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大好きな妻が亡くなった  作者: ゆき


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15/56

14日目 悪意あるショップ店員 弍


7月15日(水)

午前6時

珍しく良く眠れた。

昨日の疲れは相当なものだった様だ。

然し攣りは若干だがあり患部がズキズキする。

今日もむつみは現れなかったな…

昨日の事もあるのか気分は最悪だ。

気持ちは沈みとても孤独で不安になる。

物凄くどん底の気分だ。

隣の布団に目をやると何とも言えぬ感情が込み上げて来る。

恋しさから周りを見渡し突然妻を探しだす。


ムッチ、ムッチー

何処にいるのムッチぃ…


暗がりの部屋で探しまわる。

幽霊でも痕跡でも構わないから出てきてほしいその一心でバタバタと探しまわる。

洋室の部屋で床に落ちるポタポタ音、途端にへたり込む

グズつきテッシュで鼻をかむ

自分でも分かっているむつみの名を呼べば呼ぶほど自身の心が苦しくなる。

だけど止められない。

恋しいし寂しいしとても辛く泣くと胸の奥がギュッとして痛くなる。

この苦しみはいつまで続くのだろう


午前9時半

着替えて通信会社のショップへ向かう。

バックには昨日解決したiPadも入っている。

重い…

また反応したら使ってもらう為だ。


午前10時

到着し、ショップへ向かう。

昨日の店員が現れた。

早速昨日家での出来事を話してみた。

すると店員が明らかに気まずそうな顔になり

店員「あーあれかー…」と言いながら私を無視してバックヤードに消えて行った。


この時の私はあまり事情が分からず私がこのiPadを持って来ていれば解決したのかぐらいにしか思っていなかったが、前日にも書いたが他店舗で聞いた話しでは店員の確認漏れが無ければ解決した話しらしいのだ。

この逃げる様に店の奥に隠れたのはその間違いを誤魔化す行為だったと分かる。

その後戻って来ると何も無かった様に違う話しを振って来たのがそう言う事なんだろう。

ちなみにこの当時の私はiPadはもう必要無いようだと思っていた。


それでもここからも相当時間を要した。

前の様に使える事が重要なので色々と試行錯誤していた様だ。

この点だけは評価しておこう。

問題は妻の機種。

タッチパネルがいかれてる状況をどう打破するのだろう。

やり方があるらしいがそれでも中々進まない。

取り敢えずメモとメールだけは復活出来ないか頼んでみる。

昨日の5時間箱詰めが効いている。

自身は早くこの場から立ち去りたい一心で出てしまった発言だがこれが後から後悔する事となる。

程なくして作業は終わった。


さっさと逃げ出したい。


最後にこの店員の図々しさが垣間見えた。

店員「この後メールが届くと思うんです」

店員「アンケートが入っていると思うので是非評価を入れてもらえますか?」

店員「お忘れ無く!」

この人こちらが下手に対応していたからなのか自分は良くやったぞ完璧な対応だ!

きっとそう思っているのだと感じた。

なのでメールが来た際きちんと正直に自分の評価を入れて差し上げた。


午前11時半

スーパーの一画にある引き出物コーナーで家族以外の方達へ香典返しの品を選ぶ

誰もが使うであろう品を選び配送手続きをする。


午後0時

家に帰り早速妻のメモ書きをチェックする。

日本の神様大好きな妻らしく神代文字やカタカムナ文献に海外のシュメール文字やヒッタイト文字などをまとめた物が一杯出て来た。

自分なりに日本語の母音の解釈も載っていたりとても良くまとめられている。

さすが言霊研究家の妻だ。

その中で一文が目に止まる。


魂とは賜りし霊(タマワリシヒ)

ヒとは霊火日氷が極まった物らしい


成る程、良くは分からないが魂とは神より賜った神聖な火と言う事なのか?

何かとても懐かしく一生懸命なところが可愛く思えて微笑ましかった。

懐かしいなぁ

家には日本の神様本が一杯あり妻は購入もするがよく図書館にも足を運び神様本を借りていた。

宗教とかではない妻は日本人には常に神様を身近に感じる何かがあるものと信じ研究していた。

一主婦がここまでやるものか?ってぐらい凄まじい気迫を私は感じていた。

今頃、神様達の元で妻は楽しく会話しているのだろうか…そんな想像をすると嬉し涙で潤っとする。

良かったねムッチ、大好きな神様と一杯お話ししているのかな?ほんとに良かった。

ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。


あぁこれが妻の使命だったのかもしれない。

妻は現世で神様を研究し知る事で研究結果を神様に報告しているのかもしれない。

もっと遅らせても良かったのに…私は辛いよ

もっと一緒に生きたかった。

でも天界で妻が幸せならそれでいい

私もそのうち行くから抱き合おうね

涙が止まらない。

嬉し涙でも胸は苦しいんだな


鍵付きの項目があった。

そうこれらの情報が欲しかったんだ。

何件か目的の情報を見つけた。

早速兄夫婦に報告を入れよう。


次に妻の資産運用について書かれているか調べ尽くす。

現時点の書類と照らし合わせそうな物も幾つか出てきたが隠し資産は見つからなかった。

取り敢えず進められる項目だけピックアップして抜き出そう。


午後5時頃

あ、どうしよう失敗した。

早くショップから帰りたい一心で妻のスマホに入っていたアプリをおろそかにしていた。

これらを解決してから電話の解約すれば良かったのに…

ポイント系アプリが開かない。

電話番号を要求され先に進めない。

きっとポイントも貯まっていただろうに

大したアプリではないがそれでも全部復活させておけば良かった。



「ごめんよムッチ…」



ほんと私はバカだ。

糞が付く程の馬鹿野郎だ。

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