょっと距離もあるけど上手く運転出来るかな
車庫入れ大丈夫かな広ければいいけど
何とも情け無い話しだがまだ運転は慣れてはいない、何せ20年近くも乗っていなかったのだから
午前10時頃
目的のリサイクルショップに到着した。
まだ客もまばらで車も停めやすく助かった。
台車を二つ借り荷物を乗せて店内に運ぶ
査定するのに30分は掛かると言われ近くのスーパーで買い物をする。
午前10時半頃
査定完了の通知をもらい店内に赴く。
カウンター横のスペースに座らされ査定額を見て驚いた。
5千数百円…あれだけのブランド物が、むつみの思い出の詰まった物が5千円程度なの…
暫く考える。
持って帰っても辛いし悲しくなる。
だからと言ってオークションやメルカリに出品し購入者とやり取りする心の余裕も無い。
専門店ならもっと高いだろうが確実性のある店など全く知らない。
仕方なく承諾をし店を後にする。
先程スーパーで買った指定ゴミ袋と日用品に微々たる食費と大差ない金額。
悲しい…
でも、これが現実なんだ。
帰りの車の中で悶々とする。
世の中やっぱり世知辛い
家に着くとガランとした室内に少しの不安と違和感があった。
なにせ思い出で出来た部屋だっただけに寂しさもある。
有れば有るで辛く恋しく寂しい気持ちになり、無ければ無いでこれもまた寂しさがある。
とても複雑な心境だ。




