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大好きな妻が亡くなった  作者: ゆき


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18日目 通信会社の回線工事


7月19日(日)

時間不明

早朝、珍しくゆっくりと目が覚めた。

薄暗い天井を見つめ右に頭を傾ける。

隣に寝ていたはずの妻の布団を見る。

膨らみの無い布団を見て、居るはずの無い妻の面影を思い出そうとする。

胸が締め付けられ心が重くなる。

そして妻の布団を摩りだす。


ムッチぃ、どうして居ないの…


60過ぎの男が甘えた声で囁く…

目にいっぱい涙を溜めて妻の布団を摩っている。

そうだ…今日は人が来るんだった。

足攣りは少々あるものの直ぐに立ち上がり1階へ降りる。


午前8時頃

今日は新たに契約した通信会社の回線工事だ。

古い通信機器が置いてある所に新しい物を設置するのだが隣に妻の位牌と骨壷が置いてある。

線香をあげお燐を鳴らす。


「ムッチおはよ」

「今日はね通信機器の入れ替え工事をするよ」

「10数年以上使っているモデムだからセキュリティが心配だったしこの頃調子悪かったでしょ」

「なので通信会社もこの際変えてしまったのさ」

「ムッチごめんな工事が終わるまでこっちに移動してもらうよ」


狭いスペースに押し込めちょっと可哀想になった。


「ここで工事おわるまで待っててね」


目立つ所を掃除機で吸いまくる。

まぁシミとかあるけど綺麗になったので良しとする。

部屋もついでに掃除する。

玄関も綺麗にし準備完了!


程なくして工事の人が来た。


大した移動も無く順調に機種交換をする。

問題なく工事を終了し工事の人は帰っていった。

どれどれと色々な機種で通信状況を見てみよう。

iPhone

今までと体感速度は変わりなしか…

目新しさも無い。

iPad

全く変わらんし分からん。

取り敢えず異常は無い様だ。

10年前と通信速度が変わらないのだから当然の話しだ。

然し、昔の自分なら下りとか上りなど計測したものだが今はすっかり興味を無くしている。

異常が無く今までと変わりないので途端に興味をなくす。

こんなもんでしょ

PCは…後でいいや


それにしてもスマホを復活させるだけで良かったのに終わってみれば回線工事まで辿り着いた。

・スマホ購入

・オプション追加

・回線変更&工事

と随分お金が飛んだな…

弱り目に祟り目とは良く言ったものだ。


妻を元の場所へ戻す。



「ごめんなムッチ」

「狭かったろほんとごめんよ」



妻に関わる事は声を出して話す様になった。

これは妻の要望ではなく私の問題、そうしていないと心が持たないから

今は返信の無い会話が私の全てだ。

死後の世界が有るのなら私の言葉はラジオの様に彼女が聞いていると思う。

是非聴いてもらいたい。

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